ガーバー X2 セットアップ

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ガーバー X2 セットアップ(Gerber X2 Setup)ダイアログ。

概要

このダイアログを使用すると、設計者は、アクティブな PCB からの出力をガーバー X2 フォーマットで生成する際に、プロットされるレイヤを指定し、関連する追加オプションを設定できます。ガーバー X2 は、既存のガーバー RS-274X 標準が高度に進化したものであり、PCB の製造とアセンブリのための広範囲のデータが追加されています。

ガーバー X2 フォーマットの主な利点は、以前のガーバー RS-274X 標準との上位互換性です。複数ファイルの標準であるため、新しい標準に移行していないターゲット製造/アセンブリ会社は、必要に応じて従来のガーバー ファイル要素を抽出できます。これは、製造ファイル フォーマットの大規模な移行に取り組みたくないユーザーや、装置やソフトウェアに柔軟性がない製造会社にとって、大きな利点となる場合があります。

アクセス

ダイアログにアクセスするには、PCB エディタのメイン メニューから、出力(Outputs) | 製造(Fabrication) | をクリックします。

オプション/コントロール

単位

この領域を使用して、生成されるファイルで使用される固有の単位を選択します。

  • インチ(Inches) - このオプションを有効にすると、インチ単位が使用されます。すべての作業が mil(1/1000 インチ)単位で行われます。
  • ミリメートル(Millimeters) - このオプションを有効にすると、メートル単位が使用されます。すべての作業がミリメートル単位で行われます。

フォーマット

この領域を使用して、ガーバー ファイルでのプロット座標の数値精度を指定します。次の精度がサポートされています。

  • 2:3 - 解像度が 1 mil(1/1000 インチ)になります。
  • 2:4 - 解像度が 0.1 mil になります。
  • 2:5 - 解像度が 0.01 mil になります。
  • 2:6 - 解像度が 0.001 mil になります。
最初の数字は小数点の前の桁数を表し、2 番目の数字は小数点の後の桁数です。たとえば、2:3 フォーマットでは、ガーバー ファイルでの最大数は 99.999 インチであり、最小数は 0.001 インチ(1 mil)です。
フォーマットは、PCB ワークスペース内のオブジェクトの配置精度またはメーカー プリファレンス(あるいはその両方)に合うように選択します(通常は、最高の解像度である 2:6 に設定します)。

アパーチャ公差

この領域のオプションを使用して、プロット内の各アイテムのアパーチャを照合する際に使用される公差範囲を設定します。

  • プラス(Plus) - アパーチャ照合の正の公差を定義します。
  • マイナス(Minus) - アパーチャ照合の負の公差を定義します。
アイテムに完全に一致するものが現在のアパーチャ リストにない場合、少し小さいか大きいアパーチャがこの公差範囲内に存在するかどうかがソフトウェアによって確認され、それが代わりに使用されます。適切なアパーチャが公差範囲内に存在しない場合、必要な形状を作成するために、小さいアパーチャを使用した「ペイント」が試行されます。これには、適切な小さいアパーチャが使用可能であり、このアパーチャを「ペイント」に使用できることが必要です。
注記: アパーチャ照合公差は、通常はベクトル フォトプロッタを対象とする場合にのみ使用され、固定または提供されたアパーチャ ファイルが必要です。アパーチャ照合公差は、アパーチャが PCB から作成されて「フラッシュ」された場合は必要ありません。照合公差が不要の場合は、デフォルトの 0.005 mil にしておきます。

プロッタの種類

この領域を使用して、ターゲット フォトプロッタの種類を指定します。

  • 未ソート (ラスター)(Unsorted (raster)) - ラスター マシンを使用します(デフォルト)。
  • ソート済み (ベクトル)(Sorted (vector)) - ベクトル マシンを使用します。
ガーバー ファイルは、「フィルム」上の位置でソート済み、または未ソートのデータを使用して作成できます。ソートは、ベクトル フォトプロッタにのみ必要であり、初期画像を内部的に作成する最新のラスタースタイル プロッタには適用されません。ソートを有効にした場合、ガーバー生成に時間がかかる場合があります。

その他

  • 位置変更コマンドを最適化する(Optimize change location commands) - このオプションを有効にすると、オブジェクト間で X または Y 位置データが変わらない場合、このデータは含まれません。
  • DRC ルール エクスポート ファイル (.RUL) を生成する(Generate DRC Rules export file (.RUL)) - DRC ルール エクスポート ファイルを生成する場合に、このオプションを有効にします。レポートでは、ガーバー データの生成元であるソース PCB ドキュメントに対して定義されたデザイン ルールの詳細が示されます。

ガーバー X2 固有

  • ファイルの主題(File Subject) - このフィールドを使用して、ファイル タイプを指定します。ファイル タイプは、ガーバー X2 出力に Part 属性として含まれます。フィールドのドロップダウン リストには、次の選択肢が表示されます。
    • なし
    • Autodetect - 基板ファイルのタイプに基づいて、以下のリストから属性を自動的に割り当てます。たとえば、単一の基板デザインを含む PCB ドキュメントには Single 部品属性が割り当てられます。
    • Single - 単一の PCB。
    • CustomerPanel - ボード アレイまたは出荷パネル。
    • ProductionPanel - 作業パネルまたは製造パネル。
    • Coupon - クーポン(基板デザインに関連付けられたパフォーマンス テスト基板)。
    • Other - 上記以外。ファイル内で、属性に追加された文字列によって非公式に部品が示されます。
  • ファイルのコメント(File Comment) - 生成された出力に属性として含まれるコメントを入力します。

プロットするレイヤ

現在の基板デザインのすべてのレイヤが、プロットするレイヤ(Layers To Plot)タブに一覧表示されます。

ダイアログのこのタブ領域では、現在の PCB ドキュメントのガーバー X2 出力で、どのレイヤをプロットするかを構成できます。

  • Layers List - 現在の PCB のレイヤの一覧。レイヤごとに以下が表示されます。
    • ファイル名(File name) - 個別のガーバー出力ファイル名。ファイルの機能を示す命名規則が使用され、.gbr 拡張子が使用されます。命名は、プロジェクト名、レイヤ、および機能に基づき、記述のセパレータとしてアンダースコア文字が使用されます。
    • レイヤ名(Layer Name) - 出力ファイルに適用されるレイヤ名。基板のレイヤ スタックにより定義されます。
    • プロット(Plot) - このオプションを有効にすると、そのレイヤのガーバー プロットが、生成された出力に含まれます。無効にすると、そのレイヤに対してプロットは生成されません。
  • レイヤをプロット(Plot Layers) - このボタンをクリックして、コマンドのメニューにアクセスします。コマンドによって、リストのすべてのレイヤのプロット(Plot)フィールドを一括して有効/無効にすることができます。
    • すべて表示(All On) - このコマンドは、すべてのレイヤのプロット(Plot)オプションを有効にする場合に使用します(リスト内のすべてのレイヤのガーバー プロットを作成します)。
    • すべて非表示(All Off) -  このコマンドは、すべてのレイヤのプロット(Plot)オプションを無効にする場合に使用します(ガーバー プロットを作成しません)。
    • 使用範囲を表示(Used On) - このコマンドは、使用されているすべてのレイヤのプロット(Plot)オプションを有効にする場合に使用します(デザインでアクティブに使用されている、リスト内のすべてのレイヤのガーバー プロットを作成します)。
一括プロットの選択項目には、右クリック コンテキスト メニューからアクセスすることもできます。
レイヤ スタック内の無効なレイヤ(違反レイヤ)は、赤で表示されます。

ドリル

現在の基板デザインの関連するすべてのドリル ファイルが、ドリル(Drills)タブに一覧表示されます。

ダイアログのこのタブ領域には、現在の基板デザインに対して生成される関連するドリル ファイルが表示され、個別に、またはグループで生成するために選択できます。

  • Drills List - 現在の PCB のドリル ファイルの一覧。ドリル図面およびガイドの出力が含まれています。ドリル図面は PCB 上の各ドリル位置のプロットであり、それぞれのドリル サイズが異なる記号でプロットされますが、ドリル ガイドではそれぞれの位置は小さい十字でマークされます。スルーホールと機械穴、およびブラインド ビアと埋め込みビア(デザインに含まれている場合)に、個別のファイルを使用することもできます。ドリル ファイルごとに以下が表示されます。
    • ファイル名(File Name) - 個別のドリル出力ファイル名。ガーバー X2 標準に準拠するように構成されています。
    • Drill Layer Pair - ドリル穴ファイルに関連付けられているレイヤ ペア。レイヤ ペアは、レイヤ スタック マネージャ(Layer Stack Manager)からアクセスするドリル ペア マネージャ(Drill Pair Manager)で構成されます。
    • プロット(Plot) - このオプションを有効にすると、そのドリル ファイルのガーバー プロットが、生成された出力に含まれます。無効にすると、そのドリル ファイルに対してプロットは生成されません。
各ファイル タイプのヘッダー(ドリル図面(Drill drawing)ドリル ガイド(Drill guide)など)に関連付けられたプロット(Plot)チェックボックスによって、そのセクションのすべてのファイルの選択が切り替えられます。
  • Plot Drills - このボタンをクリックして、コマンドのメニューにアクセスします。コマンドによって、リストのすべてのドリル ファイルのプロット(Plot)フィールドを一括して有効/無効にすることができます。
    • すべて表示(All On) - このコマンドは、すべてのドリル ファイルのプロット(Plot)オプションを有効にする場合に使用します(リスト内のすべてのドリル ファイルのガーバー プロットを作成します)。
    • すべて非表示(All Off) -  このコマンドは、すべてのドリル ファイルのプロット(Plot)オプションを無効にする場合に使用します(ガーバー プロットを作成しません)。
    • 使用範囲を表示(Used On) - このコマンドは、使用されているすべてのドリル ファイルのプロット(Plot)オプションを有効にする場合に使用します(デザインでアクティブに使用されている、リスト内のすべてのドリル ファイルのガーバー プロットを作成します)。
一括プロットの選択項目には、右クリック コンテキスト メニューからアクセスすることもできます。

 

アクティブ ドキュメント内の選択したテキストや画像に関する問題を報告します。