PCB ルールと違反

親ページ: PCB パネル


デザイン ルールや関連する違反を参照、編集、およびインターラクティブに表示します。

概要

デザイン ルール チェック(DRC)は、デザインの論理的および物理的な整合性を自動的にチェックする強力な機能です。PCB ルールと違反(PCB Rules And Violations)パネルを使用すると、有効なデザイン ルールおよび違反を現在の基板レイアウト ワークスペースで簡単に参照することができます。このパネルは、ルールを参照および編集するための中心的な場所となります。このパネルからデザイン ルール チェックを開始したり、個々の違反をグラフィック オーバーレイとしてエディタ ワークスペースに表示したりすることもできます。

パネルへのアクセス

PCB ルールと違反(PCB Rules And Violations)パネルにアクセスするには、メイン メニューからホーム(Home) | デザイン ルール(Design Rules) |  をクリックします。PCB エディタがアクティブである場合、ルールと違反(Rules And Violations)パネルにアクセスできるようになります。

パネルは、エディタ スペース内でフローティングするように構成することも、画面の側面にドッキングするように構成することもできます。PCB ルールと違反(PCB Rules and Violations)パネルが現在、ドッキングされたパネルのグループに含まれている場合は、それらのパネルの下部にある PCB ルールと違反(PCB Rules And Violations)タブを使用して前面に移動します。

ルールと違反の選択

PCB ルールと違反(PCB Rules And Violations)パネルの本体には 3 つのセクションがあり、各セクションでデザイン ルールおよび違反のスコープを絞り込むことができます。

  1. ルール クラス(Rule Classes) – クリアランスや幅など、クラスによってグループ化されたデザイン ルール。
  2. ルール(Rules) – 選択したクラス内の個々のデザイン ルール。右クリック メニューから特定のデザイン ルール チェック(DRC)を実行できます。
  3. 違反(Violations) – アクティブ化したデザイン ルール チェックによって報告された各ルール違反の詳細。

個々のルール違反を選択すると、デザイン ワークスペースでその違反がグラフィカルにハイライト表示されます。拡張された違反グラフィックは、違反しているプリミティブが存在するレイヤにのみ描画され、そのレイヤが(有効な場合)ワークスペース内でアクティブなレイヤになります。

ルール違反の詳細が有効な場合(下の画像を参照)、エディタのグラフィックには、ルールに定義されている制約条件値が表示され、違反しているプリミティブがその値を下回っている、または上回っている状況が示されます。


Net GRN_N における、5mil に設定された最小幅ルールの違反。

ズーム(Zoom)ハイライト方法を有効にしている場合、参照する違反に合わせてワークスペースが拡大表示され、違反している領域がより正確に表示されます。パネルの拡大レベル(Zoom Level)ボタンを使用して、拡大/縮小の精度を調整できます。


The zoom precision popup window lets you define the level of zoom using a scale from Far to Close.

PCB ルールと違反(PCB Rules and Violations)パネルから、またはデザイン ワークスペース内で違反の詳細を表示することもできます。

  • パネルでは、違反(Violations)リストで違反エントリをダブルクリックして違反詳細(Violation Details)ダイアログを開きます。
  • ワークスペースでは、違反しているプリミティブにカーソルを合わせ、右クリックして、コンテキスト メニューから違反(Violations)を選択した後、該当する違反を選択して違反詳細(Violation Details)ダイアログを開きます。

  
上の画像でワークスペースにグラフィック表示されているルール違反の例の詳細情報が表示されています。

一覧表示されている違反エントリをクリアするには、そのルール クラス(または All Rules)を右クリックし、Clear Violations for Rule Class を選択します。特定のルールについて一覧表示されている違反をクリアするには、ルール名の右クリック メニューから Clear Violations for Rule を選択します。また、ホーム(Home) | デザイン ルール(Design Rules) | デザイン ルール チェック(Design Rule Check) » エラー マーカーをリセット(Reset Error Markers)を選択すると、現在の違反がクリアされます。

視覚フィルタリングの設定

デザイン エディタ ウィンドウ内のドキュメントにおける、パネルの選択内容の視覚的な結果は、パネルの上の方にある一連のハイライト コントロールによって決まります。エディタ ビューに適用される効果は、ノーマル(Normal)マスク(Mask)、または寸法(Dim)に設定できます。実際には、マスク(Mask)のハイライト効果が最もわかりやすくなります。

ノーマル(Normal)/マスク(Mask)/寸法(Dim)のドロップダウン リストには、フィルタが適用されたオブジェクトとフィルタが適用されていないオブジェクトをデザイン エディタ ウィンドウ内で視覚的に対比するためのオプションが用意されています。


マスキング モードのドロップダウン リストを使用して、適用する視覚フィルタのタイプを選択します。

各マスキング モードの視覚的なハイライト効果は次のとおりです。

  • ノーマル(Normal) – フィルタが適用されたオブジェクトがデザイン エディタ ウィンドウに表示され、フィルタが適用されていないオブジェクトの外観は変わりません。
  • マスク(Mask) – フィルタが適用されたオブジェクトがデザイン エディタ ウィンドウでハイライト表示され、他のオブジェクトはすべてモノクロで表示されます。
  • 薄暗(Dim) – フィルタが適用されたオブジェクトがデザイン エディタ ウィンドウでハイライト表示され、他のオブジェクトはすべて、それぞれの色を保持しますが、シェイディング表示されます。 

視覚フィルタの変更を確認し、エディタ ウィンドウをリフレッシュするには、 ボタンをクリックします。

表示の制御

マスク(Mask)表示モードでは、フィルタが適用されていない(選択されていない)オブジェクトはモノクロで表示されます。背景(ハイライト表示されない)オブジェクトのコントラストを設定するには、表示(View) | マスクをハイライト & 編集(Highlight & Edit Mask)グループにあるマスク レベル(Mask Level)スライダ コントロールを使用します。

また、薄暗(Dim)表示モードでは、フィルタが適用されていないオブジェクトはそれぞれの色を保持しますが、影付き表示されます。フィルタが適用されたオブジェクトとフィルタが適用されていないオブジェクトの間のバランスを設定するには、表示(View) | マスクをハイライト & 編集(Highlight & Edit Mask)グループにある Dim レベル(Dim Level)スライダを使用します(上の画像を参照)。

表示(View) | マスクをハイライト & 編集(Highlight & Edit Mask) |  ボタンまたはパネルの ボタンを使用すると、ハイライト表示を解除できます。

フィルタ オプション

パネルのチェック ボックスでは、次のフィルタ操作が適用されます。

  • 選択(Select) – 有効にすると、フィルタが適用されたオブジェクトがワークスペース内で選択されます。
  • ズーム(Zoom) – 有効にすると(デフォルト)、フィルタが適用されたオブジェクトがデザイン エディタ ウィンドウの中央に拡大表示されます(可能な場合)。フィルタが適用されたオブジェクトの拡大に使用するズーム ファクタを調整するには、 ボタンを使用します。
  • 既存のクリア(Clear Existing) – 有効にすると(デフォルト)、新しいフィルタを適用する前に、既存のフィルタがクリアされます。このオプションを無効にすると、既存のフィルタを拡張できます。基本的には、既存のフィルタに加えて新しいフィルタを適用することにより、フィルタの適用範囲をさらに絞り込むことができます。

これらのオブションを任意に組み合わせて有効にすることができます。たとえば、フィルタが適用されたすべてのオブジェクトをデザイン エディタ ウィンドウで中央に拡大表示し、選択された状態にすると同時に、他のデザイン オブジェクトにはマスキングを適用して目立たなくすることができます。

ボタンを使用すると、現在適用されているフィルタを無効にすることができます。デザイン ワークスペース内のすべてのオブジェクトが完全に表示され、選択/編集可能になります。フィルタを再度適用するには、 ボタンをクリックします。

DRC 違反の表示の制御

グラフィック マーカーのスタイル、数、および色を設定することにより、DRC 違反の視覚的な表示を、できるだけわかりやすくなるように構成したり、自分の好みに合わせて構成したりすることができます。違反詳細のグラフィック表示とともに、さまざまなスタイルから選択したグラフィック パターンでデザイン プリミティブをオーバーレイすることができます。

違反の表示のプリファレンス

カスタムの違反グラフィックまたは定義済みの違反オーバーレイ(あるいはその両方)を使用した DRC 違反の表示の制御は、プリファレンス(Preferences)ダイアログ(ファイル(File) »  ボタン)の PCB エディタ(PCB Editor) - DRC 違反の表示(DRC Violations Display)ページで指定します。

違反の表示のプリファレンスを使用して、次のことができます。

  • ハイライト表示されたルール違反のオーバーレイ パターンまたは色スタイルを指定します。
  • ズームインおよびズームアウトしたときの違反表示スタイルの処理方法、つまり、ズーム レベルに応じてパターンや色をどのように表示するかや、どのズーム レベルから詳細を表示するか(遠い(Far)から近い(Close)まで)を設定します。
  • ルール タイプごとにグラフィカルな違反の詳細とオーバーレイを有効または無効にして、各タイプのルールの違反表示スタイルを定義します。

違反の色の定義

ルール違反をワークスペースに表示するときの柔軟性を高めるために、違反詳細と違反オーバーレイの 2 つの違反表示タイプに別々のシステムの色が関連付けられています。これにより、異なる色を使用して 2 つの違反表示タイプを区別することができます。

色の割り当ては、ビューの構成(View Configurations)ダイアログで行います(2D レイアウト モードで、表示(View) | 表示(View) |  » ビューの構成(View Configurations) » ビューの構成(View Configuration)をクリックするか、単に L キーを押します)。


ビューの構成(View Configurations)ダイアログで、2 つの違反表示タイプに異なる色を指定し、必要に応じて、表示を有効/無効にします。

右クリック メニュー

PCB ルールと違反(PCB Rules And Violations)パネルの各セクションのエントリでは、右クリック メニューからさまざまなオプションを使用できます。

ルール クラス

  • すべて選択(Select All) – リスト内およびデザイン エディタ ウィンドウ内のすべての PCB 設計ルール クラスを選択します。
  • フィルタをクリア(Clear Filter) – 現在適用されているフィルタを無効にします。デザイン ワークスペース内のすべてのオブジェクトが完全に表示され、選択/編集可能になります。
  • レポート(Report) – 現在の選択内容に基づいて SOLIDWORKS PCB からレポートを実行します。
  • Run Selected DRC Rule Class(es) – クラスに含まれている、選択したルールを実行します。クラスには、ルールが 1 つ含まれていることもあれば(短絡制約条件など)、多数含まれていることもあります(通常、クリアランス制約条件クラスには多数のルールが含まれています)。
  • Clear Violations for Selected Rule Class(es) – クラスに含まれているすべてのルールについて違反(グラフィカルに表示されている違反とパネルに一覧表示されている違反の両方)をクリアします。ワークスペースのハイライト表示をリセットするには、 ボタンを使用します。

ルール

  • すべて選択(Select All)
  • フィルタをクリア(Clear Filter)
  • レポート(Report) – 現在の選択内容に基づいて SOLIDWORKS PCB からレポートを生成します。たとえば、ルール レポートには、選択したルールの名前(Name)、スコープ(Scope)、属性(Attributes)、オン(On)(True/False)などの値が表示されます。
  • Run DRC Rule – 選択したルールを実行します。
  • Clear Violations for Rule – 選択したルールによって報告された違反をクリアします。
  • プロパティ(Properties)PCB ルールを編集(Edit PCB Rule)ダイアログを開きます。ダイアログでは、ルールの構成をその場で変更できます。ルール名をダブルクリックしても同じです。


    PCB ルールと違反(PCB Rules And Violations)パネルからすぐにルールを編集できます。

違反

  • プロパティ(Properties)違反詳細(Violation Details)ダイアログを開きます。ダイアログには、ルール制約条件および現在の違反の詳細が表示されます。違反エントリをダブルクリックしても同じです。
  • 選択をズーム(Zoom Selected) – 選択した違反に合わせてワークスペースを拡大表示します。ズーム(Zoom)チェックボックス オプションを有効にしていない場合に便利です。

注釈

  • PCB 制約条件クラスおよびルールへのフルアクセスが必要な場合は、ホーム(Home) | デザイン ルール(Design Rules) |  ボタンを使用して PCB ルールと制約条件編集(PCB Rules and Constraints Editor)ダイアログを開きます。
  • オンライン デザイン ルール チェックは、プリファレンス(Preferences)ダイアログ(ファイル(File) » )の PCB エディタ(PCB Editor) - 全般(General)ページで有効または無効にすることができます。
  • デザイン ルールは、デザイン ルール チェッカー(Design Rule Checker)ダイアログ(ホーム(Home) | デザイン ルール(Design Rules) | ボタン)でオンライン(Online)またはバッチ(Batch)チェック(あるいはその両方)について個々に有効にすることができます。
     
アクティブ ドキュメント内の選択したテキストや画像に関する問題を報告します。