3D PCB ビデオ

SOLIDWORKS PCB 2017 からは、PCB 3D Movie Editor パネルが導入されました。PCB 3D Movie Editor パネルを使用して、PCB の 3D ムービーを作成します。一連のキーフレームを定義し、ソフトウェアによって各キーフレーム間が補間されることで、基板のスムーズで魅力的なムービーが作成されます。その後、3D ムービーのキー フレームをレンダリングし、ドキュメント出力として生成することができます。

パネルへのアクセス

PCB 3D Movie Editor パネルを表示するには、リボンの表示(View) | PCB セクションで 3D ムービー エディタ(3D Movie Editor)ボタンをクリックします。

パネルが機能するには、ワークスペースが 3D モードである必要があります。
パネルは、エディタ スペース内でフローティングするように構成することも、画面の側面にドッキングするように構成することもできます。PCB 3D Movie Editor パネルが現在、ドッキングされたワークスペース パネルのグループに含まれている場合は、それらのパネルの下部にあるタブを使用して前面に移動します。

新しいムービーの作成

PCB 3D ビデオは、一連のキー フレーム(基板のスナップショット)から生成されます。これがビデオ フォーマットで発行されると、スムーズに補間されたムービーとなります。このムービーを使用して、基板や基板の重要な要素に焦点を当てて紹介することができます。

パネルの上部で新しいムービーを作成し、タイトルを定義します。新しい 3D ムービーを作成するには、新規(New)ボタンをクリックするか、この領域の右クリック コンテキスト メニューから対応するコマンドを使用します。ムービーの新しいエントリが領域に追加されます。最初は、PCB 3D Video というタイトルが付いています。エントリが選択され、わかりやすいタイトルを入力できる状態になります。

3D ムービーのタイトルは、いつでも変更できます。変更するには、パネルでムービーのエントリを選択し、Enter キーを押すか、ムービーのエントリを右クリックし、コンテキスト メニューから編集(Edit)を選択します。現在選択している 3D ムービーはハイライト表示され、両端のマーカー矢印によって見分けることもできます。必要に応じて新しいムービー タイトルを入力し、再度 Enter キーを押すか、別の場所をクリックして、変更内容を有効にします。

3D ムービーを削除するには、リストでそのムービーを選択し、削除(Delete)ボタンをクリックするか、この領域の右クリック コンテキスト メニューから対応するコマンドを使用します。

パネルの上部領域にフォーカスがある場合、キーボード ショートカットの Ctrl + N および Ctrl + E をそれぞれ使用して、新しいムービーを作成したり、既存のムービーの名前を編集したりすることもできます。

3D ムービー(3D Movie)ボタンをクリックすると、右クリック コンテキスト メニューと同様に、パネルのこの領域で使用可能なすべてのコントロールにアクセスできます。

3D ムービーの定義は PCB ファイルに保存されます。定義の詳細は、各キー フレームの基板の方向とズーム レベル、およびキー フレームの期間のみです。

ムービーの構成 - キー フレーム

PCB 3D ムービーの基礎は、一連のキー フレームです。それぞれのキー フレームは、デザイナーによって配置された 3D 基板のビューです。各キー フレームは、ムービー内のスナップショットです。このようないくつかのスナップショット(キー フレーム シーケンス)を定義し、n 個のキー フレーム間の n-1 個の間隔をスムーズに補間することにより、最終的なビデオ出力が生成されます。

キー フレームは、PCB 3D Movie Editor パネルの中央の領域で管理されます。シーケンス内の各フレームは独自の行に表示されます。


パネルでキー フレームを定義し、詳細を指定します。

各キー フレームには次の属性があります。

  • フレーム名 – キー フレームの名前。デフォルトでは、Key FrameKey Frame 1Key Frame 2 のようなフォーマットでフレームに名前が付けられます。よりわかりやすい名前でフレームを識別する場合は、この名前を変更できます。たとえば、U4 Zoomed のように、基板の特定のスナップショットの内容を反映した名前にすることができます。
  • 期間 – これは、シーケンス内の各キー フレーム間の遷移に要する時間です。エクスポートされたビデオでは、フレームの総数は、各キー フレームの期間と、発行オプションの一部として指定したフレーム/秒(Frames Per Second)の設定に基づきます。リストの最上部にある最初のキー フレーム(デフォルト名 Key Frame)は特殊なケースです。ビデオの開始フレームであるため、期間はありません。

キー フレームの追加、削除、および並べ替え

3D ムービーへのキー フレームの追加は簡単です。基板の 3D ビューを PCB エディタで必要に応じて配置し、キー フレーム リスト領域の下にある新規(New)ボタンをクリックします。ボタンに関連付けられたメニューから、シーケンスの最後に新しいフレームを追加するか(追加(Add))、現在選択しているキー フレームの前に新しいフレームを挿入するか(挿入(Insert))を選択します。 


基板を必要に応じて配置し、ムービーの新しいキー フレームとして取り込みます。

最初のキー フレーム(ムービーの開始)の期間は 0.0s になります。追加した各キー フレームには、デフォルトの期間として 3.0 秒が指定されます。フレームを選択し、その期間(Duration(s))エントリをクリックすることにより、これを必要に応じて編集できます。最初の(開始)キー フレームを削除することはできません。新しいキー フレームをその場所に挿入することも、既存のキー フレームをそれより上に再配置することもできません。

キー フレームをシーケンスから削除するには、リストでそのフレームを選択し、削除(Delete)ボタンをクリックするか、キーボードの Delete キーを押します。

便利なキー フレーム ショートカットが用意されています。

  • Ctrl + N - ビデオの最後に新しいキー フレームを挿入します
  • Ctrl + I - 選択したキー フレームの前に新しいキー フレームを挿入します
  • Ctrl + E - 現在のキー フレームを編集します 

キー フレーム(Key Frame)ボタンをクリックすると、右クリック コンテキスト メニューと同様に、この領域で使用可能なすべてのコントロールにすばやくアクセスできます。 

キー フレームの順序を変更するには、上へ移動(Move Up)ボタンと下へ移動(Move Down)ボタンを使用するか、リスト内でキー フレームをドラッグ アンド ドロップします。

PCB エディタからのキー フレームの直接追加

PCB エディタ内から直接、指定した 3D ムービーにキー フレームを追加することもできます。この方法では、フォーカスを PCB 3D Movie Editor パネルに変更しなくても、カメラ操作中のようにその場で直接、キー フレーム シーケンスをより効率的に作成できます。

単に、ワークスペース(3D レイアウト モード)内の任意の場所を右クリックし、表示されるコンテキスト メニューからキー フレームを 3D ムービーに追加(Add Key Frame to 3D Movie)サブメニューを選択します。このサブメニューは、Ctrl + Alt + K キーボード ショートカットを使用して、ポップアップ メニューとして直接表示することもできます。このメニューには、アクティブな PCB について現在定義されているすべての 3D ムービーが一覧表示され、現在(パネル内で)選択しているムービーはチェックマークで区別されます。最大 20 個のムービーがタイトルでメニューに一覧表示されます。20 個を超えるムービーが PCB に定義されている場合は、追加の 3D ムービー(More 3D Movies)エントリをクリックして PCB 3D ムービーの選択(Choose PCB 3D Movie)ダイアログを開き、キー フレームを追加するムービーを選択することができます。ムービー名をクリックすると、ワークスペース内の基板の現在のビューに基づいて、新しいキー フレームがキー フレーム シーケンスの最後に追加されます。 

別のフレームを同じ 3D ムービーに追加するには、基板を必要に応じて設定し、メニューでそのムービーのエントリを再度クリックします。フレームを別のムービーに追加するには、メニューでそのムービーのエントリをクリックします。

PCB エディタから追加されたキー フレームは、常にキー フレーム シーケンスの最後に追加されます。キー フレーム シーケンス内の特定の位置に挿入することはできません。この操作は、PCB 3D Movie Editor パネル内からのみ行うことができます。

キー フレームの編集

PCB 3D Movie Editor パネルには、キー フレームの名前(Name)フィールドと期間(Duration(s))フィールドのみが表示され、これらのフィールドのみを編集できます(最初のキー フレームの期間は除きます)。基板のズームと方向に関して既存のキー フレームのビューを変更するには、PCB エディタで基板に必要な調整を加え、その新しい情報でキー フレームを更新する必要があります。手順は次のとおりです。

  1. PCB 3D Movie Editor パネルで、変更するキー フレームを選択します。そのキー フレームの属性に従って、基板が PCB エディタに表示されます。
  2. PCB エディタで基板のビューを必要に応じて変更します。
  3. 基板を必要な「ポーズ」に設定したら、キー フレーム リスト領域の下にある更新(Update)ボタンをクリックします。

選択したキー フレームが、基板の新しい「スナップショット」で更新されます。

基板の固定

ムービーが再生されると、キー フレームに到達して、キー フレームを離れるまで、ムービーが停止することはありません。特定のキー フレームで基板を固定する必要がある場合は、次の操作を行います。

  • パネルで目的のキー フレームをクリックします。
  • Ctrl + I キーを押して、新しいキー フレームを挿入します。選択したキー フレームのにフレームが追加され、期間(Duration(s))フィールドを編集できる状態になります。この新しいフレームを遷移キー フレームと見なし、最初に選択した既存のキー フレームのその機能を置き換える方が簡単であるため、前のキー フレームからの遷移に適した期間(Duration(s))の値を入力します。
  • これで、次のキー フレームを静止キー フレームにすることができます。その期間(Duration(s))を、基板を静止状態に維持する値に編集します。 
  • 基板を静止状態に維持する必要がある他のキー フレームについて、このプロセスを繰り返します。
ムービーの最後を忘れないでください。最後の位置を画面上で維持するには、ムービーの最後に静止キー フレームを追加する必要があります。

補間

ビデオを再生する場合、定義したキー フレーム間のモーションは補間によって定義されます。これは、フレームごとに適切なズーム/方向/回転が計算されるプロセスです。キー フレーム間のフレームの総数は、フレーム レートに次のキー フレームまでの期間をかけることによって定義されます(Frame Rate x Duration till next key frame)。 


目的の補間方法を選択します。

次の 2 つの補間方法が用意されています。

線形キー フレームからキー フレーム(Linear Key Frame to Key Frame) – キー フレーム間に球面線形補間を使用します。さらに、スムージングも使用するため、各キー フレームで速度が多少遅くなります。

キー フレーム間で一定の速度(Constant Velocity between Key Frames) – キー フレーム間に二次スプライン補間を使用します。さらに、回転の範囲を 90° より小さくなるように分割します。その結果、キー フレーム間の遷移がよりシームレスになり、フレーム間で一定の速度が維持されます。顕著な速度の低下はありません。このオプションを使用すると、ビデオを見るときに、実際のキー フレームに気付くことはありません。

ビデオの再生

パネルの下部にある再生コントロールを使用して、選択した 3D ムービーを再生します。 


これらのコントロールを使用して、ムービーを再生および確認します。

ムービー ファイルの生成

PCB 3D ムービーは、ドキュメント出力として生成されます。ドキュメント オプション(Document Options)ダイアログ(プロジェクト(Project) | コンテンツ(Content) | プロジェクト オプション(Project Options))のデフォルト印刷の設定(Default Prints)タブで、Documentation OutputsPCB 3D ビデオ(PCB 3D Video)オプションを選択し、設定(Configure)ボタンをクリックして PCB 3D ビデオ(PCB 3D Video)ダイアログを起動します。ダイアログで、作成した 3D ビデオの中から、レンダリングするビデオを選択します。

その後、他のドキュメント出力と同様に、そのビデオのキー フレームを印刷できます。レンダリングされたフレームを表示するには、印刷プレビュー(Print Preview)出力(Outputs) | ドキュメンテーション(Documentation) | 印刷(Print) | 印刷プレビュー(Print Preview))機能を使用します。

アクティブ ドキュメント内の選択したテキストや画像に関する問題を報告します。