SOLIDWORKS PCB を知る

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SOLIDWORKS PCB は、コラボレーションによる相互作用を通して電気(ECAD)と機械(MCAD)を組み合わせた設計を可能にするプロフェッショナル レベルの設計システムとして設計されています。PCB 設計システムは、簡単に使用できると同時に、電気機械の概念から製造に至る、電子製品の開発に役立つ強力な一連の設計ツールを備えています。SOLIDWORKS PCB は、電子機器設計システムの初心者から経験豊富なデザイナー エンジニアまで、幅広いユーザーのニーズを満たし、洗練された設計環境と、MCAD プロセスとの双方向の相互作用を可能にする一連の高度な機能を提供します。

SOLIDWORKS PCB の機能やインターフェイスを把握するために、まずは新しいデザイン プロジェクトの作成に挑戦することでソフトウェアを操作してみることもできますし、このドキュメントに目を通してから作業を開始すると、より有益です。

このドキュメント セクションの内容は、次のとおりです。

SOLIDWORKS PCB の環境

SOLIDWORKS PCB は、最新の使いやすい設計インターフェイスを採用し、フル セットの PCB 設計ツールを備えた統合設計環境です。次のようなユーザー インターフェイス機能によって、回路図や PCB 設計からデザイン リリース段階に至る、円滑かつ直感的なワークフローがサポートされます。

  • 洗練されたリボン形式のメニュー システム
  • 複数のタブで構成される柔軟なデザイン エディタ ウィンドウ
  • 設計ドキュメントを操作するためのドッキング可能パネル
  • フル セットのコマンド ショートカット キー
  • 状況依存の Web ベース ヘルプ リファレンス
  • ユーザー設定プリファレンス

SOLIDWORKS PCB 設計ワークフローのタスク間を切り替えると、現在の要件に応じて、該当するタスクに必要なデザイン エディタ、パネル、およびリボン メニュー セットが開きます。設計環境は、一貫したルック アンド フィールを保ちながら、現在の設計作業に適したツールやウィンドウを表示するよう動的に変化します。

とはいえ、ユーザー インターフェイス要素のスタイル、配置、機能性は一貫しており、下図のようになっています。


F1 キーを押すと、現在カーソルを置いている項目に関する情報が表示されます。

  • 複数のドキュメントを編集対象として開くと、各ドキュメントがワークスペースの上部にそれぞれ別個のドキュメント タブとして表示されます。
  • 回路図シートから PCB 設計に切り替える場合など、ドキュメントを別の種類のドキュメントに切り替えると、リボン メニューとツール オプションが自動的に変わります。
  • リボンのファイル(File)タブに用意されているコマンドについては、ドキュメントの種類に関係なく変わりません。このメニューからは、外部のファイル管理操作やシステム環境の設定プリファレンスにアクセスできます。
  • パネルなどのワークスペース コントロールは、ワークスペースの端に沿ってドッキングすることも、アプリケーション上またはアプリケーション内でフローティング状態にすることもできます。

リボン コマンド システム

SOLIDWORKS PCB のリボン形式のメニューは、視認性に優れた動的な制御システムとして機能し、必要なコマンドをすぐに見つけられるように設計されています。

コマンドやメニュー ボタンは、一連のタブにグループとして編成され、すべて現在のタスクに合わせて変化します。これにより、このコマンド インターフェイスは、使用可能な画面スペースを最大限に活用する、効率的で使いやすいものになっています。


リボン形式のメニュー システムでは、現在のタスクに適した一連のコマンド ボタンが提示されます。

リボン メニューの操作は、適切なタブを選択したり、いくつかのタブをすばやく切り替えたりするのと同じようなものであり、現在のニーズに合う一連のコマンドを簡単に見つけることができます。

たとえば、回路図を編集するときに使用するクロス プローブ(Cross Probe)ツール コマンドは、論理的に、ツール(Tools)タブの検索して置換(Find and Replace)グループ内に配置されています。追加のコマンド オプションがある場合は(上図の即座にアノテート(Annotate Schematic Quietly)など)、ボタンにドロップダウン メニューが含まれています。

SOLIDWORKS PCB のドキュメントでは、リボン コマンド ボタンは、タブ | グループ | コマンド » サブメニュー コマンドの形式で表記されており、最後のコマンドはボタンの(オプション)ドロップダウン メニューの項目を表します。したがって、上図の 2 つの例は次のように表記されます。

  • 回路図クロス プローブ - ツール(Tools) | 検索して置換(Find and Replace) | クロス プローブ(Cross Probe)またはツール(Tools) | 検索して置換(Find and Replace) |
  • 即座にアノテート - ツール(Tools) | アノテーション(Annotation) | アノテート(Annotate) » 即座にアノテート(Annotate Schematic Quietly)

また、リボンの左端にある ボタン(これ自体はタブではない)をクリックすると、プロジェクト、ドキュメント ファイル、および外部システム(ファイル インポート、オンライン ヘルプ)を管理するための固定メニューにアクセスできることに注意してください。ドキュメントでは、これらのコマンドは標準のドロップダウン メニュー形式で表記されます(ファイル(File) » プロジェクトを開く(Open Project)またはファイル(File) » など)。

リボン メニューのボタンは、小さな PC 画面や縮小したウィンドウで SOLIDWORKS PCB を使用する場合などに、使用可能なメニュー スペースを最大限に生かすように動的に拡大/縮小されます。

リボン メニューのリボン タブの上には、共通のファイル コマンドや編集コマンドに簡単にアクセスできるように、クイック アクセス バー領域があります。


クイック アクセス バーには、基本的なファイル タスクや編集タスクを直接実行できるコマンド ボタンが配置されています。

ここには、ドキュメントを直接開いたり、保存したりするためのボタン、および最後に編集した変更を元に戻したり、やり直したりするためのボタンが配置されており、各ボタンの上にマウス カーソルを置くと、その機能に関するヒント テキストが表示されます。左端にある SOLIDWORKS PCB アイコン ボタン には、最大化/最小化(Maximize/Minimize)、閉じる(Close)などの標準ウィンドウ コントロールが用意されています。

スタートページ

SOLIDWORKS PCB の初回インストール時に開く開始(Start)ページから、多くの共通システム タスクやシステム設定オプションに一元的にアクセスできます。アカウント(My Account)ページやデザインベースのタスク(プロジェクトを開く/新規プロジェクトを開始)、エクステンションと更新(Extensions & Updates)のソフトウェア設定オプションなど、日常的に使用するソフトウェア領域にこのページから直接簡単にアクセスできるようになっています。 

リボンの表示(View)メニュー(表示(View) | 開始(Start))からスタート(Start)ページのタスク(Tasks)リストにアクセスします。


スタート(Start)ページのタスク リンクを 1 回クリックするだけで、主要な操作や構成機能にアクセスできます。

  • SOLIDWORKS PCB ソフトウェア ライセンスの管理、サインイン/サインアウト、およびアカウント プリファレンスの変更を行うには、アカウント(My Account)を選択します。  詳細については、システムのインストール、ライセンス取得、および管理を参照してください。
  • 空のプロジェクトを新規に開始したり、提供されているテンプレートのリストから開始したりするには、新規 PCB プロジェクトを開始(Start a new PCB Project)を選択します。
  • 既存の PCB またはライブラリ プロジェクトをディスクから読み込むには、プロジェクトを開く(Open Project)を選択します。
  • 前に開いたプロジェクトを SOLIDWORKS PCB で開くには、最近使ったプロジェクト(Recent Projects)ショートカット リストからそのプロジェクトを選択します。
  • 提供されている参照プロジェクトのいずれかを SOLIDWORKS PCB で開くには、参照プロジェクト(Reference Projects)ショートカット リストからそのプロジェクトを選択します。
  • 現在アクティブなプロジェクト内に存在するドキュメントのグラフィカル プレビューを表示するには、プロジェクト ドキュメント(Project Documents)を選択します。プレビューをダブルクリックすると、そのドキュメントが SOLIDWORKS PCB で開きます。
  • SOLIDWORKS PCB の機能を拡張する拡張モジュールやシステムのコア ソフトウェアの更新を入手してインストールするには、エクステンションと更新(Extensions & Updates)を選択します。

ドキュメント ウィンドウ

ドキュメントを開くと、SOLIDWORKS PCB メイン デザイン ウィンドウ内の関連するエディタでドキュメントがアクティブになります。たとえば、回路図ドキュメントは回路図エディタ ウィンドウで開いて編集し、PCB ライブラリ ドキュメントは PCB ライブラリ エディタ ウィンドウで開いて編集するなどのようにします。

複数のドキュメントを同時に開くと、各ドキュメントがデザイン ウィンドウの上部にそれぞれ別個の選択タブとして表示されます。ドキュメントはワークスペース全体に表示することも、ウィンドウ(Window)メニューの分割(Split)コマンドを使用して、開いている複数のドキュメント間でワークスペースを共有することもできます。ドキュメントは分割された領域間をドラッグして移動できます。


デザイン ドキュメント ウィンドウは積み重ねることも、上下または左右に分割して表示されるように構成することもできます。

パネル

ドキュメントはオブジェクトやエンティティを格納するために使用し、メイン ワークスペースで編集します。パネルを使用すると、カレント ドキュメント内のデータを別の形式で表示できます。たとえば、PCB パネルでは、コンポーネント別またはネット別に参照できます。

また、パネルは環境全体を対象とした作業にも使用します。たとえば、プロジェクト(Projects)パネルは、プロジェクト内の任意のドキュメントを開く目的だけでなく、プロジェクト階層を表示する目的でも使用できます。ドキュメント固有のパネルは、そのドキュメント タイプがアクティブ ドキュメントになっている場合にのみ表示できます。

すべてのパネルにメニューの表示(View)タブからアクセスできます。


メイン プロジェクト パネルには表示(View)タブのシステム(System)グループからアクセスしますが、ドキュメント固有のその他のパネルについてはそれぞれ専用のグループから使用します。

  • パネルはワークスペースでフローティング状態にすることも、SOLIDWORKS PCB 環境の端に沿ってドッキングすることも、あるいは端からポップアップするように設定することもできます。
  • ドッキングした複数のパネル間を切り替えるには、パネル領域の下部にあるタブを使用します。
     
  • 1 つのパネルのみを移動するには、そのパネル名をクリックしてドラッグし、積み重なった一連のパネルを移動するには、パネル キャプション バー上のその他の領域をクリックしてドラッグします。
  • パネル名を右クリックして、そのパネルのドッキング動作を構成できます。
  • パネルをドッキング式からポップアップ式に切り替えるには、パネルの上部にあるピン ボタンを使用します。

ヘルプの検索

SOLIDWORKS PCB では、複数のレベルのヘルプ情報が提供されており、ソフトウェアでローカルに参照したり、オンライン ドキュメントで参照したりすることができます。

  • また、即座に確認できる情報として、コントロール ボタン上にカーソルを置くと、基本情報を示すポップアップ テキストが表示される以外に、ほとんどの操作ダイアログには、その設定やオプションの構成に役立つヒントが含まれています。
  • メインの詳細なヘルプ情報にアクセスするには、オブジェクト、エディタ、パネル、メニュー エントリ、またはボタン上にカーソルを置いて F1 キーを押すだけです。これにより、SOLIDWORKS PCB オンライン ドキュメント内の関連する部分が直接表示されます。
  • メニューのヘルプ(Help)ボタン(表示(View) | ヘルプ(Help) | ヘルプ(Help))をクリックすると、オンライン ドキュメントのメイン ページが開きます。

ショートカット

SOLIDWORKS PCB インターフェイスやデザイン フローでの作業に慣れてきたら、プロセスの効率化や時間短縮のために、キーボード ショートカットを使用することをお勧めします。

ショートカットのポップアップ ヒントや状況依存のショートカット リストも用意されています。

  • リボン メニューのタブのショートカットを表示するには、Alt キーを押します。
  • ショートカット(Shortcuts)パネル(表示(View) | ヘルプ(Help) | ショートカット(Shortcuts))を開くと、システムやアクティブ エディタの共通キーボード ショートカットのリストが表示されます。たとえば、パネルを開いた状態で、回路図から PCB エディタに切り替えると、リストの内容が回路図用のショートカットから PCB 用のショートカットに再設定されます。

システム プリファレンス

SOLIDWORKS PCB には、すべてのドキュメント エディタおよびシステムに適用される環境オプションを一元的に設定できる場所として、プリファレンス(Preferences)ダイアログが用意されています。

プリファレンス(Preferences)ダイアログにアクセスするには、ファイル(File) | ファイル(File)メニューの下部)を選択します。


プリファレンス(Preferences)ダイアログでは、SOLIDWORKS PCB システム全体のユーザー プリファレンス オプションを一元的に設定できます。

ツリー形式のナビゲーション構造が採用されているため、システム全体のプリファレンスをすばやく見つけて設定することが可能です。現在のプリファレンス設定は SOLIDWORKS PCB に保持されますが、 および ボタンを使用して、1 つの圧縮フォーマットのファイル(DXPPreferences*.DXPPrf)として保存または読み込みを行うこともできます。

SOLIDWORKS PCB についての理解を深める

SOLIDWORKS PCB のインターフェイス、エディタ、およびコマンド構造に慣れるために、提供されている参照デザインの 1 つを読み込み、実際の PCB プロジェクトの中でシステムの機能を試すことをお勧めします。

そのためには、タスク(Tasks)ページ(表示(View) | 開始(Start))の参照デザイン(Reference Designs)に一覧表示されたプロジェクト エントリの 1 つを選択します。

ただし、SOLIDWORKS PCB のワークフローや機能の細部を理解するには、ドキュメントに含まれる構想から製造までのデザイン チュートリアル ガイドに沿って作業を進めてみるのが一番です。このガイドでは、SOLIDWORKS PCB で完全なデザインを作成する方法につい手順を追って説明し、まさに構想から製造までのプロセスのすべての側面をカバーしています。

このガイドを完全な手引きとして使用して独自のデザイン(または提示されたデザイン)を作成してみるか、ガイド内の主要部分を必要なときに参考資料として利用してください。

 

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