ファンアウト コントロール

ルール カテゴリ: 配線

ルールの分類: 単項

概要

このルールは、シグナル プレーン ネットやパワープレーン ネットに接続する、設計内のサーフェス マウント コンポーネントのパッドをファンアウトするときに使用されるファンアウト オプションを指定します。配線の観点からは、ファンアウトによってビアと接続トラックが追加されることで、実質的に SMT パッドがスルーホール パッドに変換されます。これにより、最上部レイヤや最下部レイヤだけでなく、すべての配線レイヤで信号を取り出すことが可能になるため、基板に適切が配線ができる可能性が大幅に高まります。このことは、配線スペースが非常に狭い高密度設計の場合に、特に必要になります。

制約条件

ファンアウト コントロール ルールのデフォルト制約条件。

  • ファンアウト スタイル(Fanout Style) – SMT コンポーネントを基準にしてファンアウト ビアがどのように配置されるかを指定します。次のオプションを使用できます。
    • Auto - 最適な配線スペースの結果を得るために、コンポーネントのパッケージに最適な方法を選択します。
    • Inline Rows - ファンアウト ビアは 2 つの整列された行内に配置されます。
    • Staggered Rows – ファンアウト ビアは 2 つの千鳥配列された行内に配置されます。
    • BGA – ファンアウトは、指定された BGA オプションに従って実行されます。
    • Under Pads – ファンアウト ビアは SMT コンポーネント パッドの真下に配置されます。
  • ファンアウト方向(Fanout Direction) – ファンアウトに使用する方向を指定します。次のオプションを使用できます。
    • Disable – そのルールの対象となる SMT コンポーネントに関してファンアウトを許可しません。
    • In Only – 内側方向にのみファンアウトします。すべてのファンアウト ビアと接続トラックは、コンポーネントの境界矩形内に配置されます。
    • Out Only – 外側方向にのみファンアウトします。すべてのファンアウト ビアと接続トラックは、コンポーネントの境界矩形の外に配置されます。
    • In Then Out – 最初にすべてのコンポーネント パッドを内側方向にファンアウトします。この方向にファンアウトできないすべてのパッドは、外側方向にファンアウトされます(可能な場合)。
    • Out Then In – 最初にすべてのコンポーネント パッドを外側方向にファンアウトします。この方向にファンアウトできないすべてのパッドは、内側方向にファンアウトされます(可能な場合)。
    • Alternating In and Out – すべてのコンポーネント パッド(可能な場合)を両方向に交互にファンアウトします(まず内側方向、その後に外側方向)。
  • パッドからの方向(Direction From Pad) – ファンアウトに使用する方向を指定します。BGA コンポーネントがファンアウトされる場合、そのコンポーネントを上下左右に4分割した領域(クワドラント)にパッドが振り分けられ、各ワドラント内のパッドにファンアウトが同時に適用されます。次のオプションを使用できます。
    • Away From Center – 各クワドラント内のパッドに対するファンアウトは、コンポーネントの中心から反対の方向に 45° の角度で適用されます。
    • North-East – 各クワドラント内のすべてのパッドは北東方向(水平から反時計回りに 45°)にファンアウトされます。
    • South-East – 各クワドラント内のすべてのパッドは南東方向(水平から時計回りに 45°)にファンアウトされます。
    • South-West – 各クワドラント内のすべてのパッドは南西方向(水平から時計回りに 135°)にファンアウトされます。
    • North-West – 各クワドラント内のすべてのパッドは北西方向(水平から反時計回りに 135°)にファンアウトされます。
    • Towards Center – 各クワドラント内のパッドに対するファンアウトは、コンポーネントの中心の方向に 45° の角度で適用されます。ほとんどの場合は、必要なファンアウト スペースが別のパッドのファンアウト ビアによって既に占有されているために、方向の均一性を実現することはできません。これらの場合は、ファンアウトは次の空いている方向(北東、南東、南西、北西)に沿って行われます。
  • ビア配置モード(Via Placement Mode) – BGA コンポーネントのパッドを基準にしてファンアウト ビアがどのように配置されるかを指定します。次のオプションを使用できます。
    • Close To Pad (Follow Rules) – ファンアウト ビアは、定義済みのクリアランス ルールに違反しない範囲で、対応する SMT コンポーネント パッドにできる限り近接して配置されます。
    • Centered Between Pads – ファンアウト ビアは SMT コンポーネント パッド間の中央に配置されます。

重複するルールの競合を解決する方法

すべてのルールが優先順位設定によって解決されます。ルールは優先順位が最も高いものから最も低いものへと順に評価され、チェック対象のオブジェクトと範囲式が最初に一致したものが選択されます。

ルールの適用

インターラクティブ配線中および自動配線中。

注釈

  1. 次のデフォルトのファンアウト コントロール デザイン ルールは自動的に作成され、これらによって、使用可能な一般的なコンポーネント パッケージ タイプがカバーされます(優先度の高い順に示しています)。各自のデザイン要件に従って、これらのルールを編集したり、他のルールを定義したりできます。
    1. Fanout_BGAIsBGA というクエリを使用します。
    2. Fanout_LCC IsLCC というクエリを使用します。
    3. Fanout_SOICIsSOIC というクエリを使用します。
    4. Fanout_Small(CompPinCount < 5) というクエリを使用します。
    5. Fanout_DefaultAll というクエリを使用します。
  2. ファンアウト ビアに使用されるスタイルは、該当する配線ビア スタイル デザイン ルールに従います。パッドからビアへのファンアウト プロセスの一部として配置される追加のトラックは、該当する配線幅デザイン ルールに従います。

 

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