幅
ルール カテゴリ: 配線
ルールの分類: 単項
概要
このルールは、銅(シグナル)レイヤ上に配置されたトラックの幅を定義します。
制約条件
- 最小幅(Min Width) – 基板を配線するときに使用する最小許容幅を指定します。
- 推奨幅(Preferred Width) – 基板を配線するときに使用する推奨幅を指定します。
- 最大幅(Max Width) – 基板を配線するときに使用する最大許容幅を指定します。
- トラック/アークの最小/最大幅を個別に確認(Check Tracks/Arcs Min/Max Width Individually) – トラックとアークの個別の幅が、最小から最大の範囲に収まっていることを確認します。
- 物理的な配線パターンの最小/最大幅を確認 (トラック、アーク、フィル、パッド、ビア)(Check Min/Max Width for Physically Connected Copper (tracks, arcs, fills, pads & vias)) – トラック、アーク、フィル、パッド、ビアの組み合わせによって形成された配線済み銅の幅が、最小から最大の範囲に収まっていることを確認します。
- 特性インピーダンスによって変動する幅(Characteristic Impedance Driven Width) – 厳格なインピーダンス要件に従って配線する必要があるデザインでは、このオプションを有効にしてください。ルールがこのモードで構成されている場合は、各配線レイヤ上で必要な配線幅は、適切な関係式(マイクロストリップまたはストリップライン)およびレイヤ スタックの物理パラメータを使用して、指定されたインピーダンスに基づいて計算されます。ルールが定義されると、そのルールのスコープに含まれるネットを配線するとき、そのレイヤの指定されたインピーダンスを満たすために必要な幅に、トラックの幅が自動的に設定されます。最小幅(Min Width)/推奨幅(Preferred Width)/最大幅(Max Width)の制約条件は、次のインピーダンス ベースの設定に変化します。
- 最小インピーダンス(Min Impedance) – 基板を配線するときに適用する最小許容インピーダンスを指定します(デフォルトは
50 ohms
)。 - 推奨インピーダンス(Preferred Impedance) – 基板を配線するときに適用する推奨インピーダンスを指定します(デフォルトは
50 ohms
)。 - 最大インピーダンス(Max Impedance) – 基板を配線するときに適用する最大許容インピーダンスを指定します(デフォルトは
50 ohms
)。
- 最小インピーダンス(Min Impedance) – 基板を配線するときに適用する最小許容インピーダンスを指定します(デフォルトは
- レイヤ スタックのレイヤのみ(Layers in layerstack only) – レイヤ スタック内の定義済みシグナル レイヤについてのみ、幅制約条件を表示および編集できるようにします。このオプションを有効にした場合は、スタック内のレイヤのみがレイヤ属性テーブル(Layer Attributes Table)に表示されます。このオプションを無効にした場合は、すべてのシグナル レイヤが表示されます。
- レイヤ属性テーブル(Layer Attributes Table) – レイヤ スタックのレイヤのみ(Layers in layerstack only)オプションの設定に従って、すべてのシグナル レイヤが表示されるか、レイヤ スタック内で定義されているシグナル レイヤのみが表示されます。最小/最大/推奨の配線幅が表示されるとともに、他のレイヤ固有情報が表示されます。配線幅のフィールドは、個別の幅制約条件フィールドで値を定義して一括で、または、このテーブルに幅の値を直接入力して個別に設定できます。特性インピーダンスによって変動する幅(Characteristic Impedance Driven Width)オプションが有効になっている場合は、テーブル内の各レイヤについて必要な幅エントリが自動的に計算されて入力されます。このモードでは、これらを個別に定義することはできません。
重複するルールの競合を解決する方法
すべてのルールが優先順位設定によって解決されます。ルールは優先順位が最も高いものから最も低いものへと順に評価され、チェック対象のオブジェクトと範囲式が最初に一致したものが選択されます。
ルールの適用
推奨幅(Preferred Width)の設定は自動配線に適用されます。
最小幅(Min Width)と最大幅(Max Width)の設定は、オンライン DRC とバッチ DRC に適用されます。これらの設定によって、インターラクティブ配線中に使用できる許容値の範囲も決定されます(配線中に Tab キーを押すと、定義済み範囲内で経路幅を変更できます)。この範囲外の値が入力された場合は、そのことを警告するダイアログが表示されます。続行して値を自動的にクリップするか、取り消して値を手動で変更するように求められます。
注釈
マイクロストリップとストリップラインの両方について、配線時に該当インピーダンスを満たすために、インピーダンスと必要な経路幅を計算するためのデフォルトの変更不可のインピーダンス関係式が設定されています。
マイクロストリップ
- 算出インピーダンス(Calculated Impedance) - デフォルトの数式は次のとおりです。
(60/SQRT(Er*(1-EXP(-1.55*(0.00002+TraceToPlaneDistance)/TraceToPlaneDistance))))*LN(5.98*TraceToPlaneDistance/(0.8*TraceWidth+TraceHeight))
- 算出経路幅(Calculated Trace Width) - デフォルトの数式は次のとおりです。
((5.98*TraceToPlaneDistance)/EXP(CharacteristicImpedance/(60/SQRT(Er*(1-EXP(-1.55*(0.00002+TraceToPlaneDistance)/TraceToPlaneDistance)))))-TraceHeight)/0.8
ストリップライン
- 算出インピーダンス(Calculated Impedance) - デフォルトの数式は次のとおりです。
(80/SQRT(Er))*LN((1.9*(2*TraceToPlaneDistance+TraceHeight)/(0.8*TraceWidth+TraceHeight)))*(1-(TraceToPlaneDistance/(4*(PlaneToPlaneDistance-TraceHeight-TraceToPlaneDistance))))
- 算出経路幅(Calculated Trace Width) - デフォルトの数式は次のとおりです。
((1.9*(2*TraceToPlaneDistance+TraceHeight))/(EXP((CharacteristicImpedance/(80/SQRT(Er)))/(1-(TraceToPlaneDistance/(4*(PlaneToPlaneDistance-TraceHeight-TraceToPlaneDistance))))))-TraceHeight)/0.8