インターラクティブ配線

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基板の配線をインターラクティブに行っています。ショートカット Ctrl キーを押しながらクリックを使用して、複数の接続をまとめて完成させることができます。

概要

配線は、一連のトラック セグメントやビアを配置してノード間のパスを定義することによって、各ネット内のノードを接続するプロセスです。SOLIDWORKS PCB には、設計者の配線効率を大幅に高める高度なインターラクティブ配線エンジンが用意されています。主な機能は次のとおりです。

  • さまざまな配線モード(最初の障害物で停止、迂回、押しのけなど)
  • トラック角度と直交性を維持する強力なドラッグ機能
  • 迅速かつ簡単なリルート プロセスを実現するループ削除機能

詳細

リボンのホーム(Home) | ルーティング(Routing)グループに、配線コマンド、配線解除コマンドおよび接続線(ラッツネスト)の表示を制御するためのコマンドがまとめられています。

配線(Route)ボタンには 2 つの機能があります。上半分をクリックすることによって、インターラクティブ配線コマンドをいつでも起動できます。下半分は、配線対象(1 つのネット、差動ペアまたは複数のネット)を選択するための配線メニューにアクセスするために使用します。

コマンドの概要

コマンド 動作
配線(Route) » インターラクティブ配線(Interactive Routing) 配線(Route)ボタンの上半分をクリックするか、メニューからインターラクティブ配線(Interactive Routing)を選択してから、接続線またはパッドをクリックしてそのネットの配線を開始します。このコマンドには、ワークスペースの右クリック メニューからアクセスすることもできます。
配線(Route) » 差動ペア配線(Differential Pair Routing) 差動ペアを配線します。ペアのいずれかのネットをクリックして配線を開始します。PCB パネルの Differential Pair Editor モードで、ネットを差動ペアとして構成します。詳細については、差動ペア配線のページを参照してください。
配線(Route) » インタラクティブマルチ配線 複数のネットを同時に配線します。対象とする各ネットのソース パッドを選択します。個々のパッドを選択するには、Shift キーを押しながらクリックし、選択エリアを描画してコンポーネント内の複数の子パッドを部分的に選択するには、Ctrl キーを押しながらクリックしてドラッグします。バスの間隔を現在のグリッドの刻みで増減するには、B/Shift + B キーを押し、ルールによって許容される最小限度まで折りたたむには、C キーを押します。詳細については、インターラクティブ マルチ配線のページを参照してください。
アンルート(Unroute) » すべて(All) 基板全体でネット名を持つシグナル レイヤ トラック セグメントおよびビアをすべて削除します。ロックされているトラック セグメントおよびビアは削除されません。
アンルート(Unroute) » ネット(Net) コマンドの選択後にクリックしたネットのネット名を持つシグナル レイヤ トラック セグメントおよびビアをすべて削除します。ロックされているトラック セグメントおよびビアは削除されません。
アンルート(Unroute) » コネクション(Connection) コマンドの選択後にクリックしたネットのネット名を持つシグナル レイヤ トラック セグメントおよびビアのうち、両方向の最初のパッドまでを削除します。ロックされているトラック セグメントおよびビアは削除されません。
アンルート(Unroute) » コンポーネント(Component) クリックしたコンポーネント内のパッドから、別のコンポーネントに到達するまでを対象として、接触するシグナル レイヤ トラック セグメントおよびビアをすべて削除します。
接続(Connections) » すべて表示(Show All) 基板全体の接続線(ラッツネスト)をすべて表示します。
接続(Connections) » ネットを表示(Show Net) 選択したネットの接続線(ラッツネスト)を表示します。
接続(Connections) » すべて非表示(Hide All) 基板全体の接続線(ラッツネスト)をすべて非表示にします。
接続(Connections) » ネットを非表示(Hide Net) 選択したネットの接続線(ラッツネスト)を非表示にします。

インターラクティブ配線のプリファレンス

配線のプリファレンスは、プリファレンス(Preferences)ダイアログの PCB - インターラクティブ配線(Interactive Routing)ページで構成します。


好みに合わせてインターラクティブ配線オプションを構成します。ダイアログ上で F1 キーを押すと、オプションの詳細が表示されます。

インターラクティブ配線のショートカット

インターラクティブ配線は、その性質上、設計者と PC の対話、マウスの移動、クリック操作による頂点(コーナー)の定義といった煩雑な作業を伴うプロセスです。そのため、インターラクティブ配線を効率よく進めるには、ショートカット キーを多用することが不可欠です。

ショートカット キー 動作
Shift + F1 または ~(チルダ) インターラクティブ ショートカットのメニューを表示します。該当するショートカット キーを押すか、メニューから選択することにより、ほとんどの設定をその場で変更できます。
* または Ctrl + Shift + マウス ホイールの回転 使用可能な次のシグナル レイヤに切り替えます。適用可能な配線ビア スタイル デザイン ルールに従って、ビアが自動的に追加されます。
Shift + R 有効な矛盾解決モードを順番に切り替えます。インターラクティブ配線(Interactive Routing)プリファレンス ページで必要なモードを有効にします。現在のモードがステータス バーに表示されます。
Shift + S シングル レイヤ モードのオンとオフを切り替えます。複数のレイヤ上に多数のオブジェクトがある場合に最適です。
スペースバー 現在のコーナー方向を切り替えます。
Shift + スペースバー さまざまなトラック コーナー モードを順番に切り替えます。スタイルは、任意の角度、45°、アーク付き 45°、90°、およびアーク付き 90° です。インターラクティブ配線(Interactive Routing)プリファレンス ページに、これを 45° と 90° に制限するオプションがあります。
Ctrl + 左クリック 配線している接続を自動的に完成させます。障害物との間に解決できない矛盾がある場合、オートコンプリートは成功しません。
Ctrl ホットスポット スナップを一時的に中止します。Shift + E キーを押すと、使用可能な 3 つのモード(オフ/現在のレイヤについてオン/すべてのレイヤについてオン)が順番に切り替わります。現在のホットスポット スナップ モードがステータス バーに表示されます。
End 画面を再表示します。
PgUp/PgDn 現在のカーソル位置を中心としてズームイン/ズームアウトします。または、マウス ホイールによるズームおよびパニングの Windows 標準のショートカットを使用します。
BackSpace 最後にコミットされたトラック セグメントを削除します。
右クリックまたは Esc インターラクティブ配線モードのままで、現在の接続を破棄します。
3 トラック幅ソースを順番に切り替えます。User Choice、Rule Minimum、優先ルール(Rule Preferred)または Rule Maximum のいずれかの幅を使用できます。現在のソースがステータス バーに表示されます。
5 マウス軌跡追跡モードのオン/オフを切り替えます。これをオフにし、迂回モードで配線している場合、最後にクリックした地点から現在のカーソル位置までの最短ルート パスが検出されます。これをオンにし、迂回モードで配線している場合、ルート パスはカーソルの動きに沿います。
Ctrl + Shift + P glossing強度を順番に切り替えます。glossingとは、不要な揺れやコーナーの自動消去を試みて、配線の整理と短縮を図る処理です。現在のglossing強度がステータス バーに表示されます。

配線時には、常にステータス バーに注意してください。インターラクティブ配線中には、次のような重要な情報が表示されます。

  • 現在のワークスペースの場所およびスナップ グリッドの設定
  • ホットスポット スナップ: オフ/現在のレイヤについてオン/すべてのレイヤについてオン
  • 現在のトラック コーナー モード
  • 現在のインターラクティブ配線モード
  • 配線幅のソース 
  • 配線ビア スタイルのソース
  • ネットの名前
  • 配線全体の長さ
  • 配置している配線セグメントの寸法

既存の配線の変更

SOLIDWORKS PCB では、既存の配線を削除または解除する代わりに、再配置とリルートの 2 つのアプローチによってそれらの配線を変更できます。

既存の配線の再配置

  • 基板全体でトラック セグメントをインターラクティブにスライドまたはドラッグするには、次のアニメーションのように、単に、クリックしたままドラッグします。
  • PCB エディタでは、接続セグメントとの角度が自動的に 45/90° に保持され、必要に応じてセグメントが縮小および拡張されます。

既存の配線のリルート

  • パスを再定義するために接続の配線を解除する必要はありません。単に、配線(Route)ボタン をクリックし、新しいパスの配線を開始します。
  • ループを閉じて右クリックし、完了したことを示すとすぐに、ループ削除(Loop Removal)機能によって、重複するトラック セグメント(およびビア)が自動的に削除されます。
  • 新しいルート パスを任意の位置で開始および終了し、必要に応じてレイヤをスワップできます。
  • 障害物を無視(Ignore Obstacle)モードに切り替えて、一時的な違反を作成することもできます(次のアニメーションを参照)。この違反は、後で解決します。


既存の配線の一部を再配置してから、2 つのネットをリルートしています。ショートカット Shift + R を使用して配線モードを切り替え、一時的な違反を許可できます。

 

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