シート シンボル

親ページ: Sch のオブジェクト

配置されたシート シンボル。

概要

シート シンボルは電気設計プリミティブです。これは、複数シートの階層デザインでサブシートを表すために使用されます。シート シンボルには、ポートがフラットシート デザインでシート間の接続をもたらす方法と同様に、階層デザインで親シートと子シートの間のシグナルの接続点をもたらす、シート エントリ シンボルが含まれます。

入手性

シート シンボルは回路図エディタのみで配置できます。配置するには、メイン メニューからホーム(Home) | 回路要素(Circuit Elements) |  をクリックします。

配置

コマンドを起動すると、カーソルが十字に変わり、シート シンボルの配置モードが開始されます。配置は、次の一連の操作を実行して行います。

  1. クリックするか、Enter キーを押して、シート シンボルの最初のコーナーを固定します。
  2. カーソルを移動してシート シンボルのサイズを調整し、クリックするか、Enter キーを押して、配置を完了します。
  3. さらにシート シンボルの配置を続行します。または、右クリックするか、Esc キーを押して配置モードを終了します。

配置中(シート シンボルがまだカーソル上にフローティングしており、その最初のコーナーが固定される前)に実行できるその他の操作は次のとおりです。

  • Tab キーを押して、関連するプロパティ ダイアログにアクセスします。ダイアログでは、シート シンボルのプロパティをその場で変更できます。
  • Alt キーを押して、最初の移動方向に応じて、移動を水平軸方向または垂直軸方向に制限します。
  • スペースバーを押して、シート シンボルを反時計回りに回転します。時計回りに回転するには、Shift + スペースバーを押します。90° ずつ回転します。
  • X または Y キーを押して、シート シンボルをそれぞれ X 軸または Y 軸に沿ってミラーリングします。

配置中に属性を変更できますが(Tab キーを押して、関連するプロパティ ダイアログを表示します)、変更した値がその後の配置のデフォルト設定になることに留意してください。

グラフィック エディット

この編集方法では、配置されたシート シンボル オブジェクトをワークスペース内で直接選択し、そのサイズ、形状、または場所をグラフィカルに変更することができます。

シート シンボル オブジェクトを選択すると、次の編集ハンドルを使用できます。

選択されたシート シンボル。

  • A をクリックしてドラッグし、シート シンボルの垂直方向と水平方向のサイズを同時に変更します。
  • B をクリックしてドラッグし、シート シンボルの垂直方向と水平方向のサイズを別々に変更します。
  • 編集ハンドルから離れて、シート シンボル上の任意の場所をクリックし、ドラッグして再配置します。ドラッグ中に、シート シンボルを回転したり(スペースバー/Shift + スペースバー)、ミラーリングしたりすることができます(X または Y キーを押して、それぞれ X 軸または Y 軸に沿ってミラーリングします)。
シート シンボルのサイズ変更によって、その中の定義済みシート エントリの絶対位置が影響を受けることはありません。

シート シンボルのデジグネータファイル名のテキスト フィールドは、使用されるフォントのサイズ(それぞれシート シンボル デジグネータ(Sheet Symbol Designator)ダイアログとシート シンボル ファイル名(Sheet Symbol File Name)ダイアログからアクセス)を変更することで、そのサイズに関してのみ調整できます。そのため、これらのいずれかのオブジェクトを選択しても、編集ハンドルは表示されません。

シート シンボルの選択された Designator および Filename。

  • 必要に応じて、破線のボックス内の任意の場所をクリックしてドラッグし、テキスト オブジェクトを再配置します。ドラッグ中に、テキストを回転したり(スペースバー/Shift + スペースバー)、ミラーリングしたりすることができます(X または Y キーを押して、それぞれ X 軸または Y 軸に沿ってミラーリングします)。
  • 次の方法でオブジェクトのテキストを定位置で編集できます。
    1. デジグネータまたはファイル名のテキストを 1 回クリックして選択します。
    2. もう一度クリックして(または Enter キーを押して)定位置編集モードを開始します。2 回のシングルクリックを 1 回のダブルクリックと解釈されないように、クリックごとに十分な時間を取る必要があります(ダブルクリックの場合は関連するプロパティ ダイアログが開きます)。
    3. 定位置のテキストの編集を完了するには、Enter キーを押すか、マウスを使用してテキスト オブジェクト以外の場所をクリックします。

ロック(Locked)プロパティが有効になっているオブジェクトを選択したり、グラフィカルに編集したりすることはできません。オブジェクトをグラフィカルに編集するには、ロックされたオブジェクトを直接ダブルクリックし、ロック(Locked)プロパティを無効にします。

非グラフィカル エディット

非グラフィカル エディットには次の方法を使用できます。

関連するプロパティ ダイアログの使用

ダイアログ ページ: シート シンボル

この編集方法では、シート シンボル(Sheet Symbol)ダイアログを使用してシート シンボル オブジェクトのプロパティを変更します。

シート シンボル(Sheet Symbol)ダイアログ。

このダイアログは、配置中に Tab キーを押すことでアクセスできます。

配置後には、次のいずれかの方法でダイアログにアクセスできます。

  • 配置されたシート シンボル オブジェクトをダブルクリックします。
  • シート シンボル オブジェクトにカーソルを置き、右クリックして、コンテキスト メニューからプロパティ(Properties)を選択します。

シート シンボルのデジグネータとファイル名のテキスト フィールドは、シート シンボル自体から独立してフォーマットを設定できます。それぞれの対応するプロパティ ダイアログ(それぞれシート シンボル デジグネータ(Sheet Symbol Designator)ダイアログとシート シンボル ファイル名(Sheet Symbol File Name)ダイアログ)には、前述の配置後の方法を使用してアクセスできます(操作の対象は、シート シンボルではなく、表示/編集するプロパティを持つ関連オブジェクトです)。

シート シンボル デジグネータ(Sheet Symbol Designator)ダイアログとシート シンボル ファイル名(Sheet Symbol File Name)ダイアログ。

シート シンボル(Sheet Symbol)ダイアログのプロパティ(Properties)タブ(またはシート シンボル ファイル名(Sheet Symbol File Name)ダイアログ)で設定されるシート シンボルのファイル名(Filename)プロパティは、そのシンボルが表す回路図シートのファイル名に設定される必要があります。

インスペクタ パネルの使用

パネル ページ: SCH インスペクタSCHLIB インスペクタ

インスペクタ パネルを使用すると、デザイナーは、アクティブなドキュメント内の 1 つまたは複数のデザイン オブジェクトのプロパティを確認し、編集することができます。類似オブジェクトの検索(Find Similar Objects)ダイアログと組み合わせて使用することで、同じ種類の複数のオブジェクトを 1 か所で簡単に変更できます。

シート シンボルに対する操作

配置されたシート シンボルを右クリックすると、状況依存のメニューが表示されます。ここから(シート シンボルに対する操作(Sheet Symbol Actions)サブメニューで)、そのシート シンボル(または、該当する場合は、現在選択されているすべてのシート シンボル)を操作する次のコマンドを使用できます。

  • Open SubSheet "<SheetName.SchDoc>" - このコマンドを使用すると、シンボルで参照される子シートにアクセスし、メイン デザイン ウィンドウで開かれて(まだ開いていない場合)、アクティブなドキュメントになります。
  • シートシンボルからシートを作成(Create Sheet From Sheet Symbol) - このコマンドを使用すると、シート シンボルから新しい回路図ドキュメントが作成されて、そのドキュメントに、シンボルの各シート エントリに対応するポートが追加されます。この方法で、トップ シートで作成および配置されたシート シンボルに基づいて、複数シートの回路図デザインのサブシートを自動的に作成できます。
作成される回路図ドキュメントの名前は、シート シンボルのファイル名(Filename)フィールドのエントリを使用して指定されます。コマンドの起動前に、このフィールドにドキュメントの拡張子を含む任意の名前(例: DocumentName.SchDoc)を入力することも、名前を空白のままにして、後の段階で生成されたドキュメントを保存するときに名前を入力することもできます
シート シンボルからシートを作成するときにそのファイル名のシートが既に存在している場合は注意してください。同じファイル名の新しいシートが作成されます。この重複は、必要に応じて保存の際に、異なる名前で新しいシートを保存するか、既存のシートを上書きして解決できます。
  • 子シートのリネーム(Rename Child Sheet) - このコマンドを使用すると、シート シンボルによって参照される子回路図シートの名前をすばやく変更できます。子シートのリネーム(Rename Child Sheet)ダイアログが表示されます。ここで、必要に応じて、ドキュメントの新しい名前と名前変更操作のスコープを指定できます。
  • ポートとシートエントリのアップデート(Synchronize Sheet Entries and Ports) - このコマンドを使用すると、シート シンボルのシート エントリとサブシートのポートが同期化されます。ポートとシート エントリを同期(Synchronize Ports To Sheet Entries)ダイアログが表示されます。このダイアログを使用して、名前と I/O タイプの両方について、シート シンボルのすべてのシート エントリが、下の参照される子シートのポートと一致するようにします。
  • Flip Sheet Symbol Along X - このコマンドを使用すると、X 軸に沿ってシート シンボルが反転します。シンボルに関連付けられたシート エントリは、基本的に(水平面内で)シンボルの反対側に入れ替わります(左側にある場合は右側に、右側にある場合は左側に再配置されます)。

X 軸に沿ったシート シンボルの反転の例。

現在複数のシート シンボルが選択されている場合、このコマンドはセレクトしたシートシンボルをX軸反転(Flip Selected Sheet Symbols Along X)として表示されます。複数の選択したシート シンボルを反転する場合、選択したシンボルの境界範囲の中間に位置する架空の垂直線を基準にシンボルが反転します。
  • Flip Sheet Symbol Along Y - このコマンドを使用すると、Y 軸に沿ってシート シンボルが反転します。シンボルに関連付けられたシート エントリは、基本的に(垂直面内で)シンボルの反対側に入れ替わります(上部にある場合は下部に、下部にある場合は上部に再配置されます)。

Y 軸に沿ったシート シンボルの反転の例。

現在複数のシート シンボルが選択されている場合、このコマンドはセレクトしたシートシンボルをY軸反転(Flip Selected Sheet Symbols Along Y)として表示されます。複数の選択したシート シンボルを反転する場合、選択したシンボルの境界範囲の中間に位置する架空の水平線を基準にシンボルが反転します。
  • シートシンボル内のすべてのシートエントリIOタイプ切り替え(Toggle All Sheet Entries IO Type in Sheet Symbol) - このコマンドを使用すると、シート シンボルのすべてのシート エントリの I/O タイプが同時に切り替わります(適用可能な場合)。

シート エントリの IO の切り替え結果の例。

次のように、実際の変更内容は、現在の I/O タイプに応じて異なります。

  • 未指定(Unspecified)未指定(Unspecified)のまま
  • 出力(Output)入力(Input)に変更される
  • 入力(Input)出力(Output)に変更される
  • 双方向(Bidirectional)双方向(Bidirectional)のまま

注釈

  1. シート エントリのグループが、選択したシート シンボルにペーストされて、それらのエントリがシンボルの現在の境界外に配置される場合は、それらのエントリが含まれるようにシンボルが自動的にサイズ変更されます。
  2. シート シンボルのインスタンス化を使用して、単一のシート シンボルから、同じサブシートの複数のチャネルを参照できます。構文を使用する場合、シート シンボルのデジグネータ フィールドで Repeat のキーワードを使用します。構文の形式は、次のとおりです。

    Repeat(SheetSymbolDesignator, FirstInstance, LastInstance)

    ここで、SheetSymbolDesignator はシート シンボルのベース名で、FirstInstanceLastInstance はともに、インスタンス化されるチャネルの数を定義します。FirstInstance パラメータは、1 以上の値で開始する必要があります。
  3. 単一のシート シンボルにより、複数のサブシートを参照できます。ファイル名(Filename)フィールドで、各ファイル名をセミコロンで区切ります。サブシートに配置されたオフシート コネクタを効果的に使用すると、デザインのセクションが複数のシートを対象として効果的に拡大して、1 つの大きい(フラット)シートであるかのように扱うことができます。ただし、オフシート コネクタは、同じシート シンボルにより参照されているシートでのみ使用できることに注意してください。

 

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