基板形状
内容
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基板形状によって、完成基板の形状を定義します。
概要
基板形状は基板外形とも呼ばれ、基板の境界（範囲）を定義する閉じたポリゴンです。基板形状は、デザインの配置と配線に使用できるスペースの範囲を示す視覚的目安となるだけでなく、パワープレーン エッジ プルバックの基準およびパワープレーンを分割するためのエッジとして内部パワープレーンによっても使用されます。
使用可能な機能
基板形状は、PCB エディタのみで使用できます。新しい PCB ファイルが作成されると、そのファイルはデフォルトの基板形状で開かれます。
この形状を変更するには、いくつかの方法があります。基板形状を管理するためのコマンドにアクセスするには、メイン メニューでホーム（Home） | 基板（Board） | 
ボタンをクリックします。使用できるコマンドは、現在の表示モードによって異なります。
- 2D レイアウト モード（2D Layout Mode） - 基板を 2D で表示している場合は、次のコマンドを使用できます。
- 基板形状を再定義（Redefine Board Shape） - このコマンドを使用して、新しい形状をインターラクティブに描画します。
- 基板の形状を移動（Move Board Shape） - このコマンドを使用して、ワークスペース内で基板形状の位置を移動します。
- 基板の形状を編集（Edit Board Shape） - このコマンドを使用して、頂点を移動したり形状のエッジをスライドしたりすることで、基板の形状をインターラクティブに変更します。
- 選択したオブジェクトから定義（Define From Selected Objects） - 閉じた形状を定義するための一連のライン プリミティブやアーク プリミティブを選択してから、このコマンドを使用して、この形状に一致するように基板形状を再定義します。
- 基板形状からプリミティブを作成（Create Primitives From Board Shape） - 基板形状は存在するが、境界上にオブジェクトが現在存在しない場合は、このコマンドを使用します。
- 3D レイアウト モード（3D Layout Mode） - 基板を 3D で表示している場合は、次のコマンドを使用できます。
- 3D ボディから定義（Define From 3D Body） - このコマンドを使用して、3D モデルの希望のサーフェスを選択することで、基板形状を定義します。
基板形状の再定義
基板形状を再定義（Redefine Board Shape）コマンドを起動すると、カーソルが十字に変わり、標準の多角形オブジェクト配置モードが開始されます。基板形状を定義するには、次の手順を実行します。
- カーソルで位置を決定し、クリックして基板形状の開始頂点を固定します。
- カーソルを移動して、2 つ目の頂点を配置する準備をします。デフォルトの動作では、クリックごとに 2 つのエッジが配置され、それらの間はユーザー定義のコーナー形状になります。コーナー モードの変更の詳細については、以下の配置モードのセクションを参照してください。
- 引き続きマウスを動かして、クリックして追加の頂点を配置します。
- 最後の頂点を配置したら、右クリックするか Esc キーを押して基板形状を閉じて、基板形状の定義を完了します。始点と最後に配置した点が接続されて形状が自動的に完成するため、基板形状を手動で閉じる必要はありません。
配置モード
基板形状を定義する際には、使用可能なコーナー モードが 5 つあり、そのうちの 4 つのモードにはコーナー方向サブモードもあります。再定義時には、次の操作を実行できます。
- Shift + スペースバーを押して、次の 5 つの使用可能なコーナー モードを順番に切り替えます。45 °、アーク付きの 45°、90°、アーク付きの 90°、および任意の角度。
- スペースバーを押して、2 つのコーナー方向サブモードを切り替えます。
- いずれかのアーク コーナー モードで、
キーまたは 
キーを押したままにすると、アークが縮小または拡大されます。Shift キーを押したままにすると、アークのサイズをすばやく変更できます。 - 1 ショートカット キーを押して、クリックごとに 2 つのエッジを配置するモードと、クリックごとに 1 つのエッジを配置するモードの間で切り替えます。この 2 つ目のモードでは、破線エッジは先行セグメントと呼ばれます（下に示す一連の画像の最後のものを参照）。
- Backspace キーを押して、最後の頂点を削除します。
Shift + スペースバーを押して、使用可能な 5 つのコーナー モードを順番に切り替えます。1 ショートカット キーを押して、2 つのエッジを配置するモードと、1 つのエッジを配置するモードの間で切り替えます。
基板形状のグラフィカルな編集
基板の形状を編集（Edit Board Shape）コマンドを起動すると、既存の基板形状は緑色で表示されます。この形状の外形は、一連のエッジによって定義されます。各エッジは、それぞれの端の末端頂点（塗りつぶされた白い四角形として表示される）と中央の中央頂点（塗りつぶされていない白い四角形として表示される）によって表されます。それぞれの頂点は、2 つのエッジが接する位置を表しています。
編集モード開始後のサンプル基板形状の編集ハンドル。
- A をクリックしてドラッグして、該当する頂点を移動します。
- B をクリックし、ドラッグして、該当する中央頂点を移動することで、実質的に新しい頂点を作成して、元のエッジを 2 つに分割します。
- 編集ハンドルから離れて、エッジ上の任意の場所をクリックし、ドラッグしてそのエッジをスライドします。
- 編集ハンドルから離れて、Ctrl キーを押しながらエッジ上の任意の場所をクリックして、新しい頂点を挿入します。
- 頂点をクリックしたまま Delete キーを押すと、その頂点が削除されます。
基板形状のグラフィカルな移動
基板の形状を移動（Move Board Shape）コマンドを起動すると、既存の基板形状が緑色で表示されて、基板形状の外形コピーがカーソルにアタッチされます。形状をワークスペース内の希望する新しい場所に移動して、クリックして配置します。移動中に、基板形状を回転またはミラーリングすることができます。
- スペースバーを押して、基板形状を反時計回りに回転します。時計回りに回転するには、Shift + スペースバーを押します。回転ステップ（Rotation Step）のサイズは、プリファレンス（Preferences）ダイアログの PCB エディタ（PCB Editor） - 全般（General）ページで定義します。
- X または Y キーを押して、基板形状をそれぞれ X 軸または Y 軸に沿ってミラーリングします。
基板形状の外形コピーがカーソルにアタッチされて、元の形状を基準として使用できます。
選択したオブジェクトからの形状の定義
2D レイアウト モードでは、選択したオブジェクトから基板形状を定義することもできます。一般的に、これは、キープアウト レイヤまたはメカニカル レイヤに配置された一連のラインやアークとなります。次の手順を実行します。
- 同一レイヤ上のすべてのオブジェクトを選択するには、メイン メニューからホーム（Home） | クリップボード（Clipboard） |
» レイヤ上のすべて（All on Layer）コマンドを使用します。 - すべてのオブジェクトが選択されたら、ホーム（Home） | 基板（Board） | » 選択したオブジェクトから定義（Define From Selected Objects）コマンドを実行します。基板形状は、選択されたラインによって定義されたパスをたどるように更新されます。選択されたオブジェクトのセンターラインをソフトウェア側でたどることができない場合は、警告ダイアログが表示されます。
キープアウト レイヤに配置された一連の選択されたラインとアークから基板形状が定義されました。
3D ボディからの形状の定義
この機能にアクセスするには、メイン メニューからホーム（Home） | 基板（Board） | » 3D ボディから定義（Define From 3D Body）コマンドを使用します。このコマンドを使用するには、このコマンドの起動前に、3D ボディをワークスペース内に既に配置していること、および 3D 表示モードになっていることが必要です。3D ボディから基板形状を定義する手順は次のとおりです。
- このコマンドを起動した後に、3D ボディをクリックして選択します。カーソルが十字に変わり、希望のサーフェスを選択できる状態になります。
- カーソルをモデル全体にわたって動かします。サーフェスが検出されると、そのサーフェスをハイライト表示するために、モデルの残り部分が半透明になります。
- モデルのフラット サーフェスをクリックします。このサーフェスが新しい基板形状になります。
3D ボディの選択したサーフェスに基づいて基板形状を再定義した例。
基板形状からのプリミティブの作成
選択したプリミティブから基板形状を定義するだけでなく、基板形状からプリミティブを作成することもできます。基板形状は存在するが、境界上にオブジェクトが現在存在しない場合は、このコマンドを使用します。このコマンドは次のような状況で役立ちます。
- トラック プリミティブとアーク プリミティブを最初に変更することで、基板形状（または基板カットアウト）を変更する場合。
- 基板のキープアウト境界、または基板カットアウトのキープアウト境界が必要な場合。詳細については、この後の基板カットアウト使用時の重要な設計考慮事項のセクションを参照してください。
基板形状内の穴のカット
基板カットアウトは、基板形状内の任意の場所に配置できます。カットアウトを配置するには、ホーム（Home） | 基板（Board） |
をクリックします。カットアウトは、実際には、ネガティブ オブジェクトとなるように構成されたソリッド リジョン オブジェクトです。このタイプのオブジェクトの配置に関する詳細については、リジョン オブジェクトを参照してください。
基板カットアウトが基板形状上に配置されています。
基板カットアウト使用時の重要な設計考慮事項
基板カットアウトのエッジから離したポリゴンの配置
ソリッド リジョン基板カットアウトにオーバーレイされるポリゴンは、該当するクリアランス デザイン ルールで許容される範囲で、そのカットアウトのエッジの可能な限り近くまで塗りつぶされます。たとえば、必要に応じて、IsBoardCutoutRegion と InPolygon の間に適用されるようにスコープを設定した、特定のクリアランス デザイン ルールを作成できます。
基板とカットアウトのエッジ周囲のルーター ツール パスの定義
完成した基板を製造パネルから切り離す場合、基板をパネルからミリングするかくりぬくというアプローチが一般的です。基板カットアウトをくりぬくこともできます。ルーター ツール パスを定義するには、ライン オブジェクトやアーク オブジェクトをメカニカル レイヤに配置します。この操作は、手動で実行することも、ソフトウェア側で自動的に実行することもできます。
基板および任意の基板カットアウトのルーター ツール パスを定義する手順は次のとおりです。
- ホーム（Home） | 基板（Board） | » 基板形状からプリミティブを作成（Create Primitives From Board Shape）コマンドを実行します。基板形状からのライン/アーク プリミティブ（Line/Arc Primitive From Board Shape）ダイアログが表示されます。
- ルーター ツール パスを定義するオブジェクトの適切な幅（Width）を定義します。この値が不明な場合は、基板製造メーカーにお問い合わせください。
- 使用可能なメカニカル レイヤを選択します。このレイヤは、ルーター ツール パスの定義専用にしてください。
- 基板内にカットアウトがある場合は、カットアウトを含める（Include Cutouts）オプションを有効にします。
- ルート ツール輪郭（Rout Tool Outline）オプションを有効にします。このオプションを有効にすると、ライン/アーク オブジェクトのエッジが基板形状のエッジおよびカットアウトのエッジと接触するように、ライン/アーク オブジェクトが配置されます。
- OK をクリックして、選択したメカニカル レイヤ上にルーター ツール オブジェクトを作成します。
- 使用されているメカニカル レイヤは、ルーター ツール レイヤとして設定される必要があります。この設定を行うには、基板オプション（Board Options）ダイアログを開いて（ワークスペースで右クリックして、オプション（Options） » 基板オプション（Board Options）を選択します）、目的のレイヤをルーター ツール パス（Rout Tool Path）オプションで選択します。
次の画像では、メカニカル レイヤ上に定義されたルーター ツール パスを示しています。
基板カットアウトが左側に示され、画像内で定義されたルーター ツール パスが右側に示されています。
PCB シートの使用
PCB シートは、2D レイアウト モードで印刷ページを表現するための特殊な描画機能です。このシートはデザイン オブジェクトではなく、メカニカル レイヤに配置されたオブジェクトの操作用に設計された表示機能です。次の画像では、寸法オブジェクトがメカニカル レイヤに配置され、ビューの構成（View Configurations）ダイアログで、このレイヤにシートがリンクされています。シートがリンクされており、リンクされたレイヤに合わせてサイズを自動調整（Auto-size to linked layer）オプションが有効になっているため（基板オプション（Board Options）ダイアログ）、ホーム（Home） | 基板（Board） | » シートを自動配置（Auto-Position Sheet）コマンドを使用して、そのメカニカル レイヤ上のオブジェクトをちょうど囲むようにシートのサイズを自動的に調整できます。これにより、印刷に対応したプロレベルの基板表現が得られます。
寸法オブジェクトが配置されているメカニカル レイヤの内容にシートがリンクされている結果として、
印刷に対応したプロレベルのデザイン表現が得られます。
シートの表示の制御
PCB エディタでシートが表示されるようにする手順は次のとおりです。
- ホーム（Home） | 基板（Board） |
をクリックして基板オプション（Board Options）ダイアログを開いて、シートの位置（Sheet Position）領域でシートを表示（Display Sheet）オプションを有効にします。シートを表示（Display Sheet）オプションを無効にすることによって、シートをいつでも非表示にできます。すべてのリンクされたメカニカル レイヤも非表示になります。 - シートの色は、ビューの構成（View Configurations）ダイアログの基板のレイヤと表示色（Board Layers And Colors）タブで変更できます（L ショートカット キーを押します）。このタブのシステムの色（System Colors）領域で、Sheet Area Color と Sheet Line Color の新しい色を選択します。
キープアウト
基板形状だけでなく、基板のエッジの周囲に配置と配線の境界も定義する必要があります。この境界を基板形状自体から自動的に作成するには、ホーム（Home） | 基板（Board） | » 基板形状からプリミティブを作成（Create Primitives From Board Shape）コマンドを実行します。または、オブジェクトをキープアウト レイヤに配置することで、手動で作成することもできます。このレイヤに配置されたオブジェクトによって、コンポーネントと配線の横断禁止境界が定義されます。一般的に、コンポーネントや配線などのオブジェクトは、基板のエッジから一定の距離だけ離すようにします。この距離は、配線とコンポーネントの配置に関する適用可能なデザイン ルールを設定することによって制御できます。ねじ頭などのメカニカル オブジェクトの他の配線/コンポーネント キープアウト領域や、他のマウント要件を定義することもできます。
標準のライン オブジェクトをキープアウト レイヤに配置することで定義されたキープアウト境界。
任意の銅レイヤ上にレイヤ固有のキープアウトを定義することもできます。手順は次のとおりです。
- 目的のレイヤのレイヤ（Layer）タブをクリックします。
- レイヤ固有のキープアウト オブジェクトを配置することで（ホーム（Home） | 配置（Place） |
サブメニュー）、キープアウト領域の境界または領域を定義します。レイヤ固有のキープアウトとは、単にキープアウト（Keepout）属性が有効化された標準オブジェクトのことです。レイヤ固有のキープアウトは、キープアウト色のエッジとともにレイヤと同じ色で表示されます。レイヤ固有のキープアウト オブジェクトは、ガーバーや ODB++ の出力ファイルには含まれていません。
注釈
- 基板形状は出力生成用には使用されず、使用されるのは配置されたオブジェクトのみとなります。