バリアント

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同じベース デザインのバリエーションを作成できることは、SOLIDWORKS PCB の真の強みの 1 つとして、デザイナーの生産性の飛躍的な向上に貢献します。バリアントを使用すると、ベース デザインのバリエーションをいくつでも定義でき、各コンポーネントを次のように構成できます。

  • 実装
  • 非実装
  • コンポーネントの値など、パラメータが変更されたコンポーネントを実装
  • 代替部品 - コンポーネントを別のコンポーネントに完全に置換

これらのいずれかのタイプのバリエーションを使用するバリアントは、アセンブリ プロセスにのみ影響することから、すべてアセンブリ バリアントと呼ばれます。すべてのバリアントが同じベアボードを共有します。また、コンポーネントのコメントの変更など、PCB 上のコンポーネント オーバーレイ情報のバリエーションもサポートされています。このタイプのバリエーションでは、2 つのオーバーレイ画面を作成する必要があり、その結果、2 つの異なるベアボードができます。このタイプのバリアントは製造バリアントと呼ばれます。

この項目では、SOLIDWORKS PCB でバリアントを定義および管理する方法について詳しく説明します。

論理コンポーネントと物理コンポーネントについて

SOLIDWORKS PCB では、論理コンポーネントと物理コンポーネントの 2 つのタイプのコンポーネントを扱います。この区別は、SOLIDWORKS PCB の一部の強力な機能の根底となるものであるため重要です。回路図シートに配置するコンポーネントは論理コンポーネントであり、アセンブルされた PCB に最終的に取り付けられる実際のコンポーネントを表す概念エンティティとしてそれぞれ使用されます。

この 1 対 1 の論理対物理モデルは単純なデザインでは適切に機能しますが、今日の電子製品デザイナーが求めるすべてのデザイン要件に必ずしも対応できません。SOLIDWORKS PCB では、マルチチャネル デザインやバリアントのような強力な概念がサポートされています。前者は、回路の 1 つのセクションを必要な回数だけスタンプできることを意味し、後者は、単一のデザインを実装するときに、基板のバリアントごとに適合する別々のコンポーネントを使用できることを意味します。このような機能では、1 つの論理コンポーネントで複数の物理コンポーネントを表現できることが必要になります。

SOLIDWORKS PCB では、この 1 対多の機能をコンパイラ技術によって実現しています。設計者が回路図キャプチャの段階で引き続き物理コンポーネントにアクセスする必要がある状況を考慮して、回路図エディタでは物理デザインも扱うことができます。

デザイナーが回路図キャプチャの段階で引き続き物理コンポーネントにアクセスする必要がある状況を考慮して、回路図エディタでは物理デザインも扱うことができます。物理コンポーネントには、各回路図シートの下部に追加で表示されるタブからアクセスします。左端のタブは、キャプチャした論理デザインを表し、その他のタブ(コンパイル済みタブと呼ばれる)は、PCB 設計ワークスペースに転送される物理デザインの各部を表します。コンパイル済みタブに表示される回路図のグラフィカルな編集(ワイヤリングの変更やコンポーネントの移動など)には対応していないことに注意してください。

デザインのバリエーションを調べるには、デザインをコンパイルしてから、回路図のコンパイル済みタブに切り替える必要があります。プロジェクト(Project) | プロジェクト アクション(Project Actions) | 現在のバリアント(Current Variant)フィールドを使用すると、選択したバリアントについて、該当するシート上の物理コンポーネントの構成を表示できます。

コンパイル済みタブに切り替えると、リボン上のメニュー エントリが変わり、物理デザインの参照時に実行できるコマンドが表示されます。標準の編集メニューに戻すには、回路図シートの下部にある論理デザイン タブ(エディタ)をクリックします。

実行可能なバリエーションのタイプ

バリアントを作成するには、その前に、ベース デザインと呼ばれるオリジナル デザインを作成します。実装 - コンポーネントのデフォルトの状態です。実装状態のコンポーネントは変更されません。新しいバリアントを作成すると、すべてのコンポーネントがデフォルトで実装状態になります。

  • 実装状態のコンポーネントは、バリアント管理(Variant Management)ダイアログで空のセルとして表されます。このダイアログの詳細については、後述の説明を参照してください。変更されたパラメータで実装 - バリアント定義プロセスの一環としてコンポーネントの任意のパラメータを変更できます。適合状態のコンポーネントは、バリアント管理(Variant Management)ダイアログで空のセルとして表されます。このダイアログの詳細については、後述の説明を参照してください。
  • 変更されたパラメータとの適合 - バリアント定義プロセスの一環としてコンポーネントの任意のパラメータを変更できます。パラメータ値の変更はローカル バリエーションで、出力ドキュメントにのみ影響を及ぼします。オリジナル回路図とパラメータ変更の対象コンポーネント自体はいかなる方法でも変更されません。下の画像では、C13 の値(Value)パラメータが変更され、このバリエーションでは、値(Value)が緑の斜体フォントで示されています。
  • 不適合 - コンポーネントが不適合状態に設定されている場合でも、そのコンポーネントは回路図に存在し、PCB に転送されますが、BoM などの該当する出力ドキュメントからは削除されます。回路図や PCB 図面出力に十字マーク付きで表示するなど、不適合状態のコンポーネントをドキュメントでどのように表示するかを構成できます。  

C10 と C12 は適合状態、C11 は不適合状態、C13 は変更されたパラメータ値との適合状態です。

  • 代替部品 - まったく異なるコンポーネントを代替部品として選択することもできます。代替部品は異なるコンポーネントであるため、コンパイル済み回路図シートのコンパイル済みタブにはどちらか一方のコンポーネントのみが表示されます。また、代替部品では、同じ場所にある同じ一連のピンをベース部品として共有する必要もあります。この要件は、デザインのコンパイル時に接続を有効に保つ上で不可欠です。

代替部品の使用例です。Q1 には、左側のバリアントでは NPN トランジスタを使用し、右側のバリアントでは JFET を使用しています。

PCB では、代替部品を次の 2 つの方法で処理します。

  • フットプリントが同じ場合 - 選択した代替部品にベース部品と同じ名前のフットプリントが存在する場合、そのフットプリントの 1 つのインスタンスのみが PCB に転送されます。1 つのコンポーネントに複数のフットプリントを割り当てることができるため、バリアント管理(Variant Management)ダイアログで各バリアントに対して正しいフットプリントを選択するようにしてください。
  • フットプリントが変わる場合 - 選択した代替部品にベース部品と異なる名前のフットプリントが存在する場合、両方のフットプリントが PCB に転送されます。その場合、2 つのフットプリントを PCB に配置する方法をデザイナーが決定する必要があります。どちらか一方のコンポーネントのみが適合状態になるため、両方のフットプリントで同じデジネータが使用されることに注意してください。

デジグネータ - デジグネータは論理ベース コンポーネントごとに 1 つのみ使用され、そのデジグネータがすべてのバリアントに使用されます。抵抗の代わりにコンデンサを使用する場合は、必要に応じて、 や のような特別なデジグネータ プレフィックスを使用することを検討してください。

  • デジネータ - デジネータは論理ベース コンポーネントごとに 1 つのみ使用され、そのデジネータがすべてのバリアントに使用されます。抵抗の代わりにコンデンサを使用する場合は、必要に応じて、R_CR-C のような特別なデジネータ プレフィックスを使用することを検討してください。
  • ピン - 代替コンポーネントで使用されるピンの数はベース コンポーネントと同数である必要があり、それらのピンの場所とエレクトリカル タイプも同じである必要があります。これらの条件を満たさない場合、警告が表示されます。
マルチチャネル デザインのチャネル内における代替部品検証はサポートされていません。

バリアントの影響を受ける出力ドキュメント

アセンブリ バリアントは、コンポーネントの購入または読み込みに関する詳細を含むすべての出力ドキュメントに影響します。次のようなものが該当します。

  • 部品表
  • 回路図印刷
  • PCB 印刷
  • ピックアンドプレースファイル
  • アセンブリ図面
  • 選択して配置ファイル

製造バリアントは次の出力にも影響します。

  • ガーバー オーバーレイ レイヤ
  • ODB++ オーバーレイ レイヤ

バリアントの作成と構成

バリアントの作成および構成は、バリアント管理(Variant Management)ダイアログ(プロジェクト内のすべてのドキュメントのメイン メニューにあるプロジェクト(Project) | プロジェクト アクション(Project Actions) | )で行います。このダイアログは次の 2 つのメイン領域で構成されます。

  • プロジェクト コンポーネント(Project Components)という上部領域には、ベース デザイン内のすべてのコンポーネントが一覧表示されます。
  • パラメータの変化(Parameter Variations)という下部領域には、上部領域で現在選択しているコンポーネントのすべてのパラメータの詳細が表示されます。

バリアントの作成および構成は、バリアント管理(Variant Management)ダイアログで行います。

バリアント管理(Variant Management)ダイアログでコンポーネントをダブルクリックすると、回路図上の該当するコンポーネントにジャンプできます。

ダイアログとそのオプションの詳細については、バリアント管理(Variant Management)ダイアログのページを参照してください。

新しいバリアントの作成

ベース デザインの新しいバリアントを作成するには、バリアント管理(Variant Management)ダイアログにあるバリアントを追加(Add Variant)ボタンをクリックします。プロジェクト バリアントを編集(Edit Project Variant)ダイアログが開きます。このダイアログでは、バリアントに意味のある名前を付けて、必要なバリアントレベルのパラメータ データを指定します。

バリアントを追加(Add Variant)ボタンに用意されているドロップダウンを使用して、選択したバリアントをクローン作成(Clone Selected Variant)コマンドにアクセスします。クローン作成機能は、非常に類似する多数のバリアントを定義する必要がある場合に使用すると、時間の短縮に役立ちます。

バリアント管理(Variant Management)ダイアログの右側に列が追加され、その列タイトルとして、追加したばかりのバリアントの説明が表示されます。すべてのセルが空になります。空のセルは、そのコンポーネントが適合状態にあり、ベース デザインから変更されていないことを示しています。これで、新しいバリアントのコンポーネントを構成できます。

新たに追加したバリアントの例です。

コンポーネントのバリエーションの定義

バリアントの作成が終了したら、各コンポーネントの状態を構成できます。そのためには、バリアント列のコンポーネント セルをクリックして ボタンを表示するか、右クリックしてコンテキスト メニュー コマンドにアクセスします。 ボタンをクリックすると、コンポーネントのバリエーションを編集(Edit Component Variation)ダイアログが開き、次の 3 つの選択肢が提示されます。

  • 適合(Fitted) - ベース デザインで使用されているオリジナル コンポーネントは、そのデザインのバリアントにも適合し、同様に使用されます。また、実装状態のコンポーネントの個別のパラメータは、新しいパラメータ値を単に入力して変更できることに注意してください。変更後のパラメータは太字で表示されます。非実装(Not Fitted) - ベース デザインで使用されているオリジナル コンポーネントは、そのデザインのバリアントには適合せず、使用できません。また、適合状態のコンポーネントの個別のパラメータは、新しいパラメータ値を単に入力して変更できることに注意してください。変更後のパラメータは太字で表示されます。
  • 不適合(Not Fitted) - ベース デザインで使用されているオリジナル コンポーネントは、そのデザインのバリアントには適合せず、使用できません。不適合状態のコンポーネントの場合、セルに不適合(Not Fitted)というテキストが表示されます。
  • 代替パーツ(Alternate Part) - このオプションでは代替部品を選択できます。選択すると、代替部品のライブラリ リンクがセルに表示されます。ダイアログの下部領域には、代替部品のすべてのパラメータが表示されます。

Windows の標準の複数選択手法がサポートされているため、これを使用して、複数のコンポーネントを同時に選択して構成できます。

定義したバリアントの例です。画像の領域 1 には、ベース デザインで使用されているコンポーネントの詳細が表示され、領域 2 には、8K ISP Flash というバリアントのコンポーネントの詳細が表示され、領域 3 には、16K ISP Flash というバリアントのコンポーネントの詳細が表示されています。太字のパラメータは、それらのパラメータの値がベース デザインと異なることを示しています。

バリアントをアクティブにするには、列ヘッダーでそのバリアントの名前をクリックするか、そのバリアントのセルのいずれかをクリックします。

代替部品の選択

コンポーネントのバリエーションを編集(Edit Component Variation)ダイアログで代替パーツ(Alternate Part)を選択すると、ダイアログが展開され、必要な代替コンポーネントを参照して探すためのコントロールが表示されます。SOLIDWORKS PCB のすべてのコンポーネント ストレージ モデルがサポートされています(独立ライブラリや統合ライブラリなど)。

代替部品を選択すると、その代替コンポーネントとベース デザインのオリジナル コンポーネントの間のピン互換性がチェックされます。ピン互換の条件は、代替コンポーネントで使用されるピンの数がオリジナル コンポーネントと同数であり、それらのピンの場所とエレクトリカル タイプも同じであることです。2 つのコンポーネントのシンボルで使用されるグラフィカル プリミティブが同じである必要はありません。代替コンポーネントがピン非互換であることが検出された場合、確認(Confirm)ダイアログが表示され、置き換えを続行するには OK をクリックするよう求められます。ピン非互換の代替コンポーネントをそのまま使用することもできますが、ワイヤリングに影響を及ぼす可能性があること、および後でデザインをコンパイルしたときにエラー違反が発生する可能性があることに注意してください。

ワークスペースに戻って、選択した代替コンポーネントを視覚的にチェックできます。該当するコンポーネントが存在する回路図シートのコンパイル済みタブ ビューに切り替え、プロジェクト(Project) | プロジェクト アクション(Project Actions) | 現在のバリアント(Current Variant)ドロップダウンから目的のバリアントを選択します。回路図エディタでは、選択した代替コンポーネントにシンボル グラフィックスが使用されます。コンポーネントがピン互換で、グラフィカルに類似している場合、変更はほとんどわかりません。下の画像では、代替部品のコメントが異なることによって、別のコンポーネントが使用されていることがわかります。代替コンポーネントには緑の斜体フォントが使用されることに注意してください。このことは、バリアント オプション(Variant Options)ダイアログで構成します。バリアント管理(Variant Management)ダイアログで図面スタイル(Drawing Style)ボタンをクリックしてこのダイアログを開き、変更したコンポーネントの表示方法を構成します。

選択した代替コンポーネントの互換性をグラフィカルに検証します。この例では、両方のバリアントでベース デザインと異なるコンポーネントが使用されていますが、これらのバリアントとオリジナルはピン互換であり、シンボル グラフィックスも同じです。

代替コンポーネントがデザイン内でまだ使用されていない場合、そのコンポーネントのシンボル グラフィックスは専用ファイル <ProjectName>.PrjPcbVariants に保存されます。このファイルは、プロジェクト ファイル自体と同じ場所にあります。代替コンポーネントのパラメータの変更は、バリアント管理(Variant Management)ダイアログで定義し、プロジェクト ファイルに保存します。.PrjPcbVariants ファイルを使用することによって、デザインの作成に使用されたソース ライブラリからプロジェクトが切り離されます。
ベース コンポーネントでデフォルトのノーマル(Normal)(代替 2(Alternate 2)など)以外のグラフィカル表示モードが使用され、かつ、そのバリアントで代替コンポーネントが定義された場合、代替コンポーネントによっても、同じ番号の代替グラフィカル表示モードを使用することが試みられます。代替コンポーネントにこのグラフィカル表示モードが存在しない場合は、ノーマル(Normal)モードが使用されます。

バリアント管理(Variant Management)ダイアログでのデータの表示の管理

バリアント管理(Variant Management)ダイアログには、表示されるデータの量の制御に役立つさまざまな機能があります。

  • 必要でない列を除去するには、ダイアログの上部領域を右クリックし、列(Columns)サブメニューで任意の列の表示設定を切り替えます。
  • 変更があるコンポーネントのみを表示するには、ダイアログの上部領域を右クリックし、メニューから変更されたコンポーネントのみを表示(Only Show Varied Components)を選択します。
  • 変更されたコンポーネントのみを表示(Only Show Varied Components)モードを選択した後で、再び右クリックし、必要に応じてフィルタ(Filter)オプションを構成します。下の画像では、不適合状態のコンポーネントのみが表示されるように、フィルタ(Filter)を構成しています。
  • バリアントの表示順序を変更するには、列ヘッダーをクリックしたままにして、その列を新しい場所にドラッグします。幅に合わせる(Fit to Width)チェックボックスと組み合わせて使用することによって、対象のバリアントを目的の場所に配置してサイズを調整できます。

バリアント管理(Variant Management)ダイアログで、いくつかの列を非表示にし、不適合状態のコンポーネントのみを表示するようにフィルタを適用しています。

回路図および PCB 図面上のバリアントの表示の構成

設計者は、変更したコンポーネントを回路図シート(結果として印刷出力や PDF 出力)および PCB 図面タイプの出力(アセンブリ図面など)にどのように表示するかを制御できます。バリアント オプション

デザイナーは、変更したコンポーネントを回路図シート(結果として印刷出力や PDF 出力)および PCB 図面タイプの出力(アセンブリ図面など)にどのように表示するかを制御できます。バリアント オプション(Variant Options)ダイアログで、定義したバリアントの非実装状態のコンポーネントを回路図および PCB 図面出力でどのように表示するかを構成します。このダイアログにアクセスするには、バリアント管理(Variant Management)ダイアログの下部にある図面スタイル(Drawing Style)ボタンをクリックします。

バリアント オプション(Variant Options)ダイアログで、定義したバリアントの不適合状態のコンポーネントを回路図および PCB 図面出力でどのように表示するかを構成します。

これには、非実装状態、実装状態のコンポーネントに対するローカルのパラメータ バリエーション、代替部品のパラメータ値などが含まれます。

バリアント管理(Variant Management)ダイアログでバリエーションを構成すると、設定内容がプロジェクト ファイルに保存されます。これには、不適合状態、適合状態のコンポーネントに対するローカルのパラメータ バリエーション、代替部品のパラメータ値などが含まれます。代替部品はファイル <ProjectName>.PrjPcbVariants に保存されます。バリアント管理(Variant Management)ダイアログには、パラメータをリセットしたり、コンポーネントを更新したりすることによって、ソース コンポーネント ライブラリとの同期を保つためのコマンドが用意されています。

変更されたパラメータのリセット

バリアント管理(Variant Management)ダイアログでローカルに変更したパラメータは、次に示すように、バリアント パラメータ リストで変更済みパラメータ(太字表示)を右クリックし、メニューから選択項目をリセット(Reset Selected)を選択することによって、元の値に戻すことができます。なお、複数のパラメータを選択し、その値を一括でリセットしたり、あるいはすべてリセット(Reset All)を選択して、そのコンポーネントのすべてのパラメータをリセットしたりすることもできます。

選択項目をリセット(Reset Selected)またはすべてリセット(Reset All)コマンドを使用して、
変更したパラメータの値を元に戻すことができます。

代替部品でのパラメータの更新

代替部品として使用されているライブラリ コンポーネントのパラメータを変更した場合は、(次に示すように)バリアント パラメータ リストで右クリックし、メニューからライブラリから値を更新(Update Values from Library)を選択することによって、プロジェクト内のバリアント定義に変更を直接反映できます。この場合、パラメータのみが更新されます。

ライブラリ内の代替部品コンポーネントを変更した場合は、ライブラリから値を更新(Update Values from Library)コマンドを使用して、プロジェクトで使用されているコピーを更新できます。

ライブラリから値を更新(Update Values from Library)コマンドを選択すると、ソース ライブラリ内のコンポーネントを参照して探すよう求められます。終了すると、次に示すようなプロジェクト バリアントをライブラリから更新(Update Project Variants From Library)ダイアログが表示されます。

変更したコンポーネントをソース ライブラリから更新する場合、更新対象のパラメータと更新の適用先バリアントをここで構成します。

ダイアログの左側にはすべてのパラメータが一覧表示され、必要に応じてチェックボックスを選択解除することによって、任意のパラメータを更新プロセスから除外できます。ダイアログの右側では、更新するプロジェクト バリアント(Project Variants to Update)を指定します。デフォルトでは、右クリックしてライブラリから値を更新(Update Values from Library)コマンドにアクセスするときに対象としていたバリアントが選択されます。OK をクリックして更新プロセスを完了します。

このパラメータ更新プロセスを実行すると、パラメータ値がライブラリから直接バリアント管理(Variant Management)ダイアログに取り込まれ、<ProjectName>.PrjPcbVariants ファイルに保存されているコンポーネントのコピーが更新されることはないことに注意してください。後でリセット コマンドのいずれかを実行してパラメータ値をリセット(つまり、<ProjectName>.PrjPcbVariants ファイルから値を取得)した場合、パラメータ値が前の値に戻され、作業した内容が上書きされる可能性があります。

複数のコンポーネントの複数のパラメータの更新またはリセット

バリアント管理(Variant Management)ダイアログでは、複数選択がサポートされています。つまり、ダイアログの上部領域で、多数またはすべてのバリアントで使用されている多数またはすべてのコンポーネントを選択し、1 つ以上のバリアントの 1 つ以上のコンポーネントの 1 つ以上のパラメータを対象にパラメータ更新操作を実行できます。

たとえば、すべてのバリアントのすべてのコンポーネントを対象に、手動で変更したパラメータをリセットできます。

手順は次のとおりです。

  1. 右クリック メニュー オプションの変更されたコンポーネントのみを表示(Only Show Varied Components)フィルタ(Filter)オプションの変更されたパラメータとの適合を表示(Show Fitted with Varied Parameters)を組み合わせて使用します。ダイアログの上部領域には、手動で変更したパラメータを含むコンポーネントのみが表示されるようになります。
  2. ダイアログの上部領域を再び右クリックし、コンテキスト メニューからすべて選択(Select All)を選択します。ダイアログの上部領域に現在表示されているすべてのコンポーネントが選択されます。
  3. 次に、ダイアログの下部領域を右クリックし、コンテキスト メニューからすべて選択(Select All)を選択します。すべてのコンポーネントのすべてのパラメータが選択されます。代わりに列の選択(Select Column)コマンドを選択すると、リセット操作が特定のバリアントのコンポーネントにのみ適用されることに注意してください。
  4. 下の画像に示すように、ダイアログの下部領域を再び右クリックし、コンテキスト メニューから選択項目をリセット(Reset Selected)を選択します。
または、手順 2 の終了後、下部領域で単に Shift キーを押しながら各バリアントのセルを 1 つずつ選択してから、右クリックしてすべてリセット(Reset All)コマンドを使用します。

フィルタ(Filter)オプションを試すために別のフィルタを適用している場合は、新たに更新を試みる前に、フィルタのリセットが必要になることがあります。そのためには、変更されたコンポーネントのみを表示(Only Show Varied Components)オプションを無効にしてフィルタ システムをクリアしてから、再び適用し、必要に応じてフィルタ(Filter)オプションをクリアします。

バリアント パラメータの操作

SOLIDWORKS PCB では、プロジェクトのさまざまなレベルでパラメータがサポートされています。たとえば、ドキュメント オプション(Document Options)ダイアログでは、ドキュメントレベルのパラメータを各回路図シートに追加できます。また、プロジェクトのオプション(Options for Project)ダイアログのパラメータ(Parameters)タブでは、プロジェクトレベルのパラメータをプロジェクトに追加することもできます。プロジェクト バリアントを編集(Edit Project Variant)ダイアログで、パラメータをバリアントに追加することもできます。

パラメータには階層があるため、プロジェクトのさまざまなレベルで同じ名前を持つパラメータを作成し、それぞれに異なる値を定義することができます。SOLIDWORKS PCB では、これが次のように解決されます。

  1. バリアント(優先度が最も高い)
  2. 回路図ドキュメント
  3. プロジェクト

つまり、回路図ドキュメントで定義されたパラメータ値はプロジェクト オプションで定義された値よりも優先され、バリアントで定義された値は回路図ドキュメントで定義された値よりも優先されます。ただし、回路図レベルのパラメータを PCB や BOM で使用することはできません。これらのタイプの出力については、プロジェクトまたはバリアントのパラメータを使用する必要があります。

下の画像では、ProjectTitle というパラメータがプロジェクトだけでなく各バリアントにも定義されています。アニメーションは、リボン メニューの現在のバリアント(Current Variant)フィールドを使用して、ベース デザイン、各バリアントの順に表示するときの PCB の動作を示しています。

.ProjectTitle という特殊文字列が PCB オーバーレイ上に配置され、同名のパラメータに自動的に
リンクされています。バリアントを変更したときに値がどのように変わるかを確認してください。

回路図エディタでのバリアントの操作

デザイン キャプチャ中には、各バリアントで使用されているコンポーネント バリエーションを完全に把握できることが重要です。このことをサポートするために、回路図エディタには、次に示すようないくつかの機能が用意されています。

回路図上の変更されたコンポーネントの確認

回路図でバリアントの詳細を確認する手順は次のとおりです。

  1. プロジェクトがまだコンパイルされていない場合は、コンパイルします。
  2. 回路図シートの下部にあるコンパイル済みタブを選択します。
  3. プロジェクト(Project) | プロジェクト アクション(Project Actions) | 現在のバリアント(Current Variant)ドロップダウンから目的のバリアントを選択します。
  4. バリアント オプション(Variant Options)ダイアログでの構成に基づいて、このシートで変更されたコンポーネントが表示されます。

コンパイル済みシートとバリアント(オレンジのハイライト部分)を選択すると、回路図シートで変更されたコンポーネントが表示されます。

代替部品があるデザインのコンパイル

SOLIDWORKS PCB では、代替部品を使用したバリアントを含むデザインをコンパイルする場合、両方のコンポーネントが存在するかのようにコンパイルする必要があります。結果として、あらゆる問題を検出し、両方のフットプリントを含むデザイン全体を PCB エディタに転送できるだけでなく、バリアント出力ドキュメントですべてのデータを利用できるようになります。

この動作は、二者択一の状況、つまり、代替部品があっても、いずれか一方のみが適合状態になることに留意することで、最も簡単に理解できます。

回路図シートからのバリエーションの定義

多くの場合、ダイアログのコンポーネント リストを上下にスクロールするよりも、回路図シートに配置されたコンポーネントから直接作業する方が簡単です。次に示すように、シート上のコンポーネントを選択し、右クリック メニューからパートに対する操作(Part Actions) » バリアント(Variants)を選択するだけです。

回路図で 2 つのコンデンサを選択した状態で、右クリック コマンドを使用して、バリアント管理(Variant Management)ダイアログでそれらのコンポーネントのみを構成します。

右クリックしたときに表示されるパートに対する操作(Part Actions)のサブメニューには、Fitted/Not Fitted の切り換え(Toggle Fitted/Not Fitted)および代替部品の選択(Choose Alternate Part)コマンドも用意されています。  回路図でパラメータをダブルクリックすることによって、パラメータ バリエーションをローカルで直接実行することもできます。

バリアント管理(Variant Management)ダイアログが開き、選択したコンポーネントのみが表示されます。必要なバリエーションを実行し、OK をクリックしてデザインに適用します。

回路図シートからバリアント管理(Variant Management)ダイアログを開くことによって、選択した 2 つのコンデンサ コンポーネントの詳細のみが表示されています。

この手法は、コンポーネント バリエーションを初めて設定する場合や既存のコンポーネント バリエーションを変更する必要がある場合に使用できます。選択したコンポーネントのみをバリアント管理(Variant Management)ダイアログに表示できるだけでなく、プロジェクト(Project) | プロジェクト アクション(Project Actions) | 現在のバリアント(Current Variant)ドロップダウンで現在バリアントを選択している場合は、実際にプロジェクトに定義されているバリアントの数に関係なく、そのバリアントのみが表示されます。

単一のコンポーネント パラメータのバリエーションをパラメータの変化(Parameter Variation)ダイアログから実行できます(コンポーネント パラメータをダブルクリックしてダイアログを開きます)。

PCB エディタでのバリアントの操作

PCB エディタには、すべてのバリアントのすべてのコンポーネント フットプリントが常に表示されます。これは、すべてのアセンブリ バリアントのすべてのフットプリントをベアボードの一部として製造する必要があるためです。アセンブリ プロセス中にコンポーネントが読み込まれ、これにより、どのバリアントを構築するかが決定されます。

ただし、特定のコンポーネントをそのバリアントで実装するかどうかを視覚的に判断するためのヒントは、コンポーネントに 3D ボディが含まれている場合、表示されるボディは実装、非表示なら非実装を示すということのみです。PCB エディタでは、プロジェクト(Project) | プロジェクト アクション(Project Actions) | 現在のバリアント(Current Variant)ドロップダウンを使用して、バリアント間を切り替えることができます。ただし、特定のコンポーネントがそのバリアントに適合するかどうかを視覚的に判断するためのヒントは、コンポーネントに 3D ボディが含まれている場合、表示されるボディは適合、非表示なら不適合を示すということのみです。3D ボディを使用すると、実装/非実装動作の区別がはるかに容易になります。

このアニメーションは、サンプルの基板デザイン プロジェクトに、ベース
デザインと 2 つの定義済みバリアントのコンポーネントが設定される動作を示しています。

3D ボディを使用すると、適合/不適合動作の区別がはるかに容易になります。

代替部品と PCB 設計プロセス

PCB 設計プロセスにおいて、コンポーネントの配置に影響を及ぼすバリエーションのタイプは 1 つのみです。それは、代替部品を指定した場合、その代替部品ではベース デザインの別のフットプリントが使用されるというものです。この状況では、2 つのフットプリントを基板に配置する必要があります。2 つのフットプリントを配置する方法は任意です。次のいずれかになります。

  • フットプリントを互いに隣り合わせに配置する。
  • 小さい方のフットプリントを大きい方のフットプリント内に配置する。
  • フットプリントを正確に積み重ねる(一方の上にもう一方を配置する)。フットプリントが同一であっても、3D モデルが異なるために、それぞれ異なるフットプリント名を使用する必要がある場合など。

LED DS1 の 2 つのインスタンスではまったく同じフットプリント パターンが使用されますが、
各バリアントで 3D モデルが異なるため、積み重ねて配置できます。

PCB エディタでは、代替コンポーネントの積み重ねに対するデザイン ルール チェックがサポートされています。代替部品では同じ UID が共有されることから、それらが代替部品であることがソフトウェアに認識され、ルール エンジンによって積み重ねのフラグが付けられたり、代替部品のフットプリントが重複したりすることを回避できます。

変更されたコンポーネント コメントの表示

SOLIDWORKS PCB を使用すると、製造出力がバリアントに従うようにできます。具体的には、コンポーネントのコメント(Comment)パラメータに対する変更を指定し、その変更が製造出力(生成されたガーバーまたは ODB++ 出力のシルクスクリーン レイヤ)に渡されるようにすることができます。PCB エディタでは、このような変更をワークスペースで直接視覚的に表示できます(現在選択しているバリアントに割り当てられている値をコメント(Comment)フィールドに反映します)。

バリアントで変更されたコメント(Comment)値を製造ベアボードに渡すには、製造出力が特定のバリアントに従うためのオプションを有効にする必要があります(プロジェクト バリアントを編集(Edit Project Variant)ダイアログで、製造出力のバリエーションを許可(Allow variation of fabrication outputs)オプションを有効にします)。ただし、バリアント間のコメント(Comment)の変更を PCB ワークスペースで視覚的に表示するときには、このオプションを有効にする必要はありません。

バリアントが定義されている状態で、コメント(Comment)パラメータが変更されているコンポーネントを PCB ワークスペースで探し、プロジェクト(Project) | プロジェクト アクション(Project Actions) | 現在のバリアント(Current Variant)ドロップダウン フィールドで現在のバリアントを単に切り替えます。表示されるコメント値は、現在のバリアントに定義されている内容に応じて変わります。

特定のバリアントで変更されたコメントは、表示モード(2D または 3D)に関係なく、PCB に表示できます。

コンポーネントのコメントの変更を 2D および 3D で表示しています。

特定のバリアント(ベース デザインではない)の表示中にコンポーネントのコメントを変更しようとした場合、操作を続行すると、バリアント値が変更されることを警告するメッセージが表示されます。はい(Yes)をクリックすると、ワークスペースにコメントの変更が表示されるだけでなく、現在のバリアント内の該当するコンポーネントに対して新しい値がコミットされます。これを検証するには、バリアント管理(Variant Management)ダイアログでそのバリアントのコメント エントリを確認します。

バリアント エラー

バリアント設定はプロジェクト ファイル(*.PrjPcb)に保存されます。バリアント管理(Variant Management)ダイアログを開くと、このデータが読み取られて分析され、その後、ダイアログに読み込まれます。デジグネータの重複は回路図レベルで解決する必要があります。この場合、プロジェクトを再コンパイルし、メッセージ(Messages)パネルで警告/エラーの詳細を確認して重複を解決してください。

設計プロセスを続行する前に、デジグネータや UID の不一致を解決します。デジネータの重複は回路図レベルで解決する必要があります。この場合、プロジェクトを再コンパイルし、メッセージ(Messages)パネルで警告/エラーの詳細を確認して重複を解決してください。

設計プロセスを続行する前に、デジネータや UID の不一致を解決します。

 

アクティブ ドキュメント内の選択したテキストや画像に関する問題を報告します。