インターラクティブ マルチ配線
概要
PCB の配線時、アドレス バスやデータ バスなど、シグナルのグループをすべて同じパスに沿って配線することが必要になる場合がよくあります。これらの各シグナルを個々に配線する方法もありますが、まとめて配線する方がはるかに速くなります。このコマンドを使用すると、複数のネットを同時に配線することができます。
アクセス
このコマンドには、PCB エディタから次の方法でアクセスできます。
- メイン メニューからホーム(Home) » ルーティング(Routing) » 配線(Route) » インターラクティブ マルチ配線(Interactive Multi-Routing)コマンドを選択します。
- ワークスペース内で右クリックし、コンテキスト メニューからインターラクティブ マルチ配線(Interactive Multi-Routing)コマンドを選択します。
使用方法
まず、配線に含める各ネットのソース パッドを選択します。個々のパッドを選択するには、Shift キーを押しながらクリックし、選択エリアを描画してコンポーネント内の複数の子パッドを部分的に選択するには、Ctrl キーを押しながらクリックしてドラッグします。コマンドを起動すると、クリックしてマルチ配線を開始するよう求められます。単に、ワークスペース内で、最初の一連のトラック セグメントを配置する必要がある位置をクリックし、ターゲットとする位置に向かって必要となる配線を続行します。
配線中に、障害物の回りを歩く(Walk Around Obstacle)、障害物を押し込む(Push Obstacles)、障害物をハグして押し込む(Hug and Push Obstacles)、障害物を無視(Ignore Obstacles)、最初の障害物で停止(Stop at First Obstacle)など、標準の矛盾解決モードを使用できます。Shift + R キーを使用して、モードを順番に切り替えることができます。
配線レイヤを切り替えるには、数値キーバッドの + および - キーを使用します。現在のグリッドの刻みでバスの間隔を増減するには、B/Shift + B キーを使用します。適用される配線ルールで許可された最小限までバスの間隔を近づけるには、C キーを押します。
マルチトレース配線モードで使用可能なコマンドについて用意されているすべてのショートカットを表示するには、Shift + F1 キーを押します。
配置モード
トラック セグメントを配置する際には、使用可能なコーナー モードが 5 つあり、そのうちの 4 つのモードにはコーナー方向サブモードもあります。配置時には、次の操作を実行できます。
- Shift + スペースバーを押して、次の 5 つの使用可能なコーナー モードを順番に切り替えます。45 °、アーク付きの 45°、90°、アーク付きの 90°、および任意の角度。
- スペースバーを押して、2 つのコーナー方向サブモードを切り替えます。
- いずれかのアーク コーナー モードで、 キーまたは キーを押したままにすると、アークが縮小または拡大されます。Shift キーを押したままにすると、アークのサイズをすばやく変更できます。
- 1 ショートカット キーを押して、クリックごとに 1 つのセグメントを配置するモードと、クリックごとに 2 つのセグメントを配置するモードの間で切り替えます。最初のモードでは、塗りつぶされていないトラック セグメントは先行セグメントと呼ばれます。
- Backspace キーを押して、最後の頂点を削除します。
差動ペアおよびマルチ配線ツールでのループ削除のサポート
SOLIDWORKS PCB では、マルチトレースまたは差動ペアのインターラクティブ配線ツールを使用した配線時にループ削除(Loop Removal)がサポートされています。
配線中には、既存の配線の一部を変更することがよく必要になります。このような場合、トラック セグメントをクリックしてドラッグする設計タイプのアプローチを使用して既存の配線を変更するのではなく、リルートします。そのためには、配置(Place)メニューからインターラクティブ差動ペア配線(Interactive Differential Pair Routing)コマンドまたはインターラクティブ マルチ配線(Interactive Multi-Routing)コマンドを適宜選択し、既存の配線をクリックして開始した後、既存の配線と再び交わるまで新しいパスを配線します。これにより、古いパスと新しいパスを含むループが作成されますが、問題ありません。右クリックするか、Esc キーを押して配線を終了するとすぐに、重複するビアを含め、重複するセグメントが自動的に削除されます。