レイヤ スタック マネージャ

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レイヤ スタック マネージャ(Layer Stack Manager)ダイアログ。

概要

このダイアログを使用すると、設計者は、基板のレイヤ スタックを設定し、完全に定義できます。レイヤ スタックは、PCB 設計全体で使用されているすべてのレイヤで構成されます。レイヤ スタックには、銅レイヤ、誘電体レイヤ、サーフェス仕上げレイヤ、マスク レイヤなど、さまざまなタイプのレイヤを含めることができます。レイヤごとに、使用する材料、厚み、誘電率などの材料要件および機械的要件を完全に指定する必要があります。材料とそのプロパティを選択するときには、常に基板メーカーに相談してください。

新しい PCB ドキュメントの場合、デフォルトのレイヤ スタックは、誘電体コアと 2 つの銅レイヤに加えて、最上部および最下部ソルダー/カバーレイ レイヤ、最上部および最下部オーバーレイ レイヤで構成されています。

アクセス

このダイアログには、PCB エディタのメイン メニューからホーム(Home) | 基板(Board) | をクリックすることによってアクセスします。

オプション/コントロール

  • 保存(Save) - 現在のレイヤ スタックアップ定義をスタックアップ ファイル(*.stackup)に保存するには、このボタンをクリックします。Save Stack-up ダイアログが表示され、ファイルの保存先と名前を指定できます。
  • 読み込み(Load) - 保存済みのレイヤ スタック定義を読み込むには、このボタンをクリックします。Load Stack-up ダイアログが表示され、目的のスタックアップ ファイル(*.stackup)を参照して開くことができます。
  • プリセット(Presets) - 定義済みの各種レイヤ スタック定義を提供するメニューにアクセスするには、このボタンをクリックします。使用可能な次の定義の中から目的のエントリを選択するだけで、その定義が基板のレイヤ スタックアップとして読み込まれます。
    • Two Layer
    • Four Layer (2 x Signal, 2 x Plane)
    • Six Layer (4 x Signal, 2 x Plane)
    • Eight Layer (5 x Signal, 3 x Plane)
    • 10 Layer (6 x Signal, 4 x Plane)
    • 12 Layer (8 x Signal, 4 x Plane)
    • 14 Layer (9 x Signal, 5 x Plane)
    • 16 Layer (11 x Signal, 5 x Plane)
PCB を最初に作成するとき、つまり、プリミティブの配置および配線を開始する前に、プリセットされたレイヤ スタックアップを選択するか、保存済みのスタックアップを読み込むことが理想的です。既存のレイヤの使用中にこの方法でレイヤ スタックを変更しようとすると、それらのレイヤ上のプリミティブが削除されることを警告するメッセージが表示されます。
  • 3D - レイヤ スタックの 3 次元ビューをグラフィカル プレビュー領域に表示するには、このオプションを有効にします。レイヤ スタックをビットマップ画像として Windows クリップボードにコピーするときには、このオプションによって、その画像が 2D になるか 3D になるかが決まります。
  •  (元に戻す(Undo)) - メインのレイヤ領域で最後に実行した操作を元に戻す(ロールバック)には、このボタンをクリックします。変更を順々に元に戻すには、繰り返しクリックします。
  •  (やり直し(Redo)) - メインのレイヤ領域で最後にロールバックした操作をやり直す(復元)には、このボタンをクリックします。元に戻した変更を順々にやり直すには、繰り返しクリックします。
  •  (Copy Image to Clipboard) - レイヤ スタックのビットマップ画像を Windows クリップボードにコピーするには、このボタンをクリックします。スタックの画像は、3D オプションの状態に応じて 2D または 3D のいずれかになります。
  •  (コピー(Copy)) - メインのレイヤ領域で選択したセル コンテンツをクリップボードにコピーするには、このボタンをクリックします。
  •  (ペースト(Paste)) - クリップボード コンテンツをメインのレイヤ領域のターゲット セルにペーストするには、このボタンをクリックします。
コピー(Copy)およびペースト(Paste)コマンドは、領域の右クリック メニューからも使用でき、標準のキーボード ショートカット Ctrl + C および Ctrl + V もサポートされています。また、標準の複数選択手法もサポートされています(Ctrl + クリックShift + クリッククリック & ドラッグ)。さらに、セル コンテンツは、Microsoft Excel などの外部アプリケーションにコピーしたり、外部アプリケーションからペーストしたりすることもできます。コピー時にヘッダー情報を含めるには、右クリック コンテキスト メニューのヘッダー付きコピー(Copy With Header)コマンドを使用します。
  • レイヤ スタックアップ スタイル - このフィールドでは、基板で使用するレイヤ技術のスタイルを選択します。使用可能なオプションは、ユーザー設定(Custom)レイヤ ペア(Layer Pairs)Internal Layer Pairs および Build-up です。
このオプションは、レイヤ スタックアップの最終の設計に影響するわけではなく、レイヤを追加(Add Layer)コマンドを実行するとき、適切なタイプの誘電体レイヤとその追加先(スタック内の位置)の選択に役立てるためにのみ使用します。ユーザー設定(Custom)以外のすべてのモードでは、シグナル レイヤの追加時に常に誘電体レイヤも追加されます。追加される誘電体のタイプと位置は、現在使用されているレイヤの数とレイヤ スタックアップ スタイルの現在の設定に従います。
  • グラフィカル プレビュー - ダイアログのこの領域には、現在のレイヤ スタックのグラフィカル表現が表示されます。このビューは、3D オプションを有効にすることによって、2 次元表現から 3 次元表現に切り替えることができます。プレビューをビットマップ画像として Windows クリップボードにコピーするには、 ボタンをクリックします。
  • レイヤ - ダイアログのこの領域には、レイヤ スタックに現在定義されているすべてのレイヤが表形式で一覧表示されます。各レイヤのプロパティは、ダイアログのこの領域内で直接編集します。セルを編集するには、そのセルをダブルクリックします。セルで編集がサポートされている場合は、編集できるようになります。レイヤ タイプとそれらに定義する必要があるプロパティの概要を次に示します。
    • シグナル レイヤ - レイヤ名(Layer Name)厚み(Thickness)
    • 誘電体レイヤ - レイヤ名(Layer Name)材料(Material)なし(None)コア(Core)PrepregSurface Material)、厚み(Thickness)誘電体材料(Dielectric Material)誘電率(Dielectric Constant)
    • 内部プレーン レイヤ - レイヤ名(Layer Name)厚み(Thickness)プルバック(Pullback)
    • ソルダー マスク レイヤ - レイヤ名(Layer Name)材料(Material)なし(None)コア(Core)PrepregSurface Material)、厚み(Thickness)誘電体材料(Dielectric Material)誘電率(Dielectric Constant)
    • オーバーレイ - レイヤ名(Layer Name)
厚みは、基板で使用される測定単位(メイン メニューのホーム(Home) | グリッドと単位(Grids and Units)領域にある および ボタンによって指定)に従って、mil または mm のいずれかで定義します。
材料とそのプロパティを選択するときには、常に基板メーカーに相談してください。
  • Total Thickness - このフィールドには、基板の全厚み(単にスタック内の個々のレイヤ(シグナル、内部プレーン、誘電体、ソルダー マスク)の厚みを合計したもの)が反映されます。
  • レイヤを追加(Add Layer) - レイヤ スタックに追加できるレイヤ タイプのメニューにアクセスするには、このボタンをクリックします。次のいずれかのオプションを使用して、追加するレイヤを選択します。
    • レイヤを追加(Add Layer) - 内部シグナル レイヤをスタックに追加します。レイヤ スタックアップ スタイルユーザー設定(Custom)以外に設定した場合は、関連付けられた誘電体レイヤも追加されます。
    • Add Internal Plane - 内部プレーン レイヤをスタックに追加します。レイヤ スタックアップ スタイルユーザー設定(Custom)以外に設定した場合は、関連付けられた誘電体レイヤも追加されます。
    • Add Overlays - 最上部/最下部オーバーレイ レイヤおよび最上部/最下部ソルダー マスク レイヤ(または、欠落していて、スタック内にまだ存在しない残りのレイヤ)を追加します。
    • Add Dielectric - 誘電体レイヤをスタックに追加します。このコマンドは、レイヤ スタックアップ スタイルユーザー設定(Custom)に設定した場合にのみ使用できます。
各種レイヤ タイプをスタックに追加するためのコマンドは、領域の右クリック メニューからも使用できます。
  • Delete Layer - 現在選択しているレイヤをレイヤ スタックから削除するには、このボタンをクリックします。
トップ/ボトム シグナル レイヤは削除できません。それらに関連付けられたコア誘電体レイヤ(デフォルトの名前は Dielectric 1)についても、レイヤ スタックアップ スタイルユーザー設定(Custom)に設定していない限り、削除できません。
レイヤの削除は、右クリック メニューのレイヤを消去(Delete Layer)コマンドを使用して実行することもできます。
  • 上へ移動(Move Up) - 選択したレイヤをスタック内で上に移動するには、このボタンをクリックします。
  • 下へ移動(Move Down) - 選択したレイヤをスタック内で下に移動するには、このボタンをクリックします。
選択したレイヤをレイヤ スタック内で上下に移動するためのコマンドは、領域の右クリック メニューからも使用できます(それぞれ Move Layer Up および Move Layer Down)。
  • ドリル ペア(Drill Pairs) - 基板に必要なドリル ペアを構成するためのドリル ペア マネージャ(Drill-Pair Manager)ダイアログにアクセスするには、このボタンをクリックします。ブラインド タイプ、埋め込みタイプまたはビルドアップ タイプのビアを使用し、そのビアが各レイヤ ペアをまたがる場合は、それに対応するドリル ペアを構成する必要があります。ドリル ペアが存在することにより、ブラインド ビアまたは埋め込みビア(あるいはその両方)が使用されていることがシステムで認識されます。これにより、完成した基板から製造出力ファイルを生成するときに、ブライド ビアまたは埋め込みビア(あるいはその両方)を作成するために実行する必要がある各種ドリル ジョブに適したドリル ファイルが提供されます。
ドリル ペアが定義されていると、ドリル ペア設定および適用される配線ビア スタイル デザイン ルールに従って、配線時に適切なブラインド ビア、埋め込みビアまたは貫通穴ビアが自動的に配置されます。

 

アクティブ ドキュメント内の選択したテキストや画像に関する問題を報告します。