ネットを編集

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ネットを編集(Edit Net)ダイアログ。

概要

このダイアログを使用すると、設計者は、フォーカスしたネットのプロパティを参照したり、設計内のコンポーネントのピン(パッド)のうちネットに含まれるものを管理したりすることができます。また、ネットのインターラクティブ配線時に使用する推奨配線幅やビア サイズを変更することもできます。

アクセス

このダイアログには、PCB エディタから次の方法を使用してアクセスします。

  • PCB パネルのネット(Nets)領域で(ネット(Nets)モードでの設定時に)、目的のネットをダブルクリックします。
  • デザイン ワークスペースで、目的のネット内のオブジェクトを右クリックし、コンテキスト メニューからネットの操作(Net Actions) » プロパティ(Properties)を選択します。
  • ネットリスト マネージャ(Netlist Manager)ダイアログで、目的のネットをダブルクリックします(または、ネットを選択し、編集(Edit)ボタンをクリックします)。
ネットリスト マネージャ(Netlist Manager)ダイアログにアクセスするには、メイン メニューのツール(Tools) | ネットリスト(Netlist) | » ネットを編集(Edit Nets)コマンドを使用します。

オプション/コントロール

プロパティ

  • ネット名(Net Name) - ネットの現在の名前。必要に応じて変更できます。
  • 接続の色(Connection Color) - 該当するネットに関連付けられている(未配線)接続線に現在使用されている色。デフォルトでは、新しいネットはすべて同じ色になります。この色は、ビューの設定(View Configurations)ダイアログ基板のレイヤと表示色(Board Layers And Colors)タブにある Default Color for New Nets フィールドで指定します。色見本をクリックし、標準の色を選択(Choose Color)ダイアログで必要に応じて色を変更できます。
選択したネット色は、PCB パネルのネット(Nets)領域に表示されるネット エントリの左端のフィールドに反映されます。このフィールドには、該当するネットに対して色上書き機能を有効にするためのチェック ボックスも用意されています。この機能を使用すると、関連付けられているレイヤ色を使用するのではなく、ネット自体に割り当てられている色を使用してネット(関連するデザイン オブジェクト)をハイライト表示できます。割り当てられているネット色は小さい四角形を使用して表示され、チェッカーボード形式でデフォルトのレイヤ色も引き続き表示されます。ワークスペースで基板からさらにズームアウトすると、ネットの接続色が優勢になり、最終的にレイヤ色を判別できなくなります。
個々のネットの接続線の色を設定できるだけでなく、接続線の表示色をその始点/終点となる開始レイヤ/終了レイヤの色に設定することもできます。これらの接続線は、開始レイヤと終了レイヤの両方の色を使用して破線で表示されます。この機能を使用すると、配線接続のターゲット レイヤを容易に判別できるようになるため、マルチレイヤ基板の配線に最適です。この破線の色上書きは、2 つの異なるレイヤ間を横断するネットにのみ適用され、接続の始点と終点が同じレイヤ上にある場合は、定義済みの色が維持されることに留意してください。レイヤごとの色付け機能を使用するには、ビューの設定(View Configurations)ダイアログの表示オプション(View Options)タブにある接続図面にレイヤ色を使用(Use Layer Colors for Connection Drawing)オプションを有効にします。
  • 接続を非表示(Hide Connections) - ネットの接続線をすべて非表示にするには、このオプションを有効にします。
  • ジャンパーを非表示(Hide Jumpers) - コンポーネントのジャンパー ピンが該当するネットに属する場合に、それらのジャンパーをすべて非表示にするには、このオプションを有効にします。
  • ループを削除(Remove Loops) - このオプションでは、再配線によって既存のルート パスを変更するときに、該当するネットの配線トラック(および関連する冗長ビア)の冗長ループ セグメントを削除するかどうかを制御します。ネットを自動ループ削除の対象から除外するには、このオプションを無効にします。
自動ループ削除は、プリファレンス(Preferences)ダイアログの PCB エディタ(PCB Editor) - インターラクティブ配線(Interactive Routing)ページにある自動的にループを削除(Automatically Remove Loops)オプションを使用してグローバルに制御します。

ピン管理

設計者は、ダイアログのこの領域にあるコントロールを使用して、該当するネットに属するピン(コンポーネント パッド)を管理できます。

  • 他のネットのピン(Pins in Other Nets) - ここには、該当するネットに現在属していないコンポーネント ピン(パッド)がすべて一覧表示されます。
  • このネット内のピン(Pins in This Net) - ここには、該当するネットに現在属しているコンポーネント ピン(パッド)がすべて一覧表示されます。
  •  (すべて追加(Add All)) - このボタンをクリックすると、他のネットのピン(Pins in Other Nets)リスト内のすべてのピンをこのネット内のピン(Pins in This Net)リストにすばやく転送できます。
  •  (選択範囲を追加(Add Selected)) - このボタンをクリックすると、他のネットのピン(Pins in Other Nets)リスト内で現在選択しているピンをこのネット内のピン(Pins in This Net)リストにすばやく転送できます。
  •  (選択アイテムを除去(Remove Selected)) - このボタンをクリックすると、このネット内のピン(Pins in This Net)リスト内で現在選択しているピンを他のネットのピン(Pins in Other Nets)リストにすばやく転送できます。
  •  (すべて削除(Remove All)) - このボタンをクリックすると、このネット内のピン(Pins in This Net)リスト内のすべてのピンを他のネットのピン(Pins in Other Nets)リストにすばやく転送できます。
リスト間での転送時には、標準の複数選択手法(Ctrl + クリックおよび Shift + クリック)を使用して複数のピンを選択できます。

現在のインターラクティブ配線設定

ダイアログのこの領域には、次の場合に情報が読み込まれます。

  • ネットのインターラクティブ配線時に、デザイナーが定義済みのお気に入りトラック幅またはビア サイズ(あるいはその両方)を選択した場合。選択は、それぞれ Choose Width ダイアログ(Shift + W)または Choose Via Size ダイアログ(Shift + V)を使用して行います。定義済みの幅およびサイズ自体の構成は、それぞれお気に入りのインターラクティブ配線幅(Favorite Interactive Routing Widths)ダイアログおよびインターラクティブ ビアのサイズをブックマーク(Favorite Interactive Via Sizes)ダイアログで行います。
  • ネットのインターラクティブ配線時に、設計者が特定のトラック幅またはビア サイズ(あるいはその両方)をその場で設定した場合(Tab キーを押してインターラクティブ配線(Interactive Routing)ダイアログにアクセス)。

設計者は、ダイアログのこの領域で設定を直接変更することもできます。

インターラクティブ配線時に定義済みのお気に入りトラック幅またはビア サイズ(あるいはその両方)を選択したり、配線時にその場で値を指定したりすることは、ユーザー選択と呼ばれます。これにより、設計者は、適用される配線ルールの境界内から出ることなく、配線作業の効率を高めることができます。
ダイアログに読み込まれ、および設定されるすべての値が、ルール システムによって完全に保護されます。適用される最小/最大ルール設定から外れる配線幅や配線ビア サイズを選択または指定した場合は、幅、穴サイズまたは直径が、最小値と最大値のいずれか適切な方に切り捨てられます。
  • トラック幅(Track Widths) - ここには、基板で使用可能な配線(シグナル)レイヤ、およびレイヤ上でのネット配線に使用される現在のトラック幅が一覧表示されます。ユーザー選択機能を使用するとき、設計者がお気に入り配線トラック幅を選択した場合(インターラクティブ配線時に Shift + W)は、その幅がここに読み込まれます。配線中にその場で値を指定する場合にも、同じことが該当します。デザイナーがその幅をすべてのレイヤに適用することを選択した場合は、その値がすべてのレイヤのこのフィールドに読み込まれます。そうでない場合、配線が実行されていたレイヤのエントリにのみ値が読み込まれます。
レイヤ スタック参照(Layer Stack Reference)絶対レイヤ(Absolute Layer)の 2 種類のレイヤ参照があります。前者には、レイヤ スタック内での位置を基準にレイヤが一覧表示され、後者には、システム内での順序に従ってレイヤが一覧表示されます。

各レイヤのトラック幅については、前に読み込まれた内容を直接変更して調整できます。

ダイアログで値を直接設定し、その値を使用して配線を続行する場合は、既存のルートからトラック幅を取得(Pickup Track Width From Existing Routes)オプション(プリファレンス(Preferences)ダイアログの PCB エディタ(PCB Editor) - インターラクティブ配線(Interactive Routing)タブ)を無効にします。このようにしないと、既存のルートのトラック幅の値がダイアログに再び読み込まれます。
  • ビア穴のサイズ(Via Hole Size) - 該当するネットの配線でビアを作成するときに使用される現在のビア穴のサイズ。ユーザー選択機能を使用するとき、デザイナーがお気に入り配線ビア サイズを選択した場合(インターラクティブ配線時に Shift + V)は、その選択の穴サイズ部分がここに読み込まれます。配線中にその場で値を指定する場合にも、同じことが該当します。穴サイズについては、前に読み込まれた内容を直接変更して調整できます。
  • ビアの直径(Via Diameter) - 該当するネットの配線でビアを作成するときに使用される現在のビア直径。ユーザー選択機能を使用するとき、設計者がお気に入り配線ビア サイズを選択した場合(インターラクティブ配線時に Shift + V)は、その選択の直径部分がここに読み込まれます。配線中にその場で値を指定する場合にも、同じことが該当します。直径については、前に読み込まれた内容を直接変更して調整できます。
  • すべての幅(All Widths) - ユーザー選択機能を使用するとき、設計者が定義済みのお気に入り配線トラック幅またはその場指定の配線トラック幅をすべてのレイヤに適用することを選択した場合は、選択/指定した値がこのフィールドに読み込まれます。選択/指定した値がアクティブな配線レイヤのみを対象としていた場合は、0 がこのフィールド(および他のレイヤのすべてのトラック幅(Track Width)フィールド)に入力されます。
  • レイヤ スタック内のレイヤのみ(Layers in Layer-Stack only) - レイヤ スタック内のレイヤについてのみユーザー選択値が読み込まれるようにするには、このオプションを有効にします。

 

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