No ERC
内容
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概要
No ERC オブジェクトはデザイン ディレクティブです。回路図プロジェクトのコンパイル時に検出され、レポートされたすべてのエレクトリカル ルール チェックの警告およびエラーの違反の状態を抑制するために、回路内のノードに配置されます。回路内の特定の場所で、警告が生成されることがわかっているエラーのチェック(未接続のピンなど)を意図的に抑制しながら、回路の残りの部分の包括的なチェックを実行する場合に、このダイアログを使用します。
No ERC ディレクティブは、さまざまなスタイルをサポートしており、任意の色で表示できます。この機能は、回路内のその位置の設計意図を反映するために使用します。
No ERC ディレクティブには、切り替え可能な 2 つの操作モードがあります。
- すべての違反を抑制 – このモードでは、すべての考えられる警告およびエラーの状態が抑制されます。
- 特定の違反を抑制 – このモードでは、選択された警告またはエラーの状態のみが抑制されます。その他の警告またはエラーは、検出されてレポートされます。
入手性
No ERC デザイン ディレクティブは、回路図エディタのみで配置できます。No ERC ディレクティブを配置するには、次のいずれかの操作を行います。
- すべての違反を対象とするように事前に構成された No ERC マーカーを配置するには、メイン メニューからホーム(Home) | 回路要素(Circuit Elements) | » No ERC をクリックします。これは、汎用の No ERC ディレクティブと呼ばれる場合もあります。
- 特定の違反を対象とするように構成できる No ERC マーカーを配置するには、メイン メニューからホーム(Home) | 回路要素(Circuit Elements) | » 特定の No ERC(Specific No ERC)をクリックします。
配置 - 汎用の No ERC ディレクティブ
コマンドを起動すると、カーソルが十字に変わり、配置モードが開始されます。
- カーソルをワイヤまたはその他のネット オブジェクト上に置き、クリックするか Enter キーを押して、回路内のその位置にディレクティブを配置します。
- さらに No ERC ディレクティブの配置を続行します。または、右クリックするか、Esc キーを押して配置モードを終了します。
- 配置モードのときに No ERC ディレクティブを回転する場合は、スペースバーを押すと 90° ずつ反時計回りに回転し、Shift + スペースバーを押すと 90° ずつ時計回りに回転します。
配置中に実行できるその他の操作は次のとおりです。
- Tab キーを押して、関連するプロパティ ダイアログにアクセスします。ダイアログでは、No ERC ディレクティブのプロパティをその場で変更できます。
配置 - 特定の No ERC ディレクティブ
特定の No ERC ディレクティブは特定の違反を対象とするため、そのように構成される必要があります。このプロセスを簡単にするために、SOLIDWORKS PCB では、配置時に、適切な違反が対象となるようにディレクティブを自動的に構成するインターラクティブ ツールが起動されます。
このインターラクティブ ツールを使用する手順は次のとおりです。
- コマンドを起動すると、特定の NoERC を配置(Place Specific NoERC)ダイアログが開きます。ダイアログに、アクティブなデザイン プロジェクトのすべてのソース回路図ドキュメントに存在するすべての違反の、ネットごとにグループ化されたリストが自動的に読み込まれます。
- 現在存在している違反を正確に反映するように、プロジェクトを再コンパイル(Recompile project)ボタンをクリックします。
- ネットに複数の違反が検出された場合は、ディレクティブの配置時に引き続きリストが正確になるように、自動的に再コンパイル(Automatically recompile)オプションも有効にする必要があります。
- 特定のネットのエントリを展開して、サブリストで違反をクリックします。ソース回路図シートがアクティブになり、表示が変更されて違反オブジェクトがハイライト表示されます。
- 対象のエラーの抑制(Suppress)チェックボックスをクリックします。
- OK をクリックしてダイアログを閉じます。カーソルに No ERC マーカーが表示されて、違反が発生している回路内の位置に配置できます。
- 回路内の違反の位置にディレクティブを配置します。クリックして配置すると、特定の NoERC を配置(Place Specific NoERC)ダイアログが自動的に再表示されて、次の特定の違反を解決できます。
- 引き続きディレクティブを配置して、デザイン回路図のすべての違反を解決します。このガイド付き自動プロセスには、特定のエラー/警告のみを抑制するように各ディレクティブが自動的に構成されるという大きな利点があります。
右クリックでの配置
特定の NoERC を配置(Place Specific NoERC)ダイアログの作業を進める別のアプローチとして、色付きの波線でハイライト表示された違反が既に表示されている回路内の位置に、特定の No ERC ディレクティブを選択して配置することもできます。
その違反を対象とした特定の No ERC マーカーを配置するには、違反オブジェクト(色付きの波線でない)を右クリックして、違反省略のための NoERC を配置(Place NoERC to Suppress)コマンドを選択します。この違反を抑制するように事前に構成された No ERC ディレクティブがカーソルに表示されます。配置前にディレクティブの外観を編集するには、Tab キーを押します。
グラフィック エディット
No ERC マーカーは、その場所の変更を除いて、グラフィカルに変更することはできません。No ERC マーカーを移動するには、クリックしたまま新しい場所にドラッグします。ドラッグ中に、No ERC マーカーを回転することができます(スペースバー/Shift + スペースバー)。
非グラフィカル エディット
非グラフィカル エディットには次の方法を使用できます。
関連するプロパティ ダイアログの使用
ダイアログ ページ: No ERC
この編集方法では、No ERC ダイアログを使用して No ERC オブジェクトのプロパティを変更します。
このダイアログは、配置中に Tab キーを押すことでアクセスできます。
配置後には、次のいずれかの方法でダイアログにアクセスできます。
- 配置された No ERC オブジェクトをダブルクリックします。
- No ERC オブジェクトにカーソルを置き、右クリックして、コンテキスト メニューからプロパティ(Properties)を選択します。
SCH インスペクタ パネルの使用
パネル ページ: SCH インスペクタ
SCH インスペクタ(SCH Inspector)パネルを使用すると、デザイナーは、アクティブなドキュメント内の 1 つまたは複数のデザイン オブジェクトのプロパティを確認し、編集することができます。類似オブジェクトの検索(Find Similar Objects)ダイアログと組み合わせて使用することで、同じ種類の複数のオブジェクトを 1 か所で簡単に変更できます。
No ERC ディレクティブの印刷の制御
デフォルトでは、印刷時に No ERC マーカーが含まれます。これを一切含めないか、特定のシンボルのみを除外するかを制御するには、次に示す回路図印刷プロパティ(Schematic Print Properties)ダイアログを使用します。
このダイアログにアクセスするには、出力(Outputs) | ドキュメンテーション(Documentation) | をクリックして、関連するドロップダウン メニューから次のいずれかのコマンドを選択します。
- 印刷プレビュー(Print Preview) - Preview Schematic Prints ダイアログから、コンフィギュレーション(Configuration)を右クリックして選択します。
- ページ設定(Page Setup) - 最初の回路図印刷プロパティ(Schematic Print Properties)ダイアログから、詳細(Advanced)ボタンをクリックします。
- デフォルト印刷の設定(Default Prints) - プロジェクトのオプション(Options for Project)ダイアログのデフォルト印刷の設定(Default Prints)タブから、リストの回路図印刷(Schematic Prints)を選択して、設定(Configure)をクリックします。