パラメータ管理

SOLIDWORKS PCB 2018 では、新しいデータベース リンク ファイルの導入とともに、パラメータ管理オプションも導入されました。これらの新しいパラメータ管理ツールを使用すると、デザイナーは任意の ODBC データベースに接続したり、これらのデータベース ライブラリからパラメータ データを SOLIDWORKS PCB の回路図ドキュメント内に組み込んだり、部品パラメータを作成したりできます。データベース フィールドをデザイン パラメータにマップすることもできます。

パラメータ管理ツールには、パラメータ エディタ オプション(Parameter Editor Options)ダイアログおよび Update Parameters Database ダイアログを使用してアクセスできます。どちらのダイアログも、回路図ドキュメントがアクティブになっているときに、リボンのツール(Tools) | DB リンク パラメータ(DB Link Params)セクションからアクセスできます。

データベース リンクの作成および管理の詳細については、新しいデータベース リンクのページを参照してください。

部品パラメータの作成

(DbLink ファイル内で一致のために部品パラメータとして使用する)適切なパラメータが SOLIDWORKS PCB コンポーネントにない場合、これを作成する必要があります。この「ベース」パラメータの追加は、パラメータ管理機能を使用すると、すばやく実行できます。

パラメータ管理機能を使用したパラメータの追加

パラメータ管理機能を使用して新しいパラメータを追加する順は次のとおりです。

  1. 回路図ドキュメント(または回路図ライブラリ ドキュメント)のメイン メニューから、ツール(Tools) » パラメータ マネージャ(Parameter Manager)を選択します。パラメータ エディタ オプション(Parameter Editor Options)ダイアログが表示されます。新しいパラメータをすべての部品に追加するには、組み込むパラメータの所有者(Include Parameters Owned By)領域でパーツ(Parts)オプションが有効になっていること、および次の条件を満たす(That Meet the Following Criteria)領域ですべてのオブジェクト(All Objects)が条件として設定されていることを確認します。

  1. OK をクリックすると、Parameter Table Editor ダイアログが開き、アクティブ プロジェクト内の回路図ソース ドキュメント(または、アクティブ回路図ライブラリ内の回路図コンポーネント)にあるすべての部品オブジェクトによって現在「所有されている」すべてのパラメータが表示されます。列追加(Add Column)ボタンをクリックし、表示されたパラメータ追加(Add Parameter)ダイアログを使用して、パラメータの名前を定義します。新しいパラメータがすべての部品に追加されるように、すべてのオブジェクトへ追加(Add to all objects)オプションが有効になっていることを確認します。
パラメータが各部品に追加されることのみが必要なこの段階では、パラメータの値(Value)を未割り当てのままにしておくことが最良です。ただし、データベース内の対応するレコードに効率的にリンクするには、後でパラメータの値を部品ごとに定義する必要があることに注意してください。


パラメータ管理機能を使用して、デザイン プロジェクト内のすべてのソース回路図のすべての部品に新しいパラメータを追加する例。

  1. 新しい列が追加されたら、変更を確定(ECO を作成)(Accept Changes (Create ECO))ボタンをクリックします。表示された設計変更指示(Engineering Change Order)ダイアログを使用して、変更内容(必要な各部品へのパラメータの追加)を確認し、実行します。

デザイン パラメータへのデータベース フィールドのマッピング

既存のコンポーネント(デザイン プロジェクトのソース回路図シートに配置されているコンポーネント、またはライブラリ パッケージに追加済みの回路図コンポーネント ライブラリに定義されているコンポーネント)のデザイン パラメータは、パラメータをデータベースから更新(Update Parameters From Databas)コマンドを使用することにより、外部に格納されている会社のデータベースの情報で更新されます。このコマンドは、回路図ドキュメント/回路図ライブラリ ドキュメントがアクティブなときに、リボンのツール(Tools) | DB リンク パラメータ(DB Link Params)領域で使用できます。

デザイン コンポーネントと、リンクされたデータベースのテーブル内のレコードの間で一致が発生した場合、次に実行される操作は、データベース リンク ファイルに指定されたマッピングおよび更新の情報で決まります。これらの設定は、メイン ドキュメント ビューの Field Mappings タブで行います。

マッピングおよび更新のオプションはテーブルごとに指定します。


パラメータ マッピングおよび更新のオプションは、DbLink ドキュメントの Field Mappings タブで指定します。

パラメータ マッピング

Field Mappings タブの最初の(左から) 2 つの列を使用すると、データベースのどの情報がコンポーネントのパラメータにマップされるかを制御できます。

Database Field Name 列には、現在アクティブなデータベース テーブルのすべてのフィールド(列)名が一覧表示されます。Design Parameter 列では、データベース内の対応するフィールドにマップされるデザイン パラメータを指定できます。最初のマッピングは、データベースへの接続時に自動的に実行され、すべてのデータベース フィールドが同じ名前を持つデザイン パラメータにマップされます。たとえば、データベース内のあるフィールドの名前が Tolerance になっている場合、Tolerance という名前のデザイン パラメータがこのフィールドにマップされます。

デザイン パラメータのエントリは、次のようにして簡単に変更できます。

  • そのセルをクリックし、別のパラメータの名前を直接入力します。
  • セルに関連付けられたドロップダウン リストを使用して、既存のデザイン パラメータを選択します(親プロジェクトがあらかじめコンパイルされている場合)。

データベース内のコンポーネントに関連付けられたデータ フィールドが大量にあり、それらのすべてを既存のデザイン コンポーネントにデザイン パラメータとして追加する必要があるわけではない場合があります。この情報の大部分は、部品表の生成時にのみ必要になることがあります。レポート マネージャ(Report Manager)ダイアログには、リンクされたデータベースから BOM に直接パラメータ情報を追加できるオプションがあります。これを使用すると、回路図ソース ドキュメントとともに「運ばれる」情報の量を減らすことができます。詳細については、BOM へのデータベース情報の直接追加に関するセクションを参照してください。

データベースからのマッピングを明示的に行わないフィールドについては、Design Parameter エントリを [None] に設定します。マップされないデータベース フィールドは、赤い十字のアイコン()を使用することで、タブ上で識別されます。マップされるデータベース フィールドは、緑色のチェックマーク アイコン()で識別されます。


必要に応じてパラメータ マッピングを定義します。Design Parameter
ドロップダウン リストに値を表示するために、プロジェクトをコンパイルすることを忘れないでください。

パラメータ更新オプション

Field Mappings タブの残りの列では、パラメータをデータベースから更新(Update Parameters From Database)コマンドでコンポーネントを更新するときにパラメータに対して行う操作を指定できます。次の説明において、SOLIDWORKS PCB コンポーネントという用語は、回路図シートに配置されているコンポーネントまたは回路図コンポーネント ライブラリ(ライブラリ パッケージの一部)内の定義済みコンポーネントを表します。

次の 4 つの列があります。

  • 値の更新(Update Values) - この列のセルは、パラメータが SOLIDWORKS PCB コンポーネントとデータベースに存在するが、値が現在同じではない場合に行われる操作を決定するために使用されます。データベースに格納されている値を使用して SOLIDWORKS PCB コンポーネントのパラメータを更新するか(更新(Update))、または何も更新しないか(Do not update)を選択します。
  • デザインに追加(Add To Design) - この列のセルは、パラメータがデータベース内で見つかったが、SOLIDWORKS PCB コンポーネントには存在しない場合に行われる操作を決定するために使用されます。パラメータを追加するか(追加(Add))、パラメータを追加しないか(Do not add)、またはデータベース内で割り当てられている値がある場合にのみパラメータを追加するか(Add only if not blank in database)を選択できます。
  • 追加時に表示(Visible On Add) - この列のチェックボックスは、新規に追加されたパラメータを SOLIDWORKS PCB コンポーネントに対して表示可能にするか(有効)、または表示不可にするか(無効)を決定するために使用されます。
  • デザインから除去(Remove From Design) - この列のセルは、パラメータが SOLIDWORKS PCB コンポーネントには存在するが、データベースには存在しないか存在しても値がない場合に行われる操作を決定するために使用されます。パラメータを何も除去しないか(Do not remove)、またはデータベース内で割り当てられている値がない場合にのみ除去するか(Remove only if blank in database)を選択できます。

次の画像に示すように、マップされた各データベース フィールドの値の更新(Update Values)デザインに追加(Add To Design)、およびデザインから除去(Remove From Design)フィールドは、最初、デフォルト(Default)エントリに設定され、追加時に表示(Visible On Add)オプションは無効になります。

更新オプションのデフォルト設定を上書きする場合は、単に Field Mappings タブで関連する更新フィールドをクリックし、再度クリックして、適用可能な更新を選択できるドロップダウンを表示します。

更新の実行時、その更新は設計変更指示(Engineering Change Order)ダイアログを使用して行います。この段階で、実行が不要な更新がある場合は、単にそれらの特定の変更を含まないように選択することができます。つまり、どのデザイン パラメータを更新するかについての最終決定を行うことができます。

同期の保証

必要に応じてマッピングおよび更新のオプションをデータベース リンク ファイルに指定し、そのファイルを保存すると、データベースの情報を SOLIDWORKS PCB コンポーネントのマップされたパラメータに渡せるようになります。選択したキー フィールド パラメータは、SOLIDWORKS PCB コンポーネントが、外部データベース内のそのコンポーネントに対応するレコードへのリンクを保持していることを確実にするために使用されます。つまり、この先のどの段階でも、データベース内のパラメータ情報に対する変更を SOLIDWORKS PCB コンポーネントに簡単に渡して、2 つを同期することができます。更新は、パラメータをデータベースから更新(Update Parameters From Database)コマンドを使用して実行します。

データベース リンクの作成および管理の詳細については、新しいデータベース リンクのページを参照してください。

パラメータ エディタ オプション ダイアログ

パラメータ エディタ オプション(Parameter Editor Options)ダイアログを使用すると、デザイナーは Parameter Table Editor に表示される情報のタイプを定義できます。

アクセス

このダイアログにアクセスするには、回路図ドキュメントがアクティブになっているときに、ツール(Tools) | DB リンク パラメータ(DB Link Params) | パラメータ エディタ オプション(Parameter Editor Options)を選択します。

オプション/コントロール

  • 組み込むパラメータの所有者(Include Parameters Owned By) - チェックボックスを使用して、次のものに所有されているパラメータを表示します。
    • パーツ(Parts) 
    • ネット (パラメータ セット)(Nets Parameters Sets) 
    • シート シンボル(Sheet Symbols) 
    • ピン(Pins) 
    • モデル 
    • ポート(Ports) 
    • ドキュメント(Documents) 
  • 次の条件を満たす(That Meet the Following Criteria) - ドロップダウンから、含めるオブジェクトに対する条件のスコープを選択します。
    • すべてのオブジェクト(All Objects)
    • Objects with existing parameters
    • Objects with existing used parameters
  • その他のオプション(Other Options)
    • システム パラメータを除外(Exclude System Parameters) - すべてのシステム パラメータを除外するには、このオプションを有効にします。 
    • 選択したオブジェクトのみ(Selected Objects Only) - 選択したオブジェクトのみを含めるには、このオプションを有効にします。

パラメータをデータベースから更新ダイアログ

このダイアログを使用すると、ユーザーは SOLIDWORKS PCB コンポーネントのパラメータを、外部データベースに格納されている情報で更新できます。

アクセス

このダイアログにアクセスするには、回路図ドキュメントがアクティブになっているときに、ツール(Tools) | DB リンク パラメータ(DB Link Params) | パラメータをデータベースから更新(Update Parameter from Database)を選択します。

オプション/コントロール

  • 回路図シート(Schematic Sheets) - この領域には、更新を適用できるすべての回路図ドキュメントが一覧表示されます。これは、単一のフリーの回路図ドキュメント、またはアクティブ プロジェクト内のすべての回路図シートのいずれかです。更新を受け入れるコンポーネントが含まれるドキュメントの横のチェックボックスを選択します。
    回路図シート(Schematic Sheets)リストでエントリを有効/無効にすると、その選択に従って、コンポーネント タイプ(Component Types)領域が自動的に更新されます。
  • コンポーネント タイプ(Component Types):
    • 物理コンポーネント(Physical Component) - これはコンポーネントの名前です。
    • 論理記号(Logical Symbol) - これは関連付けられた論理記号です。
    • ライブラリ(Library) - これは、コンポーネントの配置元のソース ライブラリです。
    • カウント(Count) - これは、すべての有効な回路図ドキュメントでのインスタンスの数です。
  • ログの作成(Create Log) - 更新のログ ファイルを作成するには、このオプションを選択します。
 
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