最小環状リング

ルール カテゴリ: 製造

ルールの分類: 単項

概要

このルールは、パッドまたはビアに必要な最小環状リングを指定します。環状リングは、パッド/ビアの穴のエッジからパッド/ビアのエッジまで半径方向に測定されます。

非常に高密度のデザインにおいては、環状リングはより小さい方が望ましく、これは、パッドやビアによって占有されるスペースが小さくなることで、基板の高密度実装領域におけるトレースの配線に、より大きいスペースを割り当てることができるためです。
環状リングの制約条件を低くすると、基板の製造コストへの影響が大きくなる可能性があります。基本的な判断基準は、配線スペースの拡大によるメリットが、コスト増大というデメリットよりも重要かどうかです。多くの設計者は、通常、5 ~ 7ml という環状リング制約条件を指定します。つまり、コストが増加しても、基板を配線するときの自由度を優先します。

制約条件

最小環状リング ルールのデフォルト制約条件。

  • 最小環状リング (x - y)(Minimum Annular Ring (x-y)) - そのルールの対象となるパッド/ビアの周囲の環状リングの最小値。

重複するルールの競合を解決する方法

すべてのルールが優先順位設定によって解決されます。ルールは優先順位が最も高いものから最も低いものへと順に評価され、チェック対象のオブジェクトと範囲式が最初に一致したものが選択されます。

ルールの適用

オンライン DRC およびバッチ DRC。

注釈

  1. 当然ながら、製造会社ごとにさまざまな異なる製造技術と製造装置が使用されます。平均的な技術力の製造会社は、10mil という最小環状リングが許容される設計仕様を提示することが考えられます。高い技術力の製造会社は、この値を 5mil まで小さくできる可能性があります。パッドとビアの穴がレーザーで開けられる場合は(機械的に穴が開けられるのではなく)、最小環状リングの値をさらに小さくできることがあります。
  2. 設計する基板のクラスも、最小環状リングに必要な値に影響を及ぼします。たとえば、設計が IPC Class 3 標準(高信頼性の電子製品に相当)のものである場合は、必要な最小環状リングは 2mil です。
  3. 環状リングの値を製造会社の承認済み標準未満に引き下げる必要がある場合は、影響を受けるパッドとビアの使用を制限してみてください。このような仕様の環状リング仕様のパッドやビアの数が多いほど、製造プロセス中に基板に不具合が発生する可能性が高くなります。
  4. 第一に、環状リングがない場合は、はんだ接合が十分でなくなります。これは、はんだがパッド/ビアのバレルから出てきた後に流れ落ちる先となる銅が存在しなくなるためです。
  5. 標準によって環状リングの最小値が定義されますが、これらの値をさらに引き下げることができます。これらの値がそのレベルで定義されている理由は、ドリル ブレークアウトを防止するためです。この現象は、環状リング値が小さい場合によく発生します。ドリル ブレークアウトが発生する原因は、複数の製造パラメータ(穴の位置、穴のサイズ、フィルムの距離など)が相互に好ましくない影響を及ぼして、接続している銅トラックを貫通するような位置に穴が開けられることです。

 

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