コンポーネントのクリアランス

ルール カテゴリ: 配置

ルールの分類: バイナリ

概要

このルールは、コンポーネント同士の間で許容される最小距離を指定します。コンポーネント クリアランスには、コンポーネント ボディ(押し出し(単純な)タイプ)を定義するために使用される 3D モデル間のクリアランスが含まれます。3D ボディが存在しない場合は、シルク レイヤと銅レイヤ上のプリミティブを使用して(デジグネータとコメントを除く)、コンポーネントのプロパティで指定された高さの値に従って、オブジェクトの形状とサイズが定義されます。

コンポーネント クリアランスは、正確な 3D メッシュを使用して計算され、コンポーネントの形状と輪郭は、コンポーネントに関連付けられた 3D ボディ オブジェクトを通じて定義されます。これらは、2D の押し出し形状である場合があります。クリアランス チェックの精度は、3D ボディを使用した場合に最も高くなり、特に、垂直方向で、および複雑なコンポーネント形状のコンテキストにおいて、このことが該当します。

コンポーネント クリアランス ルールでは、3D ボディと基板サーフェスの間にクリアランス違反があるかどうかは確認されません。

制約条件

コンポーネント クリアランス ルールのデフォルト制約条件。

  • 垂直方向クリアランス モード(Vertical Clearance Mode) – 垂直方向クリアランスを指定するための次の 2 つのモードを使用できます。
    • 無限(Infinite) – 無限を表す値を使用してクリアランス チェックが実行されます。つまり、上または下に配置されているすべてのコンポーネントは違反となります。使用例としては、常にアクセスできる必要のある調整メカニズムを備えている基板を挙げることができます。そのコンポーネントに対してこのルールを使用すると、そのコンポーネントの上または下の領域に突き出ているすべてのコンポーネントに対して違反が発生します。
    • 指定値(Specified) – コンポーネントの 3D ボディまたはコンポーネントのフットプリント プロパティで定義されたものとまったく同じ形状を使用して、クリアランス チェックが実行されます。チェックの実行元として 3D ボディを使用する場合は、あるコンポーネントから別のコンポーネントを許容範囲内で張り出させることができます(これらのコンポーネントで違反が発生していない場合)。このモードを有効にすると、次の制約条件を使用できるようになります。
      • 垂直方向最小クリアランス(Minimum Vertical Clearance) – 設計内に配置するコンポーネント同士の間で、垂直方向に許容される最小クリアランスの値。
  • 水平方向最小クリアランス(Minimum Horizontal Clearance) – 設計内に配置するコンポーネント同士の間で、水平平面内で許容される最小クリアランスの値。
  • 実際の違反距離を表示(Show actual violation distances) – このオプションを有効にすると、コンポーネント間の最大違反のポイント間にラインが表示されます。このラインの距離が表示されて、違反を解決するためにオブジェクトを移動する必要のある距離を計算するのに役立ちます。

実際の違反距離を表示(Show actual violation distances)オプションを有効にすると、一部のコンピュータ システムでパフォーマンスが低下する可能性があります。

重複するルールの競合を解決する方法

すべてのルールが優先順位設定によって解決されます。ルールは優先順位が最も高いものから最も低いものへと順に評価され、チェック対象のオブジェクトと範囲式が最初に一致したものが選択されます。

ルールの適用

オンライン DRC およびバッチ DRC。

注釈

  1. 押し出し(単純な)3D ボディは、任意の有効化されたメカニカル レイヤ上で、ライブラリ コンポーネントまたは PCB ドキュメント内に配置できる多角形オブジェクトです。コンポーネントのフットプリント内で使用して、X、Y、Z の各軸のコンポーネントの物理的なサイズと形状を具体的に定義できます。
  2. 複数の 3D ボディ プリミティブを使用することで、どのような複雑な形状も定義できます。この方法は、コンポーネントの領域ごとにそのコンポーネントの高さを変えることができるため、特に、垂直方向で役立つことがあります。

 

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