コンポーネント

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コンポーネントのフットプリントは、PCB 上のコンポーネントの取り付けおよび接続を定義します。
実際のコンポーネントを定義する 3D ボディ オブジェクトが含まれることもあります。

概要

コンポーネント フットプリントでは、物理コンポーネントをプリント基板に取り付けるために必要なスペースおよび接続点が定義されます。これは、パッド、ライン、アークなどのシンプルなプリミティブ オブジェクトとその他のデザイン オブジェクトの集合で構成されます。パッドは、コンポーネント ピンの取り付けおよび接続点を提供します。ラインやアークなど、その他のデザイン プリミティブは多くの場合、コンポーネント オーバーレイ(シルクスクリーン)レイヤ上にコンポーネント形状の輪郭を定義するために挿入されます。

また、基板に取り付けられる実際のコンポーネントの物理的なスペースやエンベロープを定義するオプションの 3D ボディ オブジェクトがコンポーネント フットプリントに含まれることもあります。3D ボディ オブジェクトまたはインポートした STEP モデルを使用して物理コンポーネントを定義することにより、3 次元のコンポーネント クリアランス チェックを実行できます。 

コンポーネント フットプリントを PCB ライブラリ エディタで作成するには、適切なデザイン オブジェクトを配置して、コンポーネントの取り付けおよび接続に必要な形状を作成します。コンポーネント参照点は、ライブラリ エディタ ワークスペースの原点であり、ライブラリ エディタでピン 1、幾何的な中心、またはコンポーネント上のユーザー定義の場所に設定できます。

使用可能な機能

コンポーネント フットプリントは PCB ライブラリ エディタで作成し、PCB エディタで配置します。PCB エディタでコンポーネントを配置する方法は次のとおりです。

  • ライブラリ(Libraries)パネル(表示(View) | システム(System) | )でコンポーネントを検索し、Place <ComponentName> ボタンをクリックします。
  • 開いている PCB ライブラリ内から、ホーム(Home) | 基板(Board) | をクリックして、最後にアクティブだった PCB ドキュメントに現在のコンポーネントを配置します。
  • 設計を回路図エディタから PCB エディタに転送すると、使用可能なライブラリから PCB コンポーネント フットプリントが自動的に配置されます。これはデザインの同期と呼ばれ、回路図と PCB の間の差異を検出して解決するプロセスです。デザインの同期を開始するには、回路図からホーム(Home) | プロジェクト(Project) | プロジェクト(Project) » PCB ドキュメント <PcbFilename> を更新(Update PCB Document <PcbFilename>)をクリックします。

標準ライブラリ(PCBLib)または統合ライブラリ(IntLib)を使用する場合は、使用可能なライブラリからのみ PCB コンポーネント フットプリントを配置できます。使用可能なライブラリという用語には、現在作業中のプロジェクトに属するライブラリ、ソフトウェアに現在インストールされているライブラリ、指定された検索パス上のライブラリが含まれます。ライブラリは、使用可能なライブラリ(Available Libraries)ダイアログでインストールおよび削除することができます(ダイアログを開くには、ライブラリ(Libraries)パネルの上部にあるライブラリ(Libraries)ボタンをクリックします)。

PCB エディタでの配置

目的のコンポーネント フットプリントの検索の方法は、選択した配置の方法によって異なります。目的のフットプリントが配置対象として選択され、カーソル上にフローティングしている状態になると、次の操作を行うことができます。

  1. Tab キーを押して、配置する前にコンポーネントのプロパティを編集します。
  2. スペースバーを押して、コンポーネントを反時計回りに回転します(時計回りに回転するには、Shift + スペースバーを押します)。デフォルトの回転ステップは 90° です。これを変更するには、プリファレンス(Preferences)ダイアログの PCB エディタ(PCB Editor) - 全般(General)ページで回転ステップ(Rotation Step)の値を設定します。
  3. コンポーネントを回転すると、デフォルトの動作では、デジグネータおよびコメント文字列がフットプリントとともに回転します。この動作は、これらの文字列の自動配置(Autoposition)設定によって制御されます。デフォルトの動作を設定するには、Tab キーを押して、コンポーネントを配置する前に設定を編集します。デフォルトを設定しても、既に配置されているコンポーネントには影響しません。
  4. L ショートカット キーを押して、コンポーネントを基板の下側に反転します。X または Y キーは使用しないでください。これらのキーを使用すると、部品がミラーリングされますが、レイヤは変更されません。

ライブラリ パネルからの配置

ライブラリ(Libraries)パネルから配置する手順は次のとおりです。

  1. デフォルト設定では、回路図ライブラリのみがパネルに表示されます。PCB ライブラリを有効にするには、次のように、選択しているライブラリのフィールドの横にある をクリックし、フットプリント(Footprints)を参照対象として有効にします。

ライブラリ(Libraries)パネルで PCB ライブラリを参照できるようにします。

  1. フットプリント ライブラリを有効にしたら、ライブラリ名の横にある ドロップダウンを使用して、目的のフットプリント ライブラリを参照対象として選択します。下の画像では、GSM Logger PCB ライブラリが選択されています。
  2. マスク フィールド(現在選択しているライブラリのフィールドの下)を使用してリストをフィルタし、検索プロセスを高速化します。または、スクロールして目的の部品を選択します。

選択したコンポーネントをライブラリ(Libraries)パネルから配置できるようになります。

ライブラリ(Libraries)ボタンをクリックすると、使用可能なライブラリ(Available Libraries)ダイアログが開き、別のライブラリを追加できます。検索(Search)ボタンをクリックすると、ライブラリ検索(Libraries Search)ダイアログが開き、コンポーネント フットプリントを検索できます。

パネルで部品を選択すると、次の方法でコンポーネントを配置できます。

  • パネルの右上にある配置(Place)ボタンをクリックします(ボタン テキストには、配置するコンポーネントが表示されます)。
  • 選択したコンポーネントをダブルクリックします。
  • 選択したコンポーネントをクリックし、ワークスペースにドラッグして配置します。
最後の方法は単発の配置手法となり、選択したコンポーネントの 1 つのインスタンスのみを配置できます。その他の方法では、複数のインスタンスを配置できます。

最初の 2 つの配置方法では、コンポーネントを配置(Place Component)ダイアログが表示されます。

コンポーネントを配置(Place Component)ダイアログ。

適切なデジグネータ(Designator)を入力し、必要に応じてフットプリントのコメント(Comment)を追加します。OK をクリックします。フットプリントがカーソル上にフローティング状態で表示され、配置できるようになります。配置すると、ダイアログが再び表示されます。同じコンポーネントの別のインスタンスや、異なるコンポーネントを配置します。または、キャンセル(Cancel)をクリックして配置モードを終了します。

その場で、フットプリントを同じ PCB ライブラリまたは別の PCB ライブラリ内の別のものに変更できます。手順は次のとおりです。

  1. コンポーネントを配置(Place Component)ダイアログのフットプリント(Footprint)フィールドの横にある ボタンをクリックして、次のようなライブラリの参照(Browse Libraries)ダイアログを開きます。

ライブラリの参照(Browse Libraries)ダイアログには、選択したフットプリントが表示され、
正しいコンポーネントを視覚的に選択することができます。

  1. ライブラリ(Libraries)ドロップダウンで目的のライブラリを選択し、マスク(Mask)フィールドを使用するか、スクロールして目的のフットプリントを探します。
  2. コンポーネントを選択し、OK をクリックしてコンポーネントを配置(Place Component)ダイアログに戻り、配置を続行します。

コンポーネント フットプリントの検索

ライブラリ(Libraries)パネルで目的のコンポーネント フットプリントが見つからない場合は、検索機能を使用します。そのためには、検索(Search)ボタンをクリックしてライブラリ検索(Libraries Search)ダイアログを開きます(下の画像を参照)。

次の点に注意してください。

  • デフォルトの検索スコープ(Scope)では、使用可能なライブラリ(Available Libraries)内でフットプリント(Footprints)が検索されます(下の画像に示されているスコープ(Scope)の各オプションを参照)。
  • また、ライブラリ検索(Libraries Search)ダイアログでは、ドライブ上のフォルダに保存されている、パス上のライブラリ(Libraries on path)を対象とした検索もサポートされています。このような検索を行うには、パス上のライブラリ(Libraries on Path)オプションを有効にし、必要に応じてパス(Path)の各オプションを構成します。
  • フィルタ(Filters)は、論理的に AND で結合されます。単純なフィルタから開始し、結果が多数あれば、前回の検索を絞り込む(Refine last search)モードを使用して結果内で検索する方が効率的な場合があります。
  • 検索結果は、クエリ結果(Query Results)にまとめられて、ライブラリ(Libraries)パネルに表示されます。クエリ結果(Query Results)で選択したフットプリントが、現在使用可能でないライブラリのものである場合は、ライブラリをインストールするよう求められます(クリックし、ドラッグして配置する場合、この機能を使用することはできません)。フットプリント ライブラリを再度選択して、パネルでの参照に戻ります。

使用可能なライブラリ(Available libraries)内でフットプリントを検索するか、パス上のライブラリ(Libraries on path)を検索します。

ライブラリ エディタからの配置

PCB ライブラリ エディタで開いているライブラリからコンポーネントを直接配置することもできます。これには、次の 2 つの方法があります。

  • メイン メニューから、ホーム(Home) | 基板(Board) | をクリックします。
  • PCB ライブラリ(PCB Library)パネル(表示(View) | システム(System) | )のコンポーネント(Components)領域でコンポーネントを選択し、右クリックして、コンテキスト メニューから配置(Place)を選択します。

手順は、ライブラリ(Libraries)パネルから配置する場合と同様です。

  1. コンポーネントを配置(Place Component)ダイアログが最初に表示されます。デジグネータを指定し、必要に応じてコメントを指定して、OK をクリックします。
  2. 部品がカーソル上にフローティングしている状態で、配置する前に編集したり(Tab キーを押す)、回転したり(スペースバーを押す)、基板の反対側に反転することができます(L キーを押す)。
  3. 配置したら、さらにインスタンスの配置を続行します。または、コンポーネントを配置(Place Component)ダイアログでキャンセル(Cancel)をクリックして配置モードを終了します。
部品をライブラリから直接配置する場合、最初に使用可能なライブラリ(Available Libraries)ダイアログでそのライブラリを追加する必要はありません。

PCB ライブラリ エディタでコンポーネントを右クリックして配置するか、
既に配置されているコンポーネントを更新します。

グラフィカル エディット

コンポーネントのグラフィカル エディットは、移動、回転、および反転に制限されています。コンポーネントをワークスペース内で選択すると、下の画像のように、現在の選択色でハイライト表示されます。選択したコンポーネントをグラフィカルに操作する手順は次のとおりです。

  • Delete キーを押して、選択したコンポーネントを設計から削除します。
  • 選択したコンポーネントをクリックしたまま移動します。カーソルがコンポーネント参照点にジャンプします。スマート コンポーネント スナップ(Smart Component Snap)オプションが有効になっている場合は(プリファレンス(Preferences)ダイアログの PCB エディタ(PCB Editor) - 全般(General)ページ)、最も近いパッドの中心にカーソルがジャンプします。
  • コンポーネントがカーソル上にフローティングしている状態で、スペースバーを押して回転します(反対方向に回転するには、Shift + スペースバーを押します)。
  • コンポーネントがカーソル上にフローティングしている状態で、L キーを押して基板の反対側に反転します。

一度クリックしてコンポーネントを選択するか、クリックしたまま移動します。
スペースバーを押して移動中に回転します。

コンポーネントを回転すると、デフォルトの動作では、デジグネータおよびコメント文字列がフットプリントとともに回転します。この動作は、これらの文字列の自動配置(Autoposition)設定によって制御され、コンポーネントごとに編集できます。自動配置のデフォルトの動作を設定するには、コンポーネントがカーソル上にフローティングしている状態で Tab キーを押します。これは、既に配置されているコンポーネントには影響しません。配置されているコンポーネントのテキストの位置を変更するには、ツール(Tools) | 整列(Arrange) |  » コンポーネント テキストを配置(Position Component Text)コマンドを使用します。

ロック(Locked)プロパティが有効になっているオブジェクトを選択したり、グラフィカルに編集したりすることはできません。オブジェクトをグラフィカルに編集するには、ロックされたオブジェクトを直接ダブルクリックし、ロック(Locked)プロパティを無効にします。

非グラフィカル エディット

非グラフィカル エディットには次の方法を使用できます。

関連するプロパティ ダイアログの使用

ダイアログ ページ: コンポーネント

この編集方法では、次のダイアログを使用してコンポーネント オブジェクトのプロパティを変更します。

コンポーネント(Component)ダイアログ。

配置中にコンポーネント(Component)ダイアログにアクセスするには、Tab キーを押します。

配置後には、次のいずれかの方法でダイアログにアクセスできます。

  • 配置されたコンポーネント オブジェクトをダブルクリックします。
  • コンポーネント オブジェクトにカーソルを置き、右クリックして、コンテキスト メニューからプロパティ(Properties)を選択します。

Ctrl + Q ショートカット キーを使用すると、ダイアログで現在使用されている測定単位をメートル単位(mm)とインチ単位(mil)の間ですばやく変更することができます。このことはダイアログにのみ影響し、基板で使用される実際の測定単位は変更されません。これらはメイン メニューのホーム(Home) | グリッドと単位(Grids and Units)領域にある および ボタンによって決定されます。

PCB インスペクタ パネルの使用

パネル ページ: PCB インスペクタ

PCB インスペクタ(PCB Inspector)パネルを使用すると、設計者は、アクティブなドキュメント内の 1 つまたは複数のデザイン オブジェクトのプロパティを確認し、編集することができます。適切なフィルタリングと組み合わせて使用することで、同じ種類の複数のオブジェクトを 1 か所で簡単に変更できます。

 

アクティブ ドキュメント内の選択したテキストや画像に関する問題を報告します。