新しいデータベース リンク

多くの組織に共通する要件として、電子的な CAD コンポーネントから、会社の中央コンポーネント データベースへのリンクがあります。SOLIDWORKS PCB では、データベース リンク ファイルを作成および使用して既存のコンポーネントを会社のデータベースのレコードにリンクできるようにすることで、これをサポートしています。データベース リンク ファイルはデザイン プロジェクトまたはライブラリ パッケージに追加され、これによって、既に回路図シートに配置されているコンポーネント、またはより一般的にはソース回路図ライブラリ内の定義済みコンポーネントから、それぞれにリンクすることができます。

パラメータの作成および管理の詳細については、パラメータ管理のページを参照してください。

データベース リンク ファイルを使用したリンク

  • この方法を使用すると、データベース リンク ファイルによって、回路図コンポーネントとデータベース内の一致レコードの間のリンケージが定義されます。レコード一致はキー フィールド リンクによって確立されます。これは、単一キー フィールド(部品番号など)にも複数キー フィールド(Where 句を定義する)にもできます。
  • このリンク方法では、コンポーネントのモデルおよびパラメータ情報を SOLIDWORKS PCB ライブラリ コンポーネントの一部として事前に定義しておく必要があります。また、ライブラリ コンポーネントには、その定義の一部として必要なキー フィールド情報を含めておく必要もあります。この定義が完了したら、データベース リンク ファイルをライブラリ パッケージまたはデザイン プロジェクトに追加します。これで、コンポーネント情報(パラメータ)をデータベース内のフィールドの内容と同期できます。
  • 各データベース レコードによって定義されている物理コンポーネントごとに一意の SOLIDWORKS PCB ライブラリ コンポーネントにマップする必要はありませんが(多くのデータベース コンポーネントで同じコンポーネント シンボルを共有できます)、一般的にこのリンク方法は、「1 つのデータベース レコード対 1 つの SOLIDWORKS PCB コンポーネント」のやり方で使用されます。一意の SOLIDWORKS PCB コンポーネントは、回路図シートに配置されているインスタンスまたはコンポーネント ライブラリ内の一意のコンポーネントのいずれかにできます。
  • DbLink スタイルのデータベース リンクでは、ライブラリ パッケージまたはデザイン プロジェクトと一緒にデータベース リンクを含めます。

データベース リンク ファイルの作成

前述のとおり、データベース リンク機能の中心になるのはデータベース リンク ファイルです。このファイルは、SOLIDWORKS PCB のデータベース リンク エディタを使用して作成および管理します。このエディタは、メイン デザイン ウィンドウ内のアクティブ ドキュメントが *.DbLink ファイルである場合に使用可能になります。


データベース リンク エディタで開いた DbLink ファイルの例。

この種類のファイルを新規作成する方法は、次のとおりです。

  • ファイル メニューからファイル(File) » 新しいドキュメントを作成(New Document) » データベース リンク ファイル(Database Link File)コマンドを選択します。
データベース リンク ファイルは、プロジェクトに追加すると、プロジェクト(Projects)パネルの設定(Settings)\データベース リンク ファイル(Database Link Files)サブフォルダに表示されるようになります。

外部データベースへの接続

テーブルとマッピング データは、アクティブなデータベース リンク ファイルが必要な外部データベースに正常に接続された後でのみ、エディタのメイン表示ウィンドウに表示されます。接続は、接続元(Source of Connection)領域にあるコントロールを使用して定義します。

OLE DB サポートを提供する任意のデータベースに接続できます。この領域にあるオプションは、それぞれに OLE DB 接続文字列を使用してターゲット データベースに接続します。一部のデータベースでは OLE DB サポートが提供されていない可能性があります。ただし、事実上は今日使用されているすべてのデータベース管理システムに、Open Database Connectivity(ODBC)インターフェイスを介してアクセスできます。データベース リンク機能では、ADO(ActiveX Data Object)で ODBC データ ソースに接続できるようにする、Microsoft の ODBC プロバイダを使用します。その結果として、すべての ODBC データベースに接続することができます。ODBC データベースの OLE DB プロバイダは、接続文字列の一部として指定します。

接続は、データベース接続(Database Connection)ダイアログのコネクション(Connection)タブでも定義できます。このダイアログには、(領域の下部にある接続(Connect)ボタンの右の)詳細設定(Advanced)ボタンをクリックしてアクセスします。

Access および Excel データベースへの迅速な接続

データベース タイプ選択(Select Database Type)オプションは、ターゲット データベースが Microsoft Access または Microsoft Excel を使用して作成されている場合に接続文字列を迅速に作成する方法を提供します。このオプションを使用し、データベース タイプを選択してから、必要なデータベース ファイルを参照して選択します。対応する接続文字列が自動的に構成され、接続文字列を使用(Use Connection String)オプションのフィールドに入力されます。

フルパスを指定できます。またはデータベース リンク ファイルに対する相対パスを指定することもできます。

接続文字列の構築

会社のデータベースが Access ベースまたは Excel ベースではなく、接続文字列の明示的な構築が必要な場合は、接続文字列を使用(Use Connection String)オプションを有効にしてから、右側の関連する生成(Build)ボタンをクリックします。データ リンク プロパティ(Data Link Properties)ダイアログが表示されます。

ダイアログのプロバイダ(Provider)タブにはデフォルトで OLE DB プロバイダ Microsoft Jet 4.0 OLE DB Provider が設定されるため、ダイアログは接続(Connection)タブで開きます。これは新しいデータベース リンク ファイルのデフォルトのプロバイダ設定であり、Access データベース ファイル(*.mdb)への接続にも使用されます。必要に応じてプロバイダを変更します。

接続(Connection)タブで、接続するデータベースの名前(パスを含む)を入力します。または、 ボタンを使用してダイアログを開き、そこから必要なファイルを参照して開くことができます。

データベースへのログイン権限が必要な場合は、必要に応じてこれを入力し、同時にダイアログの詳細設定(Advanced)タブで指定可能な他の詳細設定を入力します。All タブには、定義済みのリンク オプションの概要リストと、選択した OLE DB プロバイダに関連する拡張オプションが表示されます。必要に応じて、このタブでオプションを変更できます。

リンク オプションの定義が完了したら、(接続(Connection)タブの)接続のテスト(Test Connection)ボタンをクリックして、接続に成功しているかどうかを確認できます。接続に成功すると、その結果に対する確認ダイアログが表示されます。

データ リンク プロパティ(Data Link Properties)ダイアログは Microsoft のダイアログであるため、F1 キーを押すか、または使用可能なヘルプ(Help)ボタンを使用すると、Microsoft データ リンク ヘルプ ファイルにアクセスできます。このファイルは SOLIDWORK PCB のドキュメント セットには含まれていません。

データ リンク ファイルの指定

接続するデータ ソースが Microsoft データ リンク ファイル(*.udl)を使用して記述されている場合は、3 番目の接続オプション(データ リンク ファイルを使用(Use Data Link File))を有効にし、関連する参照(Browse)ボタンをクリックして、必要なファイルを探します。データ リンク ファイルは、基本的には接続文字列の格納場所です。

接続の続行

外部データベースへの接続を定義した後、接続(Connect)ボタンのテキストが太字になり、接続を続行できることが示されます。接続詳細が正しい場合は、ターゲット データベースのテーブルとマッピングの情報が、データベース リンク ファイルに読み込まれます。接続(Connect)ボタンのテキストが接続済み(Connected)に変わり、ボタンがグレー表示されます。

接続詳細に問題がある場合、たとえば、接続文字列が誤って構築されていたり、パスが間違って入力されていたりする場合は、接続が失敗し、このことを警告するメッセージが表示されます。接続設定を確認し、再度接続(Connect)ボタンをクリックします。

データベースに接続されている間に接続設定を変更すると、現在の接続が切断され、接続(Connect)ボタンのテキストが Reconnect に変わります。クリックして、接続を再確立します。

初期接続が成功し、データベース リンク ファイルを保存した後は、ターゲット データベースの場所およびファイル名が変更されない限り、ファイルが開かれるたびに自動的に接続が実行されます。

データベース テーブルの一覧

外部データベースへの接続に成功すると、テーブルとマッピング データが読み込まれます。DbLink ドキュメントの左側に、接続されているデータベースに存在するすべてのテーブルが一覧表示されます。


接続されているデータベースに存在するテーブル。

各テーブル エントリの横の有効(Enable)オプションを使用すると、パラメータをデータベースから更新するときにそのテーブルを使用するかどうかを制御できます。

リストのテーブル エントリをクリックすると、現在アクティブなテーブルとして区別するために、アイコンが  から  に変わります。テーブルとそのすべてのデータが、ドキュメントの Table Browser タブに表示されます。これはテーブルの編集不可のコピーで、これを使用して、外部データベース自体を起動せずに、その内容をすばやく参照することができます。

接続されたデータベースのソース テーブルの参照。

(上の図に示すように)Table Browser の領域を拡大するには、ドキュメント ビューの右上にある コントロールをクリックして、上部の領域(接続およびフィールド設定)全体を折りたたみます。展開するには、 をクリックします。

一致条件の指定

部品パラメータ情報を、外部データベースのフィールドに格納されている情報で更新するには、最初に、デザインの各部品が、データベース内の 1 つのテーブルの 1 つの行と「一致」している必要があります。ドキュメントのフィールド設定(Field Settings)領域では、一致条件を定義できます。これは、簡単な単一キー ルックアップにすることも、Where 句を使用したより高度な一致にすることもできます。

一致条件は、テーブルごとに指定します。


一致条件の制御。

単一キー ルックアップ

単一キー ルックアップ(Single key lookup)オプションが有効な場合(デフォルト)、データベース フィールド(Database field)および部品パラメータ(Part parameter)フィールドが使用可能になります。前者には、データベースのアクティブ テーブル内の使用可能なすべてのフィールド名(列ヘッダー)が一覧表示されます。後者には、デザイン内のすべての部品で見つかったすべてのパラメータ(システム パラメータとユーザー定義パラメータの両方)が一覧表示されます。部品パラメータ(Part parameter)フィールドのドロップダウン リストは、親プロジェクトをコンパイルした後でのみデータが入力されることに注意してください。

これらのフィールドを使用して、テーブル内の 1 つのフィールドと、部品の 1 つのパラメータ(通常は、すべての部品に共通する)の間の一致を指定します。通常、一致させるフィールドは、どちらの場合も外部データベース内の個々のコンポーネントを一意に識別するものです(部品番号など)。選択されているルックアップ フィールドは、ドキュメントの Field Mappings タブの、グレー表示された Design Parameter エントリで識別されます。

パラメータをデータベースから更新機能を使用している場合、配置された回路図コンポーネント内の選択されたキー パラメータから情報が読み取られ、データベースの(すべての有効なテーブルの)選択された(キー)フィールド内で検索されます。一致が見つかった場合、親テーブルのそのレコード内の他のセルの情報が、回路図コンポーネント内のマップされたパラメータに取得されます。

高度な一致 - Where 句

一致させる一意の部品番号または ID が存在する場合、単一キー ルックアップ(Single key lookup)オプションは正常に機能しますが、キャパシタンスや抵抗などの一意でないパラメータで一致させる場合にはあまり効果的ではありません。このような場合は、より高度な Where 句を使用する必要があります。これを使用すると、複数キー一致を指定して、関連するデータベース テーブル内の必要な行に回路図コンポーネントをリンクすることができます。

最も簡単な形式の Where 句(SQL 構文を使用して記述)は、単一キー ルックアップを定義する選択済みエントリを表します。たとえば、データベース フィールド(Database field)Part Number になるように選択され、一意の部品パラメータ(Part parameter)(デザイン内のすべての部品に存在する)が Part Number になるように選択されている場合、Where 句のエントリは次のようになります。

[Part Number] = '{Part Number}'

データベース フィールド(テーブル列)を囲む角括弧は、データベース接続(Database Connection)ダイアログの詳細設定(Advanced)タブで指定した引用マーク文字です。このダイアログにアクセスするには、ドキュメントの接続元(Source of Connection)領域にある詳細設定(Advanced)ボタンをクリックします。

データベース接続(Database Connection)ダイアログの詳細設定(Advanced)タブには、構築する Where 句で
テーブルを引用符で囲んだり、テーブル スキーマ名を使用したりするための追加の SQL オプションが用意されています。

テーブルを引用符で囲む場合に使用する具体的な引用マーク文字は、使用しているデータベースによって異なります。たとえば、角括弧 [ ] は、Access、ADO を使用した Excel、または MSSQL(最近のバージョン)などの Microsoft データベースでのみ使用できます。MYSQL では引用符に ‘ブ) 文字を使用します。実際にはいずれのデータベースでも、列名にスペースが含まれる場合や、列名が(そのデータベースの)予約語である場合にのみ、その列名を引用符で囲む必要があります。個々のデータベース ソフトウェアのドキュメントを参照して、使用する引用マーク文字を確認してください(ある場合)。

波括弧(中括弧)は、参照されるエントリがデザイン パラメータであることを指定します。デザイン パラメータを数字(引用符なし)ではなく文字列として処理するよう指定するには、一重引用符を使用します。SQL は型依存であるため、型の一致は非常に重要です。デザイン パラメータはデータベース内の列と同じ型にする必要があります。

標準の SQL 構文を使用すると、複数のデータベース フィールド(Database field)/部品パラメータ(Part parameter)エントリを使用して一致させるように、Where 句を拡張できます。次に例を示します。

[Capacitance] = '{Capacitance}' AND [Tolerance] = {Tolerance} AND [Manufacturer] = '{Manufacturer}’

この場合、3 つの異なるデザイン パラメータを使用して、関連するデータベース テーブルの単一のレコードがリンクされます。Tolerance デザイン パラメータのエントリは引用符で囲まれていないことに注意してください。これは、関連するデータベース テーブルの列の型が数字であり、文字列ではないことを意味します。

標準の SQL 構文を使用して、必要に応じて Where 句を単純または複雑にすることができます。より複雑な句の例は、次のとおりです。

[Tolerance] BETWEEN {Min Tolerance} AND {Max Tolerance} AND [Price] <= {Max Price} AND [Manufacturer] IN ('{Preferred Manufacturer 1}', '{Preferred Manufacturer 2}')

この場合、3 つのデータベース フィールド(TolerancePrice、および Manufacturer)に基づいて一致する部品を見つけるためのクエリが、テーブルに対して実行されます。公差は、Min Tolerance および Max Tolerance デザイン パラメータによって定義される範囲の中にある必要があります。価格は、Max Price デザイン パラメータで指定した値以下である必要があり、メーカーは、Preferred Manufacturer 1 および Preferred Manufacturer 2 デザイン パラメータで指定した 2 つの候補のいずれでも可能です。

同期の保証

必要に応じてマッピングおよび更新のオプションをデータベース リンク ファイルに指定し、そのファイルを保存すると、データベースの情報を SOLIDWORKS PCB コンポーネントのマップされたパラメータに渡せるようになります。選択したキー フィールド パラメータは、SOLIDWORKS PCB コンポーネントが、外部データベース内のそのコンポーネントに対応するレコードへのリンクを保持していることを確実にするために使用されます。つまり、この先のどの段階でも、データベース内のパラメータ情報に対する変更を SOLIDWORKS PCB コンポーネントに簡単に渡して、2 つを同期することができます。更新は、パラメータをデータベースから更新(Update Parameters From Database)コマンドを使用して実行します。

パラメータの作成および管理の詳細については、パラメータ管理のページを参照してください。

 

アクティブ ドキュメント内の選択したテキストや画像に関する問題を報告します。