パッド
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概要
このダイアログを使用すると、設計者はパッド オブジェクトのプロパティを指定できます。パッドは、コンポーネント ピンの電気接続点および取り付け点を作成するために使用されます。パッドをラインなどの他のオブジェクトと一緒に PCB ライブラリ エディタに配置して、コンポーネントを取り付けるフットプリントを作成します。パッドは、シングル レイヤにもマルチレイヤ(すべてのシグナル レイヤ上に存在)にもできます。パッドに穴を作成できます。穴は丸、四角、またはスロットにすることができます。穴はデフォルトで中央に配置されますが、必要に応じてオフセットすることもできます。
アクセス
配置中にこのダイアログにアクセスするには、Tab キーを押します。
配置後には、次の方法でダイアログにアクセスできます。
- 配置されたオブジェクトをダブルクリックします。
- オブジェクトにカーソルを置き、右クリックして、コンテキスト メニューからプロパティ(Properties)を選択します。
オプション/コントロール
場所
- X - 現在の原点を基準とした、パッドの中心の現在の X 位置。原点を基準にパッドの位置を変更するには、値を編集します。
- Y - 現在の原点を基準とした、パッドの中心の現在の Y 位置。原点を基準にパッドの位置を変更するには、値を編集します。
- 回転(Rotation) - 現在のパッドの回転(度数)。パッドの回転を変更する場合は、編集します。最小角度解像度は 0.001° です。
穴情報
- 穴サイズ(Hole Size) - パッドの現在の穴のサイズ。この値は、製造中にパッドに開けられる穴の直径(mil または mm 単位)を指定します。シングル レイヤ パッド(SMD パッドやエッジ コネクタなど)の場合、この値は自動的にゼロに設定されます。穴サイズは、0 から 1000mil の間で設定できます。また、銅フリーの機械的な穴を定義するパッド部分よりも大きい値を設定できます。パッドの穴サイズを変更するには、このフィールドの値を編集します。値は、mm または mil 単位で入力できます。
次のいずれかのオプションを選択して、穴の形状を指定します。
- 丸(Round) - パッドに丸い穴の形状(デフォルト)を指定します。この形状オプションを有効にすると、ドリル タイプ(Drill Type)フィールドが使用可能になります。
- 四角(Square) - パッドに四角い(パンチ加工)穴の形状を指定します。この形状オプションを有効にすると、回転(Rotation)フィールドが使用可能になります。
- スロット(Slot) - パッドに端が丸いスロットの穴の形状を指定します。この形状オプションを有効にすると、長さ(Length)、回転(Rotation)、およびドリル タイプ(Drill Type)フィールドが使用可能になります。
前述のとおり、選択した形状のタイプに応じて、次のいずれか 1 つまたは複数の追加フィールドが使用可能になります。
- 長さ(Length) - スロット穴にのみ適用可能です。これは、パッドの穴の端から端までのスロットの長さです。この値は、製造中にパッドに NC 配線されるスロットの長さ(mm または mil 単位)を指定します。穴サイズは 0 から 1000mil の間で設定できます。長さ(Length)は、有効なスロットを定義する場合は穴サイズ(Hole Size)よりも大きくする必要があり、また、(銅フリーの)機械的なスロット穴を定義する場合はパッドよりも大きい値を設定できます。
- 回転(Rotation) - 四角穴およびスロット穴に適用可能です。これは、穴の回転(度数)です。最小角度解像度は 0.001° です。
- ドリル タイプ(Drill Type) - 丸穴およびスロット穴に適用可能です。このフィールドを使用して、穴の作成方法を指定します。Drilled、Punched、Laser Drilled、または Plasma Drilled から選択します。
プロパティ
- デジグネータ(Designator) - 現在のパッド デジグネータ。パッドがコンポーネントの一部である場合、デジグネータは通常、対応するコンポーネント ピン番号に設定されます。デジグネータは最長 20 文字にできますが、スペースを含めることはできません。フリー パッドにデジグネータを含めることができます。または、フィールドを空のままにすることもできます。デジグネータの始まりまたは終わりが数字の場合、一連のパッドを順次に配置すると、その番号は自動的に増加します。パッド デジグネータを変更するには、このフィールドの値を編集します。必要に応じて、同じコンポーネント フットプリント内の複数のパッドで同じデジグネータを共有できることに注意してください。
- レイヤ(Layer) - パッドが現在割り当てられているレイヤ。パッドは使用可能な任意のレイヤに割り当てることができます。すべてのシグナル レイヤのパッドの形状を定義するには、レイヤ(Layer)を
Multi-Layer
に設定します。 - ネット(Net) - パッドが現在割り当てられているネット。ネットの割り当てを変更するには、フィールドをクリックし、ドロップダウン リストからネットを選択します。パッドがいずれのネットにも接続されていないことを指定するには、ネットなし(No Net)を選択します。プリミティブのネット(Net)プロパティは、デザイン ルール チェッカーによって、PCB オブジェクトが適正に配置されているかどうかを判断するために使用されます。
- メッキ(Plated) - このオプションは、パッドにスルーホールを作成するかどうかを決定します。デザイン内にスルーホールと機械穴の両方が存在する場合、機械穴は NC ドリル ファイル内でスルーホールとは異なるツールを使用するように設定されます。
- ロック(Locked) - パッドのグラフィカルな編集を禁止できます。位置やサイズが重要なパッドをロックします。ロックされているプリミティブを編集しようとすると、プリミティブがロックされていることが通知され、操作を続行するかどうかの確認を求められます。このオプションを選択しなかった場合、プリミティブは確認なしで自由に編集できます。ロック(Locked)チェックボックスは、コンポーネントに属するパッドには効果がないことに注意してください。コンポーネントがロックされていない場合にコンポーネントを移動すると、パッドも移動します。このような場合は、コンポーネントをロックして、予想外の移動を防ぎます。
- ジャンパー ID(Jumper ID) - このパッドがジャンパー コンポーネント フットプリントの一部であることを示すには、ジャンパー ID をゼロ以外の値(1 から 1000 の範囲)に設定します。ジャンパー コンポーネントは、トラックを使用して接続を作成するのではなく、物理的にパッドをまとめて接続するワイヤ リンクが作成される場合に、片面の PCB で使用できます。ジャンパー ID の値は、どのパッドを「接続済み」として扱うかをソフトウェアに示します。ジャンパー接続は同じコンポーネント フットプリント内のパッド間にのみ作成可能で、パッドは、同じジャンパー ID(Jumper ID)の値を持ち、同じネットに割り当てられている必要があります。また、コンポーネントのタイプ(Type)がジャンパ(Jumper)に設定されている必要もあります。これらの条件を満たしている場合、ジャンパー接続は PCB エディタで曲線の接続線として示されます。
テストポイント設定
テストポイント設定(Testpoint Settings)を使用して、パッドを製造(Fabrication)またはアセンブリ(Assembly)(あるいはその両方)テストポイント ファイル生成のテストポイントとして定義します。テストポイントは、テスト プローブを PCB に接触させて、基板が正しく機能するかどうかをチェックすることができる場所です。任意のパッドまたはビアをテストポイントとして指定でき、このことが行われると、パッドまたはビアが属するコンポーネントは自動的にロックされます。
- トップ(Top) - このパッドを最上部レイヤのテストポイントとして定義するには、このオプションを有効にします。
- ボトム(Bottom) - このパッドを最下部レイヤのテストポイントとして定義するには、このオプションを有効にします。
サイズと形状
パッドの配線エリア(ランド部分)を X サイズ、Y サイズ、および形状を設定して定義します。
- 簡易(Simple) - シンプル パッドは、サイズおよび形状がすべてのレイヤで同一のパッドです。
- トップ-ミドル-ボトム(Top-Middle-Bottom) - トップ-ミドル-ボトム レイヤ パッドでは、最上部レイヤ、すべての中間シングル レイヤ、および最下部レイヤで、それぞれ異なる X サイズ、Y サイズ、および形状の定義がサポートされています。
- X サイズ(X-Size) - パッドの現在の X(水平方向)サイズ。1 から 10000mil の間の値を入力します。X サイズおよび Y サイズを別個に設定すると、非対称のパッド形状を定義できます。
- Y サイズ(Y-Size) - パッドの現在の Y(垂直方向)サイズ。1 から 10000mil の間の値を入力します。X サイズおよび Y サイズを別個に設定すると、非対称のパッド形状を定義できます。
- 形状(Shape) - 基本的なパッド形状。基本的なパッド形状には、
Round
、Rectangular
、Octagonal
、またはRounded Rectangle
があります。X サイズおよび Y サイズの設定を変更して非対称のパッド形状を作成することで、基本的な形状を操作できます。 - コーナー半径(Corner Radius) - 形状(Shape)が
Rounded Rectangle
に設定されている場合に使用できます値は、パッドの最も短い側の半分のパーセンテージです。そのため、値 0% は四角形のパッドに、値 100% は円形のパッドに対応します。 - 穴の中心からのオフセット(X/Y) - パッドの穴の中心からパッドのランド部分をオフセットする値を入力します(この量でオフセットされます)。
ペーストマスク拡張
ペースト マスクの拡張は、ソフトウェアによって自動的に作成され、パッドと同じ形状です。この拡張は、ペースト マスク拡張設定の定義に応じて、パッド自体より大きい場合もあれば(正の拡張値)、小さい場合もあります(負の拡張値)。通常、ペースト マスクの開口はパッドよりも小さいですが、例外があります。
- ルールの拡張値(Expansion value from rules) - このオプションを有効にすると、このパッドのペースト マスク拡張が、適用可能なペースト マスク拡張デザイン ルールで定義されます。
- 拡張値を指定(片側値)(Specify expansion value) - ルールを上書きして、このパッドのペースト マスク拡張値を指定するには、このオプションを有効にします。
ソルダー マスク拡張
ソルダー マスクの拡張は、ソフトウェアによって自動的に作成され、パッドと同じ形状です。この開口は、ソルダー マスク拡張設定の定義に応じて、パッド自体より大きい場合もあれば(正の拡張値)、小さい場合もあります(負の拡張値)。通常、ソルダー マスクの開口はパッドよりも大きいですが、例外があります。
- ルールの拡張値(Expansion value from rules) - このオプションを有効にすると、このパッドのソルダー マスク拡張が、適用可能なソルダー マスク拡張デザイン ルールで定義されます。
- 拡張値を指定(片側値)(Specify expansion value) - ルールを上書きして、このパッドのソルダー マスク拡張値を指定するには、このオプションを有効にします。
- トップを完全に覆う(Force complete tenting on top) - 「完全に覆う」という用語は、閉じることを意味します。このオプションを有効にすると、適用可能なソルダー マスク拡張デザイン ルールの設定は上書きされ、パッドの最上部ソルダー マスク レイヤにはソルダー マスクの開口がなくなります。このオプションが有効になっている場合、ルールの拡張値(Expansion value from rules)および拡張値を指定 (片側値)(Specify expansion value)オプションは無視されます。
- ボトムを完全に覆う(Force complete tenting on bottom) - 「完全に覆う」という用語は、閉じることを意味します。このオプションを有効にすると、適用可能なソルダー マスク拡張デザイン ルールの設定は上書きされ、パッドの最下部ソルダー マスク レイヤにはソルダー マスクの開口がなくなります。このオプションが有効になっている場合、ルールの拡張値(Expansion value from rules)およびルールの拡張値 (片側値)(Specify expansion value)オプションは無視されます。