文字列

親ページ: PCB オブジェクト

配置された文字列オブジェクト。

概要

文字列は、プリミティブ デザイン オブジェクトです。これを使用して、一般的なバーコード標準を含む、さまざまな表示スタイルやフォーマットで、選択したレイヤにテキストを配置できます。ユーザー定義のテキストだけでなく、特殊文字列と呼ばれる特殊なタイプの文字列を使用すれば、基板またはシステムの情報や、ユーザー パラメータの値を基板に表示することもできます。

使用可能な機能

文字列は、PCB エディタと PCB ライブラリ エディタの両方で配置できます。配置するには、メイン メニューからホーム(Home) | 配置(Place) |  をクリックします。

配置

コマンドを起動すると、カーソルが十字に変わり、文字列の配置モードが開始されます。文字列がカーソル上に「フローティング」状態で表示されます。

  1. カーソルで位置を決定し、クリックするか、Enter キーを押して文字列を配置します。
  2. さらに文字列の配置を続行します。または、右クリックするか、Esc キーを押して配置モードを終了します。

配置中に実行できるその他の操作は次のとおりです。

  • スペースバーを押して、文字列を反時計回りに回転します。時計回りに回転するには、Shift + スペースバーを押します。回転は、プリファレンス(Preferences)ダイアログの PCB エディタ(PCB Editor) - 全般(General)ページで定義した回転ステップ(Rotation Step)の値に従って行われます。
  • X または Y キーを押して、文字列をそれぞれ X 軸または Y 軸に沿ってミラーリングします。
  • L キーを押して、文字列を基板の反対側に反転します。
  • (数値キーパッドの)+ および - キーを押して、デザイン内の表示可能なすべてのレイヤをそれぞれ前方および後方に順番に切り替えて、配置レイヤをすばやく変更します。
  • Tab キーを押して、関連するプロパティ ダイアログにアクセスします。ダイアログでは、文字列のプロパティをその場で変更できます。
配置中に属性を変更できますが(Tab キーを押して、関連するプロパティ ダイアログを表示します)、変更した値がその後の配置のデフォルト設定になることに留意してください。

グラフィック エディット

この編集方法では、配置された文字列オブジェクトをワークスペース内で直接選択し、その場所、回転、または方向を変更することができます。反転した文字列については、サイズを変更することもできます。

反転していない文字列オブジェクトを選択すると、次の編集ハンドルを使用できます。

選択された文字列(反転していない文字列)。

  • B をクリックしてドラッグし、点 A を中心に文字列を回転します。
  • 編集ハンドルから離れて、文字列上の任意の場所をクリックし、ドラッグして再配置します。文字列は点 A によって保持され、回転したり(スペースバー/Shift + スペースバー)、ミラーリングしたりすることができます(X または Y キーを押して、それぞれ X 軸または Y 軸に沿ってミラーリングします)。

編集可能な境界矩形を持つ、反転した文字列オブジェクト(反転した矩形)を選択すると、次の編集ハンドルを使用できます。

選択された文字列(反転した文字列、反転した矩形を使用)。

  • B をクリックしてドラッグし、点 A を中心に文字列を回転します。
  • C をクリックしてドラッグし、矩形の垂直方向と水平方向のサイズを同時に変更します。
  • D をクリックしてドラッグし、矩形の垂直方向と水平方向のサイズを別々に変更します。
  • 編集ハンドルから離れて、文字列上の任意の場所をクリックし、ドラッグして再配置します。文字列は点 A によって保持され、回転したり(スペースバー/Shift + スペースバー)、ミラーリングしたりすることができます(X または Y キーを押して、それぞれ X 軸または Y 軸に沿ってミラーリングします)。

ロック(Locked)プロパティが有効になっているオブジェクトを選択したり、グラフィカルに編集したりすることはできません。オブジェクトをグラフィカルに編集するには、ロックされたオブジェクトを直接ダブルクリックし、ロック(Locked)プロパティを無効にします。

非グラフィカル エディット

非グラフィカル エディットには次の方法を使用できます。

関連するプロパティ ダイアログを使用した編集

ダイアログ ページ: 文字列

この編集方法では、次のダイアログを使用して文字列オブジェクトのプロパティを変更します。

文字列(String)ダイアログ。

配置中に文字列(String)ダイアログにアクセスするには、Tab キーを押します。

配置後には、次のいずれかの方法でダイアログにアクセスできます。

  • 配置された文字列オブジェクトをダブルクリックします。
  • 文字列オブジェクトにカーソルを置き、右クリックして、コンテキスト メニューからプロパティ(Properties)を選択します。

Ctrl + Q ショートカット キーを使用すると、ダイアログで現在使用されている測定単位をメートル単位(mm)とインチ単位(mil)の間ですばやく変更することができます。このことはダイアログにのみ影響し、基板で使用される実際の測定単位は変更されません。これらはメイン メニューのホーム(Home) | グリッドと単位(Grids and Units)領域にある および ボタンによって決定されます。

インスペクタ パネルを使用した編集

パネル ページ: PCB インスペクタPCBLIB インスペクタ

インスペクタ パネルを使用すると、設計者は、アクティブなドキュメント内の 1 つまたは複数のデザイン オブジェクトのプロパティを確認し、編集することができます。適切なフィルタリングと組み合わせて使用することで、同じ種類の複数のオブジェクトを 1 か所で簡単に変更できます。

特殊文字列

文字列オブジェクトを使用してユーザー定義のテキストを現在の PCB レイヤに配置できますが、配置できるのは、ユーザー定義のテキストだけではありません。ドキュメントの生成を支援するために、「特殊文字列」という概念が使用されます。これらの文字列は、出力の生成時に PCB に表示されるデザイン、システム、またはユーザー情報のプレースホルダーの役割を果たします。

特殊文字列は、.(ドット)文字で始まる文字列(.Layer_Name.Net_Count など)で示されます。この構文は、ユーザー パラメータを参照するときにも使用し、パラメータ名の前に .(ドット)文字を付けます。

使用例。左側では、システムおよびデザイン パラメータの特殊文字列がソース文字列として示されています。右側では、特殊文字列が変換されています。

新しい PCB ドキュメントで使用可能な定義済み特殊文字列のデフォルト セットが用意されています。設計者は、プロジェクトレベルで新たなパラメータを定義することにより、独自のカスタム特殊文字列を追加することもできます。これらのパラメータは、プロジェクトのオプション(Options for Project)ダイアログのパラメータ(Parameters)タブで定義します。

特殊文字列の配置

PCB で特殊文字列を使用するには、単に、文字列オブジェクトを配置し、ドロップダウンからいずれかの特殊文字列名を選択します。

配置された文字列オブジェクトの特殊文字列へのアクセス。

ワークスペースでの特殊文字列の表示

一部の特殊文字列の値は、関連する出力を生成するときにのみ表示できます。ただし、ほとんどの特殊文字列を画面上で直接表示することができます。そのためには、基板を 2D で表示しているときに、ビューの構成(View Configurations)ダイアログの表示オプション(View Options)ページで特殊文字列を変換(Convert Special Strings)オプションを有効にします(ダイアログを開くには、L ショートカット キーを押します)。

特殊文字列を変換(Convert Special Strings)オプションを有効にすると、出力を生成する前に、ほとんどの特殊文字列のデータを
ワークスペースで表示できます。

PCB の定義済み特殊文字列

PCB ドキュメントで使用可能なシステムベースの定義済み特殊文字列は次のとおりです。

  • .Application_BuildNumber – PCB が現在読み込まれているソフトウェアのバージョン。ガーバー出力を生成する場合、この文字列を使用して、デザインが作成されたソフトウェア ビルドを記録します。
  • .Arc_Count – PCB 上のアークの数。
  • .Comment – (コンポーネント フットプリントの一部としてライブラリ エディタで任意のレイヤに配置された)コンポーネントのコメント文字列。
  • .Component_Count – PCB 上のコンポーネントの数。
  • .ComputerName – ソフトウェアがインストールされ、実行されているコンピュータの名前。
  • .Designator – (コンポーネント フットプリントの一部としてライブラリ エディタで任意のレイヤに配置された)コンポーネントのデジネータ文字列。
  • .Fill_Count – PCB 上のフィルの数。
  • .Hole_Count – PCB 上のドリル穴の数。
  • .Layer_Name – 文字列が配置されているレイヤの名前。
  • .Legend – メカニカル ドリル プロットのシンボル凡例。この文字列は、ドリル図面レイヤに配置されている場合にのみ有効です。注記: これはレガシー機能です。より詳細なドリル情報を表示するには、ドリル テーブル オブジェクトを配置してください。
  • .Net_Count – PCB 上のさまざまなネットの総数。
  • .Net_Names_On_Layer – 特定のレイヤ上のすべてのネットの名前。この文字列は、内部プレーン レイヤに配置されている場合にのみ有効です。
  • .Pad_Count – PCB 上のパッドの数。
  • .Pattern – PCB で使用されているコンポーネント フットプリントの名前。
  • .Pcb_File_Name – PCB ドキュメントのパスおよびファイル名。
  • .Pcb_File_Name_No_Path – PCB ドキュメントのファイル名。
  • .Plot_File_Name – 生成されたガーバー出力の場合、この文字列は、ガーバー プロット ファイルのファイル名を表します。印刷出力の場合は、出力内に示されているレイヤを表します。ODB++ 出力の場合は、ファイルが保存されている親フォルダの名前を表します。
  • .Poly_Count – (ポリゴン ポア、内部プレーン、およびスピリット プレーンで構成される)PCB 上のポリゴンの数。
  • .Print_Date – 印刷/プロットの日付。
  • .Print_Scale – 印刷/プロットのスケール係数。
  • .Print_Time – 印刷/プロットの時刻。
  • .Printout_Name – 印刷出力の名前。
  • .SlotHole_Count – PCB 上のスロット穴の数。
  • .SquareHole_Count – PCB 上の四角穴の数。
  • .String_Count – PCB 上の文字列の数。
  • .Track_Count – PCB 上のトラックの数。
  • .VariantName – 出力の作成元のデザインのバリアント。
  • .VersionControl_RevNumber – ドキュメントの現在のリビジョン番号。この文字列に情報を含めるには、バージョン コントロールを使用する必要があります。
  • .Via_Count – PCB 上のビアの数。

文字列(String)ダイアログで使用可能な特殊文字列の完全なリストには、プロジェクトレベルのユーザー定義パラメータから導出されたものも含まれます。

フォントとバーコード

PCB エディタでは、文字列オブジェクトに TrueType フォントが使用されます。また、テキスト文字列をバーコード フォーマットで表示するためのサポートも提供されています。バーコードは、一般的に、PCB にタグを付けて識別し、自動化されたスキャンマシンなどを使用して在庫追跡を合理化するために使用されます。フォントの選択は、文字列(String)ダイアログで行います。

TrueType フォント

TrueType フォントを使用する場合、\Windows\Fonts フォルダにある TrueType フォントと OpenType(TrueType のスーパーセット)フォントが使用可能です。Unicode も完全にサポートされています。

検出された(一意の名前が付いた)ルート フォントのみが使用可能です。たとえば、ArialArial Black は使用できますが、Arial BoldArial Bold Italic は使用できません。

TrueType フォントを使用するには、単に、フォント(Font)フィールド(文字列(String)ダイアログ内)を TrueType フォント(TrueType Font)に設定し、TrueType フォントを選択(Select TrueType Font)領域のドロップダウン フィールドからフォント タイプを選択します。太字(Bold)オプションまたはイタリック(Italic)オプション(あるいはその両方)を使用すると、必要に応じてテキストを強調できます。

ワークスペースにおけるさまざまな TrueType フォントの表示例。

TrueType フォントのその他のオプションも使用可能です。反転(Inverted)オプションを有効にすると、テキストが反転表示され、テキストを囲む境界のサイズを制御できます。

反転した TrueType テキストの例。

反転四角形を使用(Use Inverted Rectangle)オプションを有効にすると、反転したテキストの境界矩形について、矩形のサイズ、矩形内のテキストの基準位置、矩形のエッジを基準にしたテキストのオフセットなどをより詳細に制御できます。

境界矩形や矩形内の文字列の位置を制御して、反転したテキストの外観を微調整します。

境界矩形の幅(Width)および高さ(Height)フィールドに値を入力する際には、ポップアップ ヒント テキストが表示され、テキスト文字列自体の実際の幅と高さに基づいて、入力可能な最小値が提示されます。

バーコード

バーコード シンボルを PCB の任意のレイヤに直接配置する機能によって、製造プロセスの一部として、PCB にバーコードを簡単にインプリントすることができます。

バーコード フォントを使用するには、単に、フォント(Font)フィールド(文字列(String)ダイアログ内)を BarCode Text に設定し、必要に応じて、バーコード テキストを選択(Select BarCode Text)領域で、表示オプションを定義します。

バーコード ISO Code 39(米国国防総省の標準)および Code 128(国際取引上の識別コードの標準)がサポートされています。テキストを表示(Show Text)オプションを有効にすると、バーコードの導出元の実際のテキスト文字列も表示できます。

テキストを表示する場合は、使用する TrueType フォントを選択し、それに応じてテキストの高さを設定します。

元の(人が判読できる)テキストが下に表示されたバーコードの例。

サイズを制御するには、必要な全体の幅またはバーコード要素の最小幅を使用してバーコードの高さと幅を指定します。どちらの方法を使用する場合も、必ず、適切なスキャナで読み取ることができる状態でバーコードがレンダリングされるサイズを使用してください。

バーコードと反転したテキスト文字列の組み合わせを、必要に応じてフィルとともに使用すると、元のバーコード テキストのみで得られる情報よりも詳細な情報をテキストで表示することにより、有用なバーコード領域を基板上に定義できます。

反転したバーコードに加えて、反転したテキスト文字列を使用した例。

 

アクティブ ドキュメント内の選択したテキストや画像に関する問題を報告します。